「農」再生の実現基盤ってなに?~5章-1 農をめぐる新しい試みの成功事例~農の共認域を広げる市民農園~ |
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2010年12月29日
「農」再生の実現基盤ってなに?~5章-2 農をめぐる新しい試みの成功事例~共同体そのものを地域資源を活用し、再生してゆく集団(無茶々園)~
こんにちは☆
前回の市民農園の成功事例紹介に引き続き,今回は地元をどうする?と考え、実感ベースに地域集団をまとめていった事例として無茶々園の紹介です。
(市民農園の続きの記事は、更なる追求のためにお正月に投稿させていただきます☆+゚)
☆無茶々園
「無茶々園」とは、農薬などの化学物質を多用する柑橘栽培に疑問を持っていた三人の若者が、地元のお寺から借りた15aの柑橘無農薬栽培の実験園につけた名称に過ぎませんでした。1974年のことです。
その後、社会への訴えと共に協力者としての消費者会員を募り、生産者の和も地域全体に広げると共に組織化を進めました。環境への配慮とその努力にも視点を置いたISO14001も取得しました。
はじまりだった有機栽培のみかんだけでなく今では明浜とその近隣で生産する海の幸、野の幸を皆さんにお届けできるようにもなりそしてまた、世界田舎同盟、地域協同組合へと新たに歩み出しています。愛媛県南予地方の僻地における大実験です。今後も地球環境への配慮と世界の人々との連携を意識しつつ、基本となる生命力ある生産物を皆さんにお届けできるよう、より努めていきます。
(無茶々園パンフレット「無茶々の里から」より)
有機農法、農業の6次産業化、更に地域集団の再生へ・・・どんどん活動を広げる無茶々園。それを支えている理念とはどのようなものなのでしょうか?
以下、無茶々園 片山元治氏 の放言集「わしらの農業」より引用・要約して紹介させていただきます。
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ありがとうございます
まずは外圧・現状について。片山さんはどのように感じていらっしゃるのでしょうか?
☆共生の新しい時代を求めて
◆急激に進む農業技術革新
稲作でも野菜生産でも、】超高度な機械化が進んでおり、今やどんな作物でも大規模化が可能になってきている。
ただ、技術革新の一側面として、農薬・除草剤・化学肥料にとどまらず、除草剤に枯れない大豆や、虫が食うと死ぬトウモロコシなどの遺伝子操作作物まで登場し始め、人類の存亡レベルでの、「食べても大丈夫か」という疑惑が 浮上してきた。
その状況に危機を感じた人々から環境保全型農業が叫ばれるようになり、篤農家、学者、技術者の研究によって、家畜の糞尿、食品廃棄物、残飯のリサイクルが技術的にも可能になり、色々な分野の人々がチームワークを組み、環境保全型農業に取り組めば、化学農法に対抗できる大規模有機農業も可能と考える。
さらに、鮮度保持剤、資材等の目覚しい進歩により、世界中から高鮮度での輸入が可能になってきた。
農産物が、国際標準価格化、投機的要素化し、値決めが多国籍農作物に左右されるようになってきたことを受け止め、我々も確実に国際競争に対応できる体力を持たなければならない。
◆高齢化と農地問題
本来、農地とは、農家にとって先祖代々の生活を支える基盤であった。
しかし、若者は農地を捨て都会に出て行き、国が造成した農地も高齢化の波の中で経営ペースに乗らず、次々と放置されていっている。
この状況は、逆に見れば、意欲さえあれば、大規模集積化された農地を取得できるチャンスともいえる。
資本力に乏しい一般の農家も10ha程度の大規模農地なら十分に取得可能になったのだ。
◆新農基法の制定(企業資本の農業分野への流入なる?!)
企業資本の農業分野への流入は、資本に元手に価値の高い農地の取り合い・大規模農業への転換を加速させ、農地価値を高騰させるだろう。
農地が高騰すれば、資金のない農家は追いやられ、農村定住者は激減する。農地が担保となるような農村における平成の文明開化が起きようとしている。
環境破壊から肉体・精神破壊、国際化により激化する価格競争、農地問題など、「農」が直面している外圧をまっすぐとらえ、そこから可能性を見出している!
では、この外圧に対してどう対応しているのでしょうか?何に可能性を見出し、実行に移されているのでしょうか?
◆家族経営から、集団家族経営へ協同労働の進化を
日本の農業は、①企業経営と②協同組合経営とが混合していく。農業が工業的に生産できない限り規模限界があり、百姓のブルーカラー的存在が必要である。従って、農業企業(組合)では中小企業が乱立するものとなると予想する。
そして、いずれにおいても生身の労働力は必要だ。過去、家族みながそれぞれの仕事・役割を担っていた時代は、それ自体が、人生や社会を学び、生きる喜びと奉仕の場である協同労働を包摂していた。私たちは、それを集団家族経営の場で協同労働を進化させていきたい。
◆集団家族経営(協同労働)で新しいコミュニティーを
農業の経営規模が拡大すると、既存農家は弱体化し、地域社会の崩壊が進む。それに対して、自治体主導による街づくりでは再生不可能。
農業を企業経営体、共同経営としてやっていけるセンスのある農家の育成支援にとどまらず、異業種間の提携も含め集落再生のため、住民参加の上で今までの常識を覆す新しい農村社会の再生プランが必要である。
それが、営利活動を越えたかつての運命共同体を、21世紀に進化させた様々な組織、非営利・協同の地域社会協同組合なのではないか。
◆故郷の再生
自分達が生まれ育った故郷の大地にしっかり根ざして未来に向かって堂々と生きていきたい。そのためにも、経済構造、生産現場がいかに変化しようとも遠い先祖から培ってきた文化を守り、受け継ぎ、味わい、永遠に残したい。
この、故郷の再生は無茶々園の究極の目的である。
◆強い故郷基盤を
市場圧力の高まりを受けて、無茶々の里は、近い将来生活が困難になると予測した。
「故郷を捨てずに生きていくには?」を考え「子供を育て、年寄りが活力を持って過ごせ、せいざいの戦士たちが休む」ための最高の条件を用意することにした。
その故郷基盤の上で、経済基盤を再構築する。故郷基盤ががっちり構築されれば、経済基盤の構築はどこでも可能である。
故郷基盤とは物質文明の終焉の始まりの中で、緑の地球の再生と人々の心の再生、生きとし生きる者たち全ての共生という観点に立ち、小学校の低学年までは父親の背中を見、母親の深い愛に包まれて育てることの出来る環境。小学校高学年になると子供は皆の宝という観点に立ち、共同生活を始め、老人たちとの共生も含め、皆で生きるという生き方を学ぶ。学問も出来る限りやらせ、経済活動に疲れたときには元気になるまで古里で休養し、また戦いに出る。年寄りには生きがいの仕事をやってもらい、在宅介護でひとりも寝たきりにしない、させない。
それが瞼の無茶々園である。
みんながそれぞれの仕事・役割を担うことで、人生や社会を学び、さらに生きる喜びを感じられる。そのような労働も含め、充足基盤の中で生きていくことが、何よりみんなの活力につながっていくのですね。
つまり生産・生活の場をふくめた集団・共同体の再生をすることによって脱市場を実現できると予測し、行動しているのです。
無農薬のみかんを作ることだけではなく、その取り組みの先に、集団・共同体の再生まで見据えて、周りをどんどん巻き込み、つなげていくことを実現している☆
まさに、新しい「農」の実現基盤を形成している集団ですね
投稿者 akika : 2010年12月29日 TweetList
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コメント
投稿者 さきしなてるりん : 2013年1月17日 20:50
さきしなてるりんさん、コメントありがとうございます!
ツイッターのフォローから来てくださったこと自体にも非常に可能性を感じています。
政治家やマスコミに代わって私達が草の根的にこうした情報を共有していく。
こうした連携が日本の自然、大地を守ることにつながっていけばなあと感じています。
読んでいただいてありがとうございました!
投稿者 hirakawa : 2013年1月17日 22:22
TPPなんかしたって、日本に一個もメリットなんかない!
アメリカには沖縄とかで少しはお世話になってるかもしれないけど、
こんなゴリ押し許せない!
最近マスコミとかのせいで全ての情報がやらせばっかりでほんと大変ですね;
参加すれば、医療も金儲けの対象になり、
安全で比較的安価な利用しやすい医療が無くなるので、
TPPSTOP!と、地元の病院にありました;
日本の誇れる食べ物を盗られるのも絶対嫌です!
お米も卵もきっと大幅にとられちゃうし、農薬だらけの外国の食べ物なんて絶対嫌です。
アメリカの人たちも、理不尽さに気づき反対派の方も存在していると言います。
もう本当、日本は断言して主張しないどこかの手先ばかりなので舐められっぱなしですね;
本当嫌になります;
石原さんのような、ちょっと過激でもはっきり言う人がいる方がよっほど良いと私は思います。
今はめでたく自民の安倍さんが経済制裁など、いろんなことをちゃんとしてくれているみたいなので、
一応ひとまずは安心かなと思うんですが;
hirakawaさんのような正しい情報提供してくださっている人たちには、本当に感謝です!
きっと日本国民がマスコミなんかに流されないように正しい事に気づいて、
なおかつ若い人が興味を持ってくれると信じてます。
中国や韓国やアメリカ(はあんまりないと思いますが)に
全ての問題に断固とした意見を持って
対抗してほしいと思います。
投稿者 双樹 : 2013年1月17日 23:23
双樹さん、コメントありがとうございます!
このようなコメントを頂けると、非常にやりがいを感じます。本当にありがとうございます。
これからも粛々とマスコミが報道しない事実を発信していこうと思いますので、よろしくお願いいたします。
投稿者 hirakawa : 2013年1月19日 12:40
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投稿者 アイフォン5ケース : 2014年2月18日 06:45
ツイッターのフォローからやってきました。わたしも全く同感!農業を生業とするものではありませんが、日本の産業の柱は第1次産業でと、思っています。何しろ人間、食がなければ生きられない(笑)という単純さからです。しかし何より、日本の自然、大地をこよなく愛しているからです。わたしたちの住む安曇の景色はTPPがもし締結されれば、何十年か先、いや何年か先かもしれない、間違いなく荒れ果てて、残る景色は北アルプスの山山ばかりと思います。絶対TPPはやめさせたい。