騙しの構造・・・ |
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2012年08月16日
「農業は儲からない」って、本当?
こんにちは。
みなさん、お盆休みはどのようにお過ごしでしょうか?
私たちの農園も、通常の出荷業務はお休みをしていますが、毎日の野菜や苗の世話、収穫作業、鶏の世話など、休み中も当番制で仕事をしています。
ところで、農業というと、このように年中休みなし、きつくて儲からない、というマイナスイメージがついて回っています。補助金をもらって、なんとか利益を出している農家は少なくありません。
しかし一方で、実際に農業で利益を上げ、経営を軌道に乗せている農業経営者も存在しています。
今回は、るいネットの投稿から、このように農業で利益を出すことができている農業経営者の事例を紹介します。そして、なぜ彼らは利益を出すことができているのか、彼らの視点や取り組みに学び、農業経営の活路を見出だしたいと思います。
■「農業は儲からない」は本当か?
勝っている農業者=生産体・経営体として自立できている農業者に共通するのは、「農業は儲からない」という固定観念にとらわれていないこと。そして「常識と疑う」ということ、その背後にある「実現の意志」。
何事もそうだが、○○できないのはしかたがない(儲からないのはしかたがない、不景気だからしかたがない、今までもそうだからしかたがないetc)といった敗北思考では何も実現しない。まずは「実現する気迫」が大事!ということだ。
●「一人経営、売上1000万、経費率半分」のヒミツ
青木恒男 リンク
「農業は儲からない」を疑ってみよう。「農業は仕事がきついわりに儲からない」という言葉がいつの間にか常識のようになってしまい、「儲からない職業には就けない」ということで後継者がいなくなり、気がつけば地域営農自体が成り立たなくなる寸前。このような農業の現状を打開するのによい方法はあるでしょうか?
「常識」は徹底的に疑ってみる、ということを栽培の基本にして、今後はさらに、自分ひとりでできる専業経営で、「ラクして儲ける農業」を追求していくつもりです。
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・水稲5haと少量多品目のハウス野菜・花20aを中心に、売上ベースで約1000万円。経費率40~50%。花は農協と直売所、野菜は2~3カ所の直売所へほぼ年間出荷。一人経営。
・はじめからうまくいった訳ではなく、最初のうちは、花の栽培で経費率が83%もかかり収益があがらず。しかし試行錯誤の結果、経費率29%という大幅なコストダウンに成功。所得7倍を実現。
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「100万円かかっていた経費を90万円に下げる」といった、引き算の“コストダウン”という常識は棄て、経営にしろ作物の栽培にしろ、必要なものだけを積み上げていく“ゼロから足し算するコスト”という発想に立つと、驚くほどムダが省けるのです。「作物が商品になるために必要なもの(こと)」を「必要な時に」「必要なだけ与える(行なう)」という「後補充生産」の考え方が重要です。「ほんとうに苗はこんなに必要なのか?」「肥料は必要なのか?」「土を耕すことは必要なのか?」といった、覆せそうにない基本を覆した時ほど効果は大きく現われるのです。
※「一人経営、売上1000万、経費率半分」のヒミツ リンク
●経営感覚をもった農家を育て「儲かる農業」をめざす異色の農業生産法人
(トップリバー・社長 嶋崎秀樹)リンク
「農業は儲からない産業。補助金で農家を助けるしかない」という“常識”を真っ向から否定して、「儲かる農業」を標榜し、現実に収益を上げて注目を浴びている企業がある。長野県を拠点とするトップリバーだ。嶋崎社長が走り続けているのは、農業が「儲かる」産業であることを訴え、経営感覚をもった農家を育て、全国に増やしていくためである。「農業」と「儲かる」は相反するテーマではないかと思う人もいるだろうが、嶋崎社長は「普通の企業のように経営を行なえば十分利益が出る」と言う。実際、同社は2000年の設立以降、初年度を除き、ずっと単年度黒字を続け、昨年度の売上は12億円に達した。
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・2000年の設立以降、初年度を除きずっと単年度黒字、売上10億円以上。
・正社員は35名、半数が大卒。3年目以上の社員には年俸350万~650万円が支払われるが、農業経営を身につけたあと独立を促される。
・農作業を行なうアルバイト55名は50~70歳の地元住民で、1人当たり年間100万円程度の収入を得る。
・正社員には農家出身者がいない。素人集団から出発した農業生産法人。
・自社生産の他、農家と契約して栽培を委託。管理する農地は契約農家の土地を含め約30万坪。レタスやキャベツ、ホウレンソウなどを生産。
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儲かる「秘訣」の第一は、農協を通じた卸売市場ではなく、一般事業者を取引先にしていることだ。取引先は現在、50社ほどで、個別に契約栽培・販売を行なっている。外食・中食関係が売上の7割を占め、残りはスーパーマーケット、生協などの小売業である。卸売市場を通すと、売値が変動するので収益は安定しないが、契約栽培・販売では価格を事前に取り決めるので、相場に左右されない。納入数量も決まっているので、計画的に栽培でき、事前に生産コストもわかる。
秘訣の第二は、自前の農地をもたないこと。農地はすべて農家から遊休農地を借りている。農業機械も中古を手に入れ、ビニールハウスも農家から譲り受けて再利用している。必要なもの以外はコストをかけない。
秘訣の第三は、生産だけでなく「営業」にも力を入れること。生産が100の力だと仮定すると、営業・販売には200の力を注ぐという。生産技術はある程度のレベルまでいくと向上しにくくなるが、営業と販売は知恵とアイデア次第で他社と差をつけられる。
トップリバーでは現在、5名の営業担当がおり、顧客と生産者の間をつなぐコーディネーター役を担う。
「大半の生産者は営業・販売を農協と市場に頼り切っています。営業と販売を工夫すれば、儲かる農業が実現できるのに関心を向けようとしないのです」
※経営感覚をもった農家を育て「儲かる農業」をめざす異色の農業生産法人 リンク (※2011年の記事)
●誇りと夢は、自らつかめ
農業経営者・木内博一(農事組合法人和郷園)リンク
木内たちの農家グループは、平均年齢30代前半の若い農家の集団だ。それでも、主要メンバーの年間の売上は全国平均の2倍以上、なかには1億円を超えるものもいる。市場を通さない野菜の出荷に加え、さまざまな事業に取り組み、その利益を元手にグループの農家の経営を安定させることに成功した。
新規事業を立ち上げる際に木内たちの考え方の出発点となっているのが、「”常識”を疑う」こと。従来の農家が”常識”としてきたことを見直し、本当にそれは正しいのかと疑い、もっと良い手立てがないかと模索する中から、木内たちはビジネスの種を見つけ出してきた。
木内たちの会社が立ち上げた事業による利益は、グループの農家の経営を安定させるだけではない。その利益を元手に、新しい農法の開発やこれまでにない野菜の栽培実験などにも挑戦。さらに、直営スーパーを都内に展開したり、海外事業に乗り出すなど新規ビジネスも積極的に開拓している。今、木内の最大の仕事は、農家の利益をさらに安定させるために新たな事業の開拓を行うことだ。
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・農業組合法人和郷園(千葉県)、売上一次品20億、加工品30億円。92農家加盟、92農家の平均売上4000~5000万円。契約販売先50社以上(販売先の分散化1社当たり10%以下目標)
・特徴的な経営手法は、農業の協業と企業化。6次産業化(流通、産直、加工、商品化)。ITコントロール(営業成績、適時商品栽培、出荷)
①販売事業部(営業方針)・・・消費者ニーズ、マーケットイン。和郷園ブランド、オーダー注文(産直)化。おいしい商品(有機栽培、高糖度トマト、新鮮野菜、食べやすい野菜、低農薬)。
②加工事業部・・・カット野菜、冷凍工場。
③環境事業部・・・土壌管理に施肥設定ソフト、JGAPの栽培管理、リサイクル100%(肥料、飼料、軽油等)。
④サービス事業部。⑤フードサービス事業部。
⑥生産事業部・・・標準農場管理、植物工場、減農薬管理。
⑦海外事業部(海外輸出)
・和郷グループ関連企業。
㈱OTENTO・・・東京、全国展開、アンテナショップ、惣菜専門店。㈱風土村(地域のコミュニティサービス・・・道の駅、地域産品の受け入れ)。
らでぃっしゅファーム和郷・・・宅配事業。㈱和・・・体験型農園(教育)、身障者雇用。
アクスリー㈱・・・人材派遣会社。ユニティ・・・惣菜加工、米粉パン、チーズケーキ。㈱郷・・・都市農村交流コミュニティ貸し農園事業。
・多角的に新規事業に挑戦している特異な農業法人。
※儲かる「農業経営」の実施モデル 法人「和郷園」グループ リンク
※儲かる“農業経営”はこうやる リンク
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千葉県香取市の和郷園グループ、年間約50億円を稼ぎ出す。そのうち本部だけで、野菜販売約20億円、加工が約11億円を占める。
91軒の契約農家を抱え、主要10品目を含む43品目をつくっている。 毎日食卓に並ぶあらゆる野菜を安定的に供給するための「普通の製造業」を目指す。
産地直送を始めたのは18年前。24歳で仲間5人とトラックに野菜を積み、横浜のスーパーや都内の八百屋へでかけた。いまのように産直ショップやネット直販がない時代だけに、鮮度のよさと珍しさも手伝い、大盛況だった。その後、大手生協、スーパーなどに取引先を広げ、5年目には野菜の売上高だけで5億円、10年で10億円を達成した。
生産品目が増えるのに伴って、契約農家が増え、集約化は進んだ。だが、課題はあった。作物の品質が農家ごとに微妙に違っていたのだ。そこで、栽培管理を統一するマニュアルをつくった。質・量ともに要望を完璧にこなせるプロ集団をつくった。この10年間、契約農家を新たに増やさず、1軒ごとの質を高めた。91軒中42軒は、売上高が年率110% で成長し続けている。
「本気でやれば、農業は、地域の人に継続的に仕事を供給できるんです」
和郷園はいま、グループ全体で1500人規模の雇用を生み出しているという。
以上、
「るいネット」
「農業は儲からない」は本当か?
生産体・経営体として自立している農業者の事例
利益を出している農業経営者は、本気で経営を考えています。それは、生産だけでなく、販売や営業をしっかり考え取り組んでいるということです。むしろ、販売とそのための営業こそが目的で、そのために生産をしていると言っても過言ではありません。これまでの農家は、一貫して「作ること」だけしか考えてきませんでした。販売は、専ら市場や農協任せで、値崩れすれば「市場が悪い、農協が悪い」、あるいは天候のせいにしてはしょうがないとあきらめ、自ら何とかしようとはしてこなかったのです。
ところが、このままでは、もはや生き残れない時代になりました。豊かさが実現し、物的価値から類的価値⇒共認充足が第一価値になったため、人々は、どこの誰がどのように作ったのか判らないような農産物ではなく、生産者の想いが伝わる商品を求めるようになりました。従って生産者は、作ったのものを、どこへ売るのか、どうやって売るのか、販売や営業に取り組んでいくことが不可欠な時代になったのです。そして、販売のための余力を生み出すためには、生産者の組織化・集団化が不可欠です。
これまでのような作るだけの農業から、「販売⇒(そのために)生産者の組織化⇒(そのために)商品化(技術開発)」というように、農業の業態そのものが、大きな変革期を迎えているのです。
投稿者 komayu : 2012年08月16日 TweetList
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