微生物と植物の協働関係を進化史から探る~農法の変遷と今後の可能性~ |
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2014年12月29日
【コラム】おせち料理には砂糖でなく塩を使いましょう♪
こんにちは。
今年も、新しい「農」のかたちを応援していただいた方々ありがとうございました!
本年度最後の記事は「おせち料理」について書きたいと思います。
本来のおせち料理には砂糖はあまり使われていなかった。
現在のおせち料理のかたちは江戸時代に生まれたとされ、正月の三が日は主婦が台所にたたずにゆっくり休めるように、日持ちする料理と、その調理法が長年正月の風物詩ともなってきました。
しかしその歳月の中で、おかしな方向へ向かってしまった事があります。それは、「多量に加えられる砂糖」です。
おせち料理が浸透し始めた当初、料理を長持ちさせるための方法として、塩を多くする、濃くする、煮詰めて水分を少なくする、といったことが行われていたのではないかと思います。当時、砂糖は高価なものであり、どの家庭にも十分にあるものではなかったはずです。
では、なぜ現在のように多量の砂糖がおせち料理に入れられるようになったのでしょうか?
一つは、砂糖も塩と同様に料理を長持ちさせる効果があったこと。
そしてもう一つこんなことも言われています。
弓田亨, 椎名眞知子 著
「ごはんとおかずのルネサンス真実のおせち料理編: 甘さにまみれた偽りのおいしさを斬る」より引用
バブル経済の真っただ中、ある就職情報誌の企業が、格式から言えばまさに日本で一、二を争う料亭に、年末におせち料理を注文していました。いちばん高いものは、三段重ねで二十万円です。この最上のおせちだけで一度だけで五百個の注文があったそうです。
これを、年末に社員が車で、ごまをするために国会議員その他に直接届けるのです。
その料理は届けてからどうなるのか、いつ食べられるのか、温かい室内に長時間放置されるのではないか、誰も分かりません。しかし、たとえ貰った方の扱いがよくなかったとしても、言い訳にはなりません。ですから、どんな風に扱われようが、どんな状態に置かれようが、絶対腐らないように糖度を上げてきた訳です。そんな本来の料理の意味を失った大料亭の都合のために生まれた技法が、料理研究家によって得意気にテレビで披露されました。そして、それがあるべきおせち料理の姿として私達の家庭にまで浸透してしまった。
以前は、瀬戸の海塩をいくらか強めにすれば十分であったものが、海塩が廃止され、微量栄養素が欠落し始め、日本人の身体が変調をきたすにつれ、部分主義に陥った医学が塩を目の敵にし始めました。塩にとって代わって砂糖が防腐剤の役目を果たすようになりました。そして、名のある大料亭による、最高値のものだけでも五百個というような桁はずれな数と配達圏の拡大によって、ますます糖分が多く加えられるようになったのでしょう。
おせち料理は家族であつまり、会話をしながらゆっくりと食事もすることでしょう。そうすることで、いつもより多くの料理を食べることにもつながり、多量の糖分を摂取することとなります。そうすると、糖尿病や高血圧などの症状を持つ方は、これにより悪化する恐れがあります。
そこで、甘さに頼らないで、食材本来のうまみを活かし、塩による味付けをためしてはどうでしょうか?
弓田亨, 椎名眞知子 著
「ごはんとおかずのルネサンス真実のおせち料理編: 甘さにまみれた偽りのおいしさを斬る」より引用塩の重要性を知るということ
すべての生命は海で発生し、陸にあがってきました。生命の誕生から30億年たった今でも、動物は十分な量の海塩(または岩塩)がなければ生命を維持することは出来ません。人間も細胞が浸かっている体液のミネラル成分比は、きわめて海水のそれに近いそうです。
しかし、日本では塩による心臓病、高血圧への悪影響が指摘され、食事での減塩が叫ばれています。その背景には2つの要因が考えられます。
ひとつは、間違った生産方法によって農産物、畜産物、乳製品素材の栄養素が乏しくなったことです。もう一つは、それまで大きな主たる微量栄養素の補給源であった海塩から、国が採算性のみを優先させ、NaClだけの科学精製塩に切り替えたことです。その結果、私たちの身体は極めて狭い栄養素しか摂取出来なくなり、身体を正常に保つために本来は十分な量を必要としたNaClが、逆に器官を破壊し始めたのです。政府が力ずくで科学精製塩を供給したのは、世界中で日本だけです。この科学精製塩への転換というあまりの愚挙に世界中が唖然とし、日本人の生来の健康を危惧しました。
味わいも、NaClだけの科学精製塩は、攻撃的な、制すような塩辛さがあり、素材の特徴を隠し、味わいを薄っぺらで平坦なものにしてしまいます。精製塩を海塩や岩塩に替えるだけで、料理の中の栄養素は著しく豊かになり、食の状態はかなり改善されます。
料理で塩を少しずつ加えていくと、ある一点で味がぐっと際立つところがあります。
この量は、料理の中にどれだけの栄養素、つまり味わいがあるかによって違います。素材の味わいがしっかりしている時は、塩も多くなります。それはその料理を摂った場合、ちょうど身体が欲する塩の濃度だと思います。
私達の身体に最も望ましいミネラル比をもった海塩や岩塩を使えば、塩の量を気にする必要もなく、身体はもっともっと元気になりますし、血管など、組織や器官が強くなり、血圧も下がり、エネルギーが満ちてくるはずです。
海塩と岩塩は、味の点でも頼りになる調味料なのです。
では、今年一年本当にありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。
投稿者 noublog : 2014年12月29日 TweetList
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