| メイン |

2012年09月18日

【コラム】外部からの農業参入 ~野菜ソムリエの店 のら~

今回の記事は企業だけではなく、外部からの参入でまさに革命と言えるであろう事例を紹介したいと思います。
農から始まる地域の再生~新しい生産集合体をどうつくるか?8では、これからの農業の主体となっていける企業農業が紹介されています。この企業の農業参入がまさしく「業態革命」であり、また、これまでの「作るだけ」という農業においても今まさに「業態革命」が必要だという事を明らかになっています。
 
 
そこで、今回紹介させてもらうのは、2007年に創業を開始し大阪府を中心に店舗を構える【野菜ソムリエの店 のら】です。
%E3%81%AE%E3%82%892.jpg
写真はこちらからお借りしました
 
 
まずは、【野菜ソムリエの店 のら】の設立経緯から紹介していきたいと思います。
 
 
では、続きを読む前にぽちっとよろしくお願いします

にほんブログ村 ライフスタイルブログへ


既存の農業体系にある「大変な仕事の割りに儲からない」「後継者不足」「耕作放棄地の増加」という現状問題がある上で「日本の農業の活性化」→「地球環境の維持・改善」と大きく捉えられ、そのためにはまず、農家を勝たせていく事=農業を活性化させていく事 を念頭に立ち上げられました。
ちなみに・・・代表取締役の 河村 賢造さんは農業とは全く関わりの無い環境で育ち、且つ関わりの無い業種から参入されています。しかし、上記にもあるように根底には「地球環境の維持・改善していきたい」と気持ちがあり、 野菜ソムリエの店 のら が誕生したのです
 
 
では、のらさんは一体どういう手法で農家を勝たせていこうと考えたのでしょうか 現在展開されている事業の中から探ってみたいと思います。
 
 
 
① 消費者の期待に応えた八百屋さん ~千里中央店~
にこだわった商品を取り揃えた産地直送専門の店舗です。他と決定的に違う所は店舗スタッフが野菜ソムリエであるということ。スーパーなどではあまり見かけない野菜はどんな味がするの?どうやって調理すればいいの?どんな栄養が取れるの?etc…直接野菜ソムリエと対面のやり取りで丁寧に教えてくれるようです          
%E3%81%AE%E3%82%891.jpg%E3%81%AE%E3%82%893.jpg
写真はこちらからお借りしました
とにかく【味】=【品質】にこだわりがあって、そのため価格は平均よりも2~3割高。その【味】への追求にファンも多いそう。沢山のお客さんの中で多く聞かれるのが、対面でのやり取りが楽しい♪との声です。スタッフの方達も同様、日々そういうやり取りから共認充足が生まれているようです。
少なくとも、スーパーでは無いやり取りですよね お客さんも味の良い商品はもちろん、対面販売での充足を買いに来ているのかもしれませんね 店舗側もそういうやり取りこそが、農家を生かすと考えたのではないでしょうか
私もつい先日お店にお邪魔したのですが、食べ方や産地,作っている農家さんのことまでとっても親切に話してくださいました!お客さん一人一人に対して農産物の事を語っている姿から、「日本の農業を活性化させる」という大きな目標に真正面から向かわれているのだなと、心から感心させられました
 
 
 
②  農家を勝たせるシステム ~のら産直システム~
このシステムは農家にとって非常に使いやすいシステムになっています。農家が出荷する事の出来る数量を入力するだけ。しかもそれは、ボタンを3回押すだけ!それを見て発注者側は注文するという実に簡単なシステムです。
このシステムはレストランや飲食店などへの出荷がメインで展開されています。農家からは一切手数料は搾取していないようです。反対に利用した発注者側から利用料や送料を負担させています。
しかし、飲食店などに売る場合、一度に大量の注文がある事も多いと思います。という事はそれに対応していける農家を組織化する必要があるはず。一体どうやって組織化していったのでしょうか
今や組織化された農家の数はじつに3000件!そのほとんどが大手農機具メーカーからの紹介だという事に驚きです 農家を紹介してもらえたら2%の紹介料を「永続的に」支払う事で今も拡大中とのこと。逆に農家側からの売り込みも多数あるようで、1日に農家を4~5件廻ってを直接確認することもあるそうです。
基本的に、1件1件農家を廻って品質(味)をチェックされるそうです そういう意味で3000件は並大抵の数字ではないです・・・。
さらに・・・農産物は農家が決めた値段で全数買取。しかし、品質によっては値段を上下させる事もあるそうです。それは、野菜ソムリエとしての直の評価。しかし結果的に、その評価こそが【野菜ソムリエのら】の評価をより一層高めるものになっているのでしょう。
時には農家に「もっと甘みを出して欲しい」「もっと酸味を出して欲しい」と注文もするそう。農家もその声に答えたい という思いがあるからこそ、強い組織化に成功しているのだと思います
 
 
 
このように、近年の消費者の食への不安の高まりなど、時代の潮流を捉え、農家,消費者お互いを勝たせていく(組織化していく)=日本の農業の活性化させる手段として、全く新しい【野菜ソムリエのいる直売所】という経営体が生まれたのでしょう。正しくここで業態革命が起こっていると言っても過言ではありません。
今後も、【のら】さんを始めとする外部から農業に参入し成功を収めている方達に注目が外せません

投稿者 staff : 2012年09月18日 List   

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.new-agriculture.com/blog/2012/09/1366.html/trackback

コメントしてください