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2015年01月03日

地域共同体の歴史と新しい宅配事業

こんにちはm005.gif

「新しい宅配事業と地域共同体の再生」①宅配事業の現状】で、宅配事業は、かつて地域共同体が担っていた課題・役割を、宅配事業者が代行することで人と人をつなぐ役割を果たしていく可能性を持っていることが紹介されましたicon_biggrin.gif

そこで今回は、そもそもかつての地域共同体とは、どんな課題・役割を持ち、地域で結束していたのか?地域共同体があった江戸時代の村社会を参考にご紹介しますm027.gif

 

江戸時代の村は、学校の歴史で習うような貧困に窮し、支配されているというイメージではなく、実は自分達が生きる村を自分達の手で自在に発展させ、地域を守るという共同体・仕組みがありましたm051.gif

では、どんな仕組みだったのでしょうかm052.gif

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◆村の仕組み

>日本のムラでは、ただ単に家族、親族、近隣の人たちが相互に助け合うという本源的な相互扶助を行なっているだけではありません。ある共通課題に対して、ムラ中が集団的にまとまり、資金調達も含めて組織化され、高度な計画を作り、井戸やため池、林道、農道、ついでに集会施設や学校まで作ってしまいます。そのための共同訓練も、ムラでは日々行なわれてきました。それは、田植えや稲刈りの共同作業だけでなく、溝さらえや道普請の共同苦役であり、共有林の共同下刈りでした。その活動資金として、村落費も徴収します。ムラがひとつの法人的性格を持ち、ある目標に向かって機能的に動きます。日本のムラは、非常に発達した地域機能共同体だと言えます。

http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=198293

 

>「野沢組に見られるように、江戸時代の<生活の村>の中には<組><衆><講><結><座>などが常に機能しており、その全体は<寄合>=議会によって運営されていた。にもかかわらず、これらは行政ではなく、実質的<自治体>なのだ。」

http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=210686

 

上記のように、村には相互扶助だけでなく、共通の課題を解決していくための仕組みがあります。これによって、村のたいていのことを当然のごとく自主管理していました。

では、これらの仕組みの中身を詳しく見ていきますm071.gif

1.組

>7歳を過ぎた子供たちは「子供組」という集団を組み、大人の指導下にさまざまな行事をおこなった。例えば天神講をつくって学問の神様・菅原道真を祀り、学問の上達を祈るとともに、共同飲食して楽しむ、などの慣習は多くの村で見られた。

 

>15歳になれば、一人前の村人として認められ、男は「若者組」、女は「娘組」に属し、それぞれの仲間の交流を深め、集団の規律を学んだ。若者組は、「若衆宿」(わかしやど)という共同生活のための施設ももっていた。メンバーは、村の力仕事を率先して行い、消防や警察などの役割や、村の神社の祭礼も担っていた。

http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=240155

子供組

「年齢集団(組)」では、生産のための技術や村の生活を営むための知恵・知識などの学習を通して、先人の意識を伝承し「自分たちで村を守る」という自尊心や自立心を育んでいました。

 

2.結・講

>臨時の相互補助活動が結であり、恒常的にそれが組織されたものが講である。田植え、稲刈り、家の建て換え建て増し、屋根葺きなど、一時に大量の労力が必要になる時、結が組まれた。それだけではない。「屋根の茅葺きだけでなく、道普請、用水の保全や掃除、宮の掃除、火災・洪水の際の出動、風呂を振る舞う結風呂、食事を振る舞う結、大火などの時に隣村から駆けつける見舞い人夫、<不幸組><無常講><同行>などと呼ばれる葬儀の実施、婚礼などの儀式。そして<出世無尽>と呼ばれるものは、孤児の救済にあたるものだった。

 

3.寄合

>全員で意思統一できるまで、三日四日かける。そのくらい、江戸時代の村落共同体は、皆が自ら考え、皆で共有していたのだと思います。だから、寄合で決めたことは皆で守り、村落共同体は安定していたと考えられます。

http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=281025

寄合

このように、江戸時代の村では、教育から祭り、緊急時の扶助活動など、集団を維持するための仕組みが形成されていました

しかし、江戸後期になると、都市化・市場化によって集団規範は解体し、村全体で担っていた相互扶助や規範など、共同体や自治の仕組みがほとんどなくなってしまいましたm111.gif

 

◆宅配事業の前身

そこで江戸後期、集団規範の解体を感じ、日本・地域を守るという志のもと、集団間をつなぐコミュニティーの形成や情報伝達を担う人々が出てきました。

 

1.振売

>現在の「棒手振り」について

これらの行商は、その道のプロとして食生活に関するアドバイスも適度に行っている。これは信用販売の象徴であり、良いものしか人に売れない職人気質も引き継いでいる。顔の見える客を相手にしている点、専門業者としてのプロ意識がそこにある。

http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=296594より

振売り

2.薬売り

>文化の伝達

薬売りと顧客との会話では、異郷のことが自然に語られた。南の国へ行くと北の国の話をする。農村に行けば都会の話をした。その土地以外の近隣・他郷の異文化が行商の先々で薬売りの口から語られた。

 

>「医療人」であるとともに、お土産品を持参したり、情報誌などを作成して他地域の情報や文化を運ぶ「文化人」の役目も果たしていたのである。

http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=296346http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=296347より

 

このように、様々な地域で自らがネットワークの拠点となり、集団を越えて情報を集約・伝承していました。

 

◆まとめ

ここまで見てきたように、江戸時代の地域共同体では、相互扶助が当然のように行われていました。村の成員が自分たちの村を自分たちで守っていくという志をもち、形成されていた共同体でした。

 

江戸後期から、そういった地域の繋がりも希薄になり、自分たちの地域を自分たちで作っていくという共同体・仕組みがほとんどなくなってしまいました。

しかし、現在市場の崩壊とともに、時代の大転換期に入り、再び地域共同体の再生が求められています。

「新しい宅配事業と地域共同体の再生」①宅配事業の現状】で紹介したように、かつての地域共同体が担っていた課題・役割を宅配事業が代行する働きが盛んになっています。

それは、江戸後期にもいたように、物の宅配だけでなく、地域でのコミュニティーの形成・情報を集約・伝承していくことで地域共同体を再生していく存在です。

登校   祭り

地域コミュニティーの形成、情報の集約・伝承の役割を担う宅配事業が、『地域をよくしたい』という志をもち、集団間をつなげる役割を担っていくことが、これからの社会で求められているのではないでしょうか。

投稿者 noublog : 2015年01月03日 List   

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