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2010年03月20日

中央集権化⇒徴税システムの成立

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こんにちは~ 😀
日本の農業史シリーズ第3弾
中央集権化⇒徴税システムの成立について考えていきます。
律令制国家では、租・庸・調、雑徭などを平民から取り立てて体制を維持していました。
が、実はその徴税システムが成立するにあたり、「神社・神道」という信仰が深く関係しているんです
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そもそも、古代の徴税システムはどのようになっていたのか?というと・・・

古代においては、祭祀を主導した豪族がその費用や供物とするために支配民から徴収したものが初穂であった。・・・(中略)最初に獲れた初穂は神に捧げられ、神聖な蔵に貯蔵される。この蔵の初穂は、次の年、神聖な種籾として農民に貸し出される。収穫期が来ると、農民は蔵から借りた種籾に、若干の神へのお礼の利稲(りとう:利息の稲)をつけて蔵に戻す。この循環が出挙の基本的な原理となる。
『神社への初穂が、「租」へと変質』

古代は、祭祀を司る者と政治を司る者が一致した祭政一致の体制でした。(政治のことを政(まつりごと)とも呼ぶのもこのためですね )祭事を司り、地域を統治していた豪族に対し、神への感謝とお礼である初穂と利稲を納めていました。
このように各地域の神に納められていたお礼=税を国家の制度として定着させたのが律令国家です。

後に豪族の政治・宗教権限がヤマト王権に剥奪されて律令政府が確立されると、初穂は律令政府を代理する国府に納められる田租(でんそ・「租」)へと転換して、後の租庸調制を構成する1つとなった。・・・・中略・・・
律令国家はこれを国家の制度に定着させ、公出挙と呼ばれる。国衙の蔵に納められた租稲(そとう)が元本になったと考えられており、これを春に農民に貸し付け、秋に利稲を付けて蔵に返される。このような初期金融行為が神のものの貸与、農業生産を外界とした神への返礼として成立していた。
『神社への初穂が、「租」へと変質』

時の権力者が上記のような徴税システムを整備するにあったって作り出されたのが神社を介した徴税システムです。どのようなシステムか?というと・・・

その年の最初に獲れた初穂は神に捧げられ、神聖な蔵に貯蔵される。この初穂の貢納が、「新嘗祭」という形で神社祭祀に組み込まれる(これがあって初めて、次の年の五穀豊穣を祈る「祈年祭」が成立する)。各神社の「初穂」は、それぞれの神官によって中央に「捧げられる」。こうして、中央から地方へと広がる租税徴収システムの原型ができあがった。
神道祭祀をつかさどる神祇官は、豊年祈願の祭りのほか、祈年祭や収穫を祝う新嘗祭を行うにあたって、まず全国の神社の神官を中央に集め、神に捧げ物(幣帛:へいはく)をした。その後、この捧げ物(幣帛)を地方の神官に配る。天皇が稲穂などの幣帛を、穀物の実りをつかさどる神に捧げるからこそ、神の加護を得られ、これを種籾として農耕に励むことで、豊作が約束される、というのである。言葉を換えると、捧げ物をしなければ豊作も約束されないわけだ。国家から地方へ広がるこのようなネットワークを通じて、神の霊力を宿した種籾が百姓に配られた。
『神社ネットワークから徴税制度へ』

このように日本の徴税システムは、各地で慣例的に行われていた神社への貢納という週間を利用し、神社をネットワーク化することで全国的な徴税システムの形成を可能にしたのです。力による支配による徴税システムではなく、「神社・神道」への信仰を利用した緩やかな律令制度による徴税システムだった。
つまり、農民にとっては五穀豊穣をお祈りするため、また収穫期の実りに対して神への感謝の想い が込められたシステムだったんですね

投稿者 mini : 2010年03月20日 List   

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コメント

はじめまして。ツイッターでこの記事を見つけ拝見させていただきました。
異常なミトコンドリアを持つ植物を摂取することで、人やハチの体にも異常なミトコンドリアが蓄積されて行く、という仮説は飛躍し過ぎではないかと思います。
ヒトでもハチでも食物を消化するときには例えばタンパク質ならアミノ酸のレベルにまで分解されますよね。ミトコンドリアをそのまま吸収・蓄積することはあり得ないはずです。野口さんの著書ではそこはどう説明されているのでしょうか。
よろしければご教授お願いします。

投稿者 seihm : 2011年11月29日 19:30

seihmさん
コメントありがとうございます。
>ヒトでもハチでも食物を消化するときには例えばタンパク質ならアミノ酸のレベルにまで分解されますよね。ミトコンドリアをそのまま吸収・蓄積することはあり得ないはずです。
上記の話は実はBSE(狂牛病)の話題の時も同様のこと(低分子アミノ酸まで分解されるので問題ない)が言われていました。
しかし現実にはネコが経口感染したという事実があります。
勿論、狂牛病の原因(異常たんぱく質)と全く同じとは言えませんし、本文に書かせて頂いたように、どこまで言ってもまだまだ仮説の域は出ないと思います。
(これからも追求が必要ですね。seihmさんも何か情報があれば、是非ご協力をお願いします)
しかしここで改めて考えるべきは、”食”や”農”という生命の根幹となるものに対して、市場原理の名の下に異常なものを提供し続けている(提供せざるを得ない)状況のおかしさ、ではないでしょうか。
(形は違えど原発事故も同じ位相にあるように思います。)
今後どうしていったらいいのか、も併せて継続追求していきたいと思います。

投稿者 tibatosi : 2011年11月29日 20:22

ご返答ありがとうございました。
BSEですか…確かにそこには考えが回ってませんでした。
個人的にそこの辺りはもう少し勉強してみようと思います。
蛇足かもしれませんがハチの失踪に関しては「ハチはなぜ大量死したのか」という本が非常によく説明していて、市場主義に支配された農業の問題点を突いていた記憶があります。
とにかく、これからもブログ拝見させていただきます。ありがとうございました。

投稿者 seihm : 2011年11月30日 20:47

seihmさん、再度のコメント大変ありがとうございます。
>蛇足かもしれませんがハチの失踪に関しては「ハチはなぜ大量死したのか」という本が非常によく説明していて、市場主義に支配された農業の問題点を突いていた記憶があります。
情報のご提供、ありがとうございます。
私も機会を作ってご紹介頂いた本を是非読んでみたいと思います。
>とにかく、これからもブログ拝見させていただきます。ありがとうございました。
大変ありがたいお言葉、本当にありがとうございます。
また、
>BSEですか…確かにそこには考えが回ってませんでした。
>個人的にそこの辺りはもう少し勉強してみようと思います。
から垣間見える、seihmさんの謙虚に学ばれる姿勢がとても素晴らしく、感銘いたしました。
私達が当ブログで書かせて頂いている投稿も「これが不変事実である」とはしておらず、常に仮説⇔検証を繰り返し、内容も塗り重ねていきたいと常々思っております。
その意味で、私達も常に謙虚でありたいと思っております。
これからも疑問やご指摘等ございましたら、より良い内容に洗練していくためにも、ご協力頂ければ大変有り難いです。
これからもどうぞ宜しくお願いします。

投稿者 tibatosi : 2011年12月1日 16:41

はじめまして。はなと申します。
この記事を書かれてすでにだいぶだっていますが、コメントさせていただきます。
先日、野口さんの講演会に参加しました。
「タネが危ない」も最近読み、背筋が凍りそうでした。
不妊症で悩む人は多いですし、
そういえば、おねえキャラはよく聞くけど、おにいキャラはほとんど聞かないのも、これらの影響の可能性があるような気がします。
野口さんのこの話は仮説ですが、環境ホルモンもほぼ仮説ですよね。まだ特定されていないですし。
野菜は昔から食べているから安全とくくるのではなく、育て方によってどのような影響があるのか研究を進めてほしいですね。
せめて、F1でない野菜を選ぶ権利を得るためにも、この話が広まってほしいし、固定種の野菜を市場に増やしてほしい。子育て世代の私はそう思います。(現在、貸農園で固定種野菜を育てていますが、買う方が多いです。)
また、こちらがとてもわかりやすいページでしたので、リンクさせていただきました。

投稿者 はな : 2013年5月26日 08:52

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