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2010年07月06日

【共認時代の農業~先駆的事例紹介】~福祉と農-「ココファーム」~

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画像はこちらからお借りしました。
こんにちは 😀
【共認時代の農業~先駆的事例紹介】も第6回目となりました
これまでの記事は以下参照
【共認時代の農業~先駆的事例紹介】持続可能社会の実現へ本気で取り組む会社~アミタホールディングス~
【共認時代の農業~先駆的事例紹介】福岡県築上町の取組み~うんちとおしっこがお米を育てる~
【共認時代の農業~先駆的事例紹介】~農業共同体の実現体-「木の花ファミリー」~
【共認時代の農業~先駆的事例紹介】~農の多面的機能を生かす-「マイファーム」~

今日は、1980年代のはじめに、知的なハンディを持つ人たちの自立を目指してつくられたココファームについてご紹介します
続きの前に・・・
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ココファームは1950年代、栃木県足利市の特殊学級の中学生たちとその担任教師(川田昇)によって山の急斜面に葡萄畑が開墾されました。
1969年、この葡萄畑の麓で、知的障害者更生施設こころみ学園(社会福祉法人こころみる会運営)がスタートしました。知的障害を持った人たちと葡萄畑でワインづくりを考えましたが、社会福祉法人には葡萄をワインにするための果実酒類製造免許が下付されないため、
1980年、一般の事業所である有限会社が、こころみ学園園長 川田昇の考えに賛同する父兄たちにより設立され、1984年有限会社樺崎産業(後のココ・ファーム・ワイナリー)として酒類製造免許を取得しました。
http://www.cocowine.com/winery/about.html

現在は、園生132名(入所94名、短期入所10名、ケアホーム28名(年齢17歳~85歳、男性85名、女性47名)、常勤職員44名、非常勤職員22名、うち準職員(特殊学級やこころみ学園の卒業生8名)、ココ・ファーム・ワイナリーのスタッフ23名を擁し、ワイン醸造 年間16万本/椎茸栽培 年間20トンを生産するまでに成長。
2000年沖縄サミット晩餐会の乾杯酒にココファームワイナリーの『のぼ』が使用され、その実力の高さが世界中に知れわたりました。また、専門誌の企画で赤白ともに2位にランクインし、ワイン通の間でも高く評価されています
園長の川田氏は
特殊学級を卒業した子どもたちの二割は社会で仕事に就けない。彼らと一緒にここで働きながら暮らしたら楽しいだろうなと考え、同情でなく、味で買ってもらえるワイン目指して、50年前、山の急斜面を買いとりました。

 平均斜度38度のこの葡萄畑は、陽当たりや水はけがよく、葡萄にとっては最良の条件です。しかし、耕運機やトラクターが使えず、人間の足で登り降りするしかありません。剪定後の枝拾いや、堆肥を運びあげる仕事、一房一房の摘房作業、そしてかごをかかえての収穫・・・全ての作業が、自然のなかでの労働を通して、自らの力をつけ、その力をもとに自然の恵みを引き出していくことでもありました。そんな毎日の暮らしのなかで知恵遅れと呼ばれ続けてきた少年たちは、知らず知らずのうちに寡黙な農夫に、陽に灼けた葡萄畑の守護人に、醸造場の働き手になっていきました。
 1980年代のはじめに、知的なハンディを持つ人たちの自立を目指してつくられたこころみ学園のワイン醸造場も、1980年代の終わりにこころみ学園の園生たちが葡萄を植えたカリフォルニア・ソノマの葡萄畑も、まさに自然のなかでの労働と暮らしから、自然の恵みであるワインを享受していくことでした。
 現在、この葡萄畑から一望できるこころみ学園には90名の利用者がいます。そのうち85歳を筆頭に50歳をこえた人は56名。つまり、ここに働き暮らす人たちのうち、約2分の1が高齢の知的障害者です。草刈りに大がまを振るっていたA君も山のような洗濯物を干してきた I さんもだいぶ歳をとりました。彼らは今、ゆっくりとではありますが若い農夫と一緒に、あらたな葡萄畑の開墾に明日の夢をつないでいます。
 
 私たちは、伝統や名声を誇る外国のシャトーのように、潤沢な資金を持つことができません。大手のワインメーカーのように、大量生産することもできません。
 
 しかし、葡萄を育てワインを醸す仕事に、名もない(自分の名前さえ書けない)人たちが中心になって取り組んできたことを・・・どんなに辛くても、一年中空の下でがんばってきた農夫たちがいることを、ひそかな誇りに思っています。ここにご紹介するワインは、葡萄づくりに、ワインづくりにがんばってきた知的障害の仲間たちが、のんびりと葡萄畑で自分にあった仕事-草取りや、石拾いや、カラス追い-をしながら、自然に囲まれて、安心して年をとっていけますよう、そんな願いが込められています。
http://www.cocowine.com/cocoromi/cocoromi.html

知的障害者を保護する対象とするのではなく、役割を創出し、自らが働くことで生きるための安心基盤を実現しているココファーム
農業を媒体にして、福祉分野の新しい活力と農業の活性化に繋げている先端事例の一つです
子どもから老人まで役割がある農業だからこそできる可能性のひとつではないでしょうか

投稿者 mini : 2010年07月06日 List   

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コメント

農業で生計を立てるようになって
拝読し改めて勉強になりました

投稿者 いちごおやじ : 2012年6月6日 23:52

いちごおやじさん
こうして見ると、日本人、日本の農業は、欧米の騙しのプランに嵌められて来たことがよくわかります。
こんな事実を広めて行くのも、若手農業者に期待されることですね。

投稿者 naganobu : 2012年6月7日 21:05

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