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2014年01月28日

シリーズ「自給期待に応える食と医と健康」(7)~心と健康のバランス~

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最近では、健康やダイエット、身体のバランスを考えた食事やエクササイズに関する情報の需要が高まっており、本もたくさん出ていますね。
しかし、「健康、健康」といって、身体が発する本来の食欲に反して食べる食品を自分であれこれ抑制したり、一部の食品に偏ってしまうと、個々で必要としている栄養が取れなかったり、必要以上の栄養をとりすぎたりして体調を崩してしまったりします。それだけでなく、「これ食べたいな♪」と感じた食品を無理に我慢すれば、心がキュッと収縮し、それが続くとストレスの原因にもなります。また、毎日の食事でどんなに健康なものを食べていても、一緒に楽しく食べる人がいなく、会話がなかったり、食べる時間がゆっくりとれずにせかせか食べたり、環境が落ち着かないところであったりすると、心や脳が満足せず、ストレスにつながってしまいます。
そしてそうしたストレスが積み重なると、身体や神経のバランスを崩し、ひいては過食症や拒食症といった摂食障害、胃腸炎、生理痛、自律神経失調症など、ストレスが原因となる病気を引き起こす可能性があります。
つまり、本当に身体も心も健康な食生活を送るためには、“身体にいいものを、いかにして「おいしく」「楽しく」食べられるか”という視点も重要なポイントです。
 今回は、3つの事例を見ながら、「身体にいいものを、おいしく楽しく食べるには?」を追求していきます。

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農園での生活を通じ、野菜のおいしさや食事の楽しさを知っていく子どもたち
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2000年の文部科学省の調査で、政令指定都市、東京23区の小学生の食事嗜好は、人口1万人以下の地方自治体の小学生に比べて、「肉、ファーストフード、外食好き、野菜嫌い」の傾向が4割ほど強くなっています。
普段都会に住んでいて、自然や田畑とふれあう機会の少ない子は多いです。そうした地域ほど、普段食べているものをつくっている生産者の顔が見えない、あるいはその食べ物がどのように作られるのかがわからないという状況にあります。
 そんな、普段大阪の都市部に住む子どもたちを対象に、類農園では、農作業を通じて社会に役立つ力を育むという「自然体験学習教室」という事業を開催しています。この教室を通じ、野菜が嫌いな子も、不思議と「農園の野菜なら食べられる」「ここに来て食べるサラダと味噌汁は本当に美味しい!」といってもりもり食べてくれます。一体なぜでしょうか。
 自分たちの手で土をいじって作物を育てたり、収穫したり、虫や生き物の声を聞いたり。こうした体験を積み重ねることで、子どもたちは普段の都会生活では計り知れない自然のありがたさや生産者の想いに同化していきます。すると、自然と心も和らぎ、食欲が心から引き立ちます。また、食事の際には、料理をした人、一緒に作業をした生産者やたくさんの仲間と食べるので、いろいろな会話が飛び交います。すると食事が楽しくなり、心が充たされ、野菜も美味しく感じながら食べられるようになるのです。
では、「心が充たされる」と食べ物がおいしくなるのは、一体それはなぜなのでしょうか。昔の人々の食生活を遡って、追求してみました。
昔の人々の食生活からみる「健康な」身体とは?
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現代ほど食べ物が豊かでなかった極限時代、人々はとにかく生きる為に必死で食べ物を求めていました。そのため、食べ物に個人的な好き嫌いをつけたり、偏食したりすることはまずありませんでした。それよりも、厳しい環境の下で育った食べ物やそれを育てた大自然、そして食事をつくってくれた人を想い、手を合わせて感謝をし、食卓に並ぶものを心からありがたくいただいていました。身体も、厳しい環境の中で育ったその土地の食べ物から栄養をとることで、自然外圧に適応できる身体をつくってきました。この“外圧に適応できる”身体が、当時の人々にとっては“健康な”身体であり、そしてそれをつくることが心の充足にもなっていたのです。
現代も伝統野菜を食生活に取り入れて充足♪~宇陀金ごぼう~
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奈良県には、大和野菜(伝統野菜)に指定されている「宇陀金ごぼう」という野菜があります。明治初期から親しまれてきた、非常に歴史の長い宇陀金ごぼう。寒い気候と金色の雲母を含む土に恵まれた、「宇陀」の地でしか作れない食べ物です。つまり、宇陀金ごぼうそのものに宇陀の自然の力が宿っています。圃場に行くと、それがとてもよく感じられます。
宇陀金ごぼうの圃場に行くと、途端に宇陀金ごぼうの香りがふわっと漂います。
宇陀金ごぼうは天然の雲母を多く含んだ土壌で栽培されるので、収穫すると雲母が付着してきて、きらきらと金色に輝きます。しかし金ごぼうは土の深くまで根を張るため、いきなり手で収穫することができません。なので、ユンボという機械を使って、埋まっている宇陀金ごぼうのギリギリ直前まで土を掘ってから手で収穫します。
このように、収穫現場に行き、土に埋まっているごぼうから、それまでの栽培の様子やひと苦労に想いを馳せると、私たちはこの自然の恵みによって生かされているのだと感じさせられ、金ごぼうの育った大自然や、生産者の努力や苦労に感謝が溢れてきます。そうして心が和らぐと、食卓に並んだ宇陀金ごぼうがより魅力的に感じられ、心も身体も金ごぼうを受け入れやすい状態になるのです。
また、冬が旬のごぼうは身体を温める作用があります。標高が高い為、冬に大変冷え込む宇陀市では、普段の食生活でごぼうを積極的に取り入れることで、寒さに負けない身体をつくってきました。つまり、その土地でとれたものをとることが、そのまま健康な身体づくりの役割を果たしてきました。そうして地域の人と一体となって宇陀金ごぼうを大切に守ることも、普段の生活への充足につながります。
心が充足する環境に変えていくこと⇒生産現場と消費現場をつなげること
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今回自然体験学習教室の子どもや昔の極限時代の人々の食生活、そして宇陀金ごぼうの事例から共通してわかることは、“心も身体も充足する健康な食生活”のポイントの一つが、自然や生産者に同化できる環境をつくるということです。
つまり、消費現場と生産現場が密接につながる必要があります。特に自然や農園から隔離された都市ほど、その必要性が求められています。
◆消費者と生産現場をつなぐ直売所◆
類農園では、ちょうど先週、都市部に“伊勢・大和路の農産物直売所「農家の食卓」”をオープンしました。
リンク>http://blog.new-agriculture.com/blog/2013/12/001486.html新しい農のかたち【コラム】類農園の業態革命~“からだ”も“こころ”も充たす直売所「農家の食卓」
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生産も販売も担う類農園は、この直売所を通して、販売現場で都市部のお客さんに食べ物をつくる私たちや地元の生産者の声をお届けするだけでなく、お客さんにも実際に類農園の生産現場で私たちの普段の仕事をそのまま体験してもらうことを検討しています。農業体験を通して、お客さんにも、自然や作物の奥深さや苦労、私たち生産者の想いを感じてもらい、そうして食べ物をもっとおいしく感じ、充たされてほしいと考えています。
私たちと一緒に、自身の心と健康のバランスを振り返り、これまでの食生活からさらに、身体も心も充たすことのできる、健康な食卓へと変えていきましょう!

投稿者 KO-SATO : 2014年01月28日 List   

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