【農を身近に★あぐり通信vol.7】人糞が、農業の未来を変える!? |
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2013年08月13日
月と農業の関係
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昔の人は長い経験の塗り重ねから、月と植物の関係を色々と発見しています。特に農業では栽培管理をしていく上で月との関係は重要な事柄でした。
しかし、明治時代初期に太陽暦が官暦になってからは、旧暦に迷信などが含まれているとして、必要とされる農業記事も同時に記載されなくなってしまいました。
そして、太陽暦は単に数字だけが並ぶカレンダーになり、時代が過ぎると共に農業記事が記憶から消えてきました。 🙁
この、月との長い関係の積み重ねが、受け継がれなかったことが、現代農業の栽培管理を難しくしている原因の一つと思えます。
そこで今回は、昔し、語られていたとされる、月と植物の関係を紹介します。
応援よろしくお願いします
■月と植物と太陽
植物の生育を観察していく上では、旧暦(大陰暦)が良いという話をよく耳にしますが、果たして正しいでしょうか。
俗に言う旧暦とは、月の動きを基準にし太陽の動き(季節)を加えて構成されています。しかし現代の太陽暦になれた感覚では大変難解(元々難解)な代物になってしまいました。
植物は、太陽の動き(季節)を大きな基準にして成長していきますが、季節という範囲は幅が大きく、月の動きを加味して成長の基準にしています。
月は、約2週間で地球を一周します。これが満月⇒新月⇒満月のサイクルです。
旧暦の七日前後(小潮)から十五日(大潮)にかけては植物の生長が緩やかになり、十六日頃(大潮)から二十二日頃(小潮)にかけては伸長が旺盛になり、また二十二日から翌月の一日(大潮)にかけては緩やかになるという現象です。
つまり、太陽暦のカレンダーに、月の満ち欠けを記入しておけば、植物の成長を読み取る目安になります。
以下に、月と植物の関係事例を紹介します。
■播種の時期
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播種は,満月の5日前から満月前日までに。
満月の時期は発根してから芽(子葉)が出てきます。先に根がでるので根量が増えて養分を吸う条件が早く整い、丈夫な苗に育ちます。
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新月に種を撒くと、発根が遅れて芽(子葉)が早く伸びてしまいます。徒長といわれる状態になり易くなり、発根量は少なくなります。
上記の関係を、太陽と月の位置で見てみると、満月は地球が真ん中にあり、新月は片方に並び引力が合成されます。
つまり、月と太陽の引力が苗の生育に関係しているといえます。
■害虫防除
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害虫防除の時期は、「満月の3日後が防除適期」です。
虫の生態は、満月の三日前に交尾して、満月の日に産卵します。そして満月の三日後に孵化する傾向があると言われています。
卵は殻が固くて農薬が効きにくいので、もっとも弱い孵化直後の一齢幼虫を狙うのが防除は一番効果的です。
つまり、満月の3~4日後が防除の適期となるわけです。
■月と農業に関する言い伝え
各地に経験に基づいた言い伝えやことわざがあります。
●コマツナ
種まきは満月にする。どの月でも、満月に蒔いた小松菜は何月でもよくできる。
●イチゴ
イチゴを定植するのは若潮。
※若潮というのは、半月を過ぎ、満月(大潮)に向かい始める時期です。
●スイカ
スイカの交配は若潮後1週間以内にする。
●メロン
メロンは満月の大潮に交配するとよく実がつく。
●サツマイモ
新月から月齢5日までの間に定植する。
●大根
ダイコンの収穫は新月にするよとい。満月に収穫するとスが入りやすい。
全体として:
●新月に定植すると、茎葉の養分が根によくまわるので、活着(根付き)がよくなる
●果物の苗木は下弦の月の15日間に移植すると、実の成りが少ない。
●天候は大潮の後に荒れることが多く、若潮時期は少ない傾向にあります。
満月に向かう時期は晴天も多く、気温も若干低いことが多いです。
-肥料のやり方-
●新月から満月まで:
元素(ミネラル)を吸い込む時期なので、肥料は新月から10日の間に施用するとよい。
満月から新月までの間は茎葉の光合成でできた栄養分を根に転流させて、
新しい根をつくる時期にあたります。
新月直前は月が眠る時期と言われています。
●一般的な作物は大潮の時期は体質が強くなり吸収力が高まります。
肥料、水不足になりやすいので注意します。
大潮の3~4日前ごろは、追肥や液肥の葉面散布をするのによい時期です。
茎葉の生長促進の肥料は満月の大潮に、
根の生長促進肥料は新月の大潮にやると効果が高いです。
●小潮のときの植物は体質的に弱く、吸収力も少なくなります。
定植、摘葉、濃い農薬の散布は避けたほうがよい時期です。
●新月の大潮には栄養生長を促すためにリン酸系、核酸、および海由来の肥料を施しす。
根張りをよくするために、植物由来の有機酸系、糖類等炭素率の高いものも施すとよい時期です。
●満月の大潮にはチッソ系を中心にカリ・苦土を併用して葉面散布し、
光合成能力を高め、実を太らせる方向に育てます。
●トマト等の収穫がはじまったら、満月の4~7日前にチッソ・アミノ酸の葉面散布をすると
着色、風味、栄養価を高め多収穫を促進します。
収穫の最大のピークは満月です。
●なり疲れの回復対策は、収穫最盛期(第5節)より前の新月3~4日前に追肥することです。
●リン酸は小潮に、カリは中潮に、苦土は若潮に、
カルシウム・微量要素は大潮に施すと効果が高いです。
色々と事例を見てきましたが、月と農業には密接な関係が有り、これらの因果関係を改めて検証して記録し、農業の現場に役立てていくことが必要です。
投稿者 hakosuka : 2013年08月13日 TweetList
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