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2009年04月18日
何で企業が農業に参入しているのか?
どうも、Yoshiです 😀
ここ数年でよく耳にするようになった「企業の農業参入」。この動きを「農業の新しい希望だ」と歓迎する人もいれば、「どうせ儲からなかったら撤退するんだろ」と批判的に見る人もいます。なにせ新しいことなので、賛否両論あるのは当然のことだと思います
ただ、実際に参入している企業の方が「どういうつもりで参入しているのか」を提示する資料はありません。実態調査無しの善悪論からもう一歩踏み込んでみたいと思い、全国の農業参入法人を対象にアンケート調査を行いました。以下、その調査内容をまとめた論文「特定法人貸付事業を通じた農業参入の実態 ― 農業参入の目標と達成度 ―」の一部を引用してお伝えします。
続きに興味のある方はクリックをお願いします
さて、このアンケート調査の概要は以下の通りです。
・調査テーマ: 「企業等の農業参入に関するアンケート調査」
・調査対象: 2008 年3 月1 日時点で特定法人貸付事業を通じて農業に参入
している特定法人281 法人のうち、住所の判明した269 法人
・調査方法: 直接郵送形式によるアンケート調査
・調査期間: 2008 年11 月27 日~同年12 月8 日
・有効回答数: 111 法人(回収率41.3%)
結果を見る前に、「特定法人貸付事業って何?」について軽く説明します。
日本では基本的に農家と農業生産法人(農業専門の法人)以外は農業を営むことができません。ところが、近年の担い手減少や遊休農地増加を受けて、「一般企業でも農業をやれるようにしよう」という話が出てきました。そこで、一定の要件を満たす企業を「特定法人」と認定し、農地を貸し付けることで営農を認めることになりました。特定法人に農地を貸し付けるから「特定法人貸付事業」なわけです
で、その参入企業に「何を目標にして農業に参入したのですか?」と聞いたところ、結果は以下のようになりました。
グラフを見ると、「遊休農地の解消」や「地域振興」など、周りのためになることが多いことが分かります。
ちなみに、多くの企業がいくつかの目標を持って農業に参入しているため、上の質問は複数回答形式にしてあります。「じゃあ何が一番重要な目標なん?」も気になるため、最も重要視する目標について尋ねた結果が下の円グラフになります。
こちらを見ると、「労働力の効率的利用」や「原材料の質・量の確保」など、先ほどと打って変わって事業的な目標が多くなっています。また、「無回答」が4分の1ほどを占めていますが、「どの目標も同じ位に重要だと考えている」「設問のその部分を読んでいなかった」など様々な推測が可能なのでグラフに含みました。
結局、これら2つのグラフから言えることは、、「参入企業は農業を自社利益と地域貢献を両立できるものであると見なしている」ということです。企業にとってはまず経営体の存続が重要であるため、最も重要な項目には企業にとってのメリットが挙げられています。ただ、同時に周りへの貢献も意識している
のです。単なる儲け目的ではなく、地域全体の活性化を視野に入れて事業展開を図っているとも言えます。
事業を通じて周りに貢献していく、とはまさに本来企業があるべき姿ではないでしょうか?そういう意味では、農業参入をしている、或いは試みている企業は社会意識が高いと言えます。せっかくですから、そういう企業が作った農作物を買って応援したいですね
今回はアンケート結果のごく一部のみを抜粋しましたが、今後も他の項目を取り上げて実態をお伝えしたいと思います。感想や「こういうことも聞いた?」という質問があればコメント宜しくお願いします
投稿者 Yoshi : 2009年04月18日 TweetList
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コメント
投稿者 犬 : 2009年10月11日 18:45
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2009年6月戦後から行われ続けた農地法がついに改正されました。「耕作者自らが所有する」という不在地主は認めない自作農主義からの大転換です。改正後は農地を農地以外のものにすることを規制するとともに、農地の貸し出しを促進し、利用者は法人も含めて誰でも耕作できるようにしたところ。貸借期間も20年から50年に拡大されました。
これまでの農地の「所有」と「利用」を分離。利用についての経営形態は原則自由です。
深刻な担い手不足の中、農地法の呪縛からの解放がなされたわけですが、民主党が農地集積促進補助事業を全廃する中、本来「新しい農のかたち」はどうあるべきか、このブログでも議論を深めてもらいたいところです。
農地改革プラン(平成20年12月3日 農林水産省)
http://www.maff.go.jp/j/press/keiei/koukai/pdf/081203-03.pdf