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2011年02月15日
農園のハウス、復活!
こんにちは、類農園のsugi70です
寒い日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
僕たちが住んでいる、奈良県の宇陀は、昨日もたくさんの雪が降り積もり、みんなでビニールハウスの雪かきに追われていました。年末の大雪といい、これだけ積もるのは10年一度起こるか起きないかの出来事だそうです
子供たちにとっては、雪がしんしんと積もれば雪合戦や雪だるまをつくって楽しく遊べますが、僕たちにとっては、改めて雪の怖さを思い知らされた一日でした
さて、今回のブログの記事は、「ハウス復活!」と題して、年明けに潰れてしまったハウスを、新しく立て直してた過程をお伝えします。
みんなの苦労の甲斐あって、とても立派で綺麗なハウスを建てることができました 😉
これで、無事20日の鶏の解体イベントも開催できます!
それでは、ご覧下さい。
~ハウスが潰れた!どうしよう?~
それは、正月明けの一通のメールから始まりました。正月休みで出ていた僕は、メールの内容を見てショックを受けました。
内容は、
「明けましておめでとうございます。 めでたくない話ですが、教室のハウスが潰れました。 今後どうするかは皆で考えましょう。」とのこと。
潰れたハウスは、自然体験学習教室でいつも子供たちが使っているハウスで、年明けに行う鶏の解体イベントにも使う予定でした 🙁
びっくりして農園に戻ると、悲惨なハウスが目に入りました。
駆けつけてくれた農園のみんなも、大概落ち込んだ表情をしていましたが、一人だけ意気揚々としている人がいました。メールを送ってくれた社員のOさんです。
何でこんなに元気なんだろう?と思い、「これからハウス立て直さなくちゃいけませんね」と訪ねると、Oさんはこう言いました。
「もうハウスの資材は発注しておいたからな。今度作るハウスは、もっと機能的でたくさんのお客さんを呼べるようにするから。そろそろ新しいハウスも建てたかったし、丁度良かった。」と。
潰れたばかりだというのに、すぐに次の段取りを考えて行動に移しているOさんは凄い!と思いました。
そしてまた、次のようなことも言ってくれました。
「物をつくるときに大切なのはな、今回は雪が積もって潰れてしまった。だけど、雪に感謝しなくちゃいけない。潰してくれてありがとうと。
そう思えるにはどんな物語を考えればいいと思う?
古いハウスが潰れたことによって、より機能的なハウスを建てることができる機会を与えてくれたと考えればいいんや。新しいハウスを建てれば、より多くのお客さんをここに呼ぶことが出来る。新しいお客さんを呼べる可能性ができたってこと。
そういうハウスがあるから、営業をしっかりして、お客さんをたくさん呼ぼうと思える。そういう気持ちになれば感謝できるんや。」
☆潰れたことによって、新しい可能性を考えることができる。
☆単純に元通りにするのではなく、もっと良いものをつくることを考える。
だから感謝できる。なるほどと感じました。
こうして、新しいハウスの建設に着手しました。
2.ハウスの建て方
闇雲に立て始めても、ゆがんだハウスになってしまいます。きっちりと正確なハウスを建てるには、一つ一つの手順を正確に、確実に進めていくことが大切です。
今回は、次のような手順でハウスを建てていきました。
1.ハウスの解体
2.整地、測量
3.水糸はり、墨付け
4.穴あけ・アーチ棒設置
5.横材設置
6.端側取り付け
7.ビニペット設置
8.扉・レール設置
9.ビニールはり
10.押さえ用のマイカー線張り
1.ハウスの解体
まずはぺしゃんこになったハウスを解体しました。潰れたハウスは、パイプに負荷がかかっているので、闇雲にはずしていくと、パイプが飛び跳ねたりして非常に危険です。力の方向を見て解体します。
2.整地
地面を平らに慣らし、崩れそうな箇所は、コンクリートブロックを積んで補強していきました。
3.水糸張り・墨付け
正確にハウスを建てるには、第一に基準となる線や印が必要です。そのために、立てる位置に糸を張ったり、一つ一つの部材に印をつけていきます。これがちょっとでもずれると、その後の工程に支障をきたします。
4.穴あけ・アーチ棒設置
地面に穴を開けて、アーチ型のパイプを挿していきます。パイプがしっかり刺さっていないと、ハウスの強度に関わります。冬場だったので、特に寒く、地面が凍っていて穴を開けるのも大変でした。
5.横材設置
横材とは、ハウスの天井に真っ直ぐ走っているパイプのことで、アーチ同士を繋げ、強度を上げます。下の写真は、横材を設置している様子です。
6.端側取り付け
出入り口と、突き当たりの部材を設置します。これで一旦ハウスの骨組みは完成です
7.ビニペット設置
ハウスのビニールは、くねくねした針金のようなもので固定します。ビニペットはその部材のことです。
8.扉設置
出入り口の扉を設置します。ハウスらしくなってきました。
9.ビニール張り
ここまで来てようやくビニール張りです。風の弱い日を選んで、基本は2人以上で、お互い息を合わせながらビニールを張っていきます。ちょっとでもずれると、しわしわのハウスになってしまいます
10.押さえ用のマイカー線張り
最後に、ハウスのパイプが風で抜けないように、マイカー線という丈夫な紐でハウスを固定して、完成です!
3.完成!
そして、みんなのお陰で、立派なハウスが完成しました!
以前よりも、横幅が50cmほど広くなり、これで多くのお客さんをよぶことができます!
50cmというと、大したことのない様に思えますが、例えば、毎年行っている鶏の解体イベントは、以前は30人が限界でしたが、今度のハウスは作業台を2列置けるようになったので、倍の60人は収容できるようになります 😀
この他にも、イベントや企画を考える時にも、様々な可能性を考えることができそうです
こうして無事に、20日の鶏の解体イベント(命の食べ方勉強会)が開催できる次第となりました。
命の食べ方勉強会は、実際に鶏を捌き、みんなで美味しくお肉を頂く過程で、様々な気付きや、食べ物の大切さを知ってもらおうと、毎年類農園で企画しているイベントです。当日は、名古屋コーチンの丸焼きやスープなどを振舞いますので、お腹も心も満足することと思います。
まだまだ、定員を募集しておりますので、興味のある方は、是非類農園まで、ご連絡ください
類農園のアドレス→nouen@rui.ne.jp
それでは、今回は以上です。
ありがとうございました
投稿者 sugi70 : 2011年02月15日 TweetList
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コメント
投稿者 tensen : 2013年4月21日 20:32
tensenさん、ありがとうございます。
むしろ、耕耘しないから団粒構造が維持されている、ということだと思います。
人為的な営みを、いかに自然に近い形に近づけられるか、が農業の課題なんですね。
投稿者 komayu : 2013年4月22日 12:48
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投稿者 spain hermes : 2014年2月18日 22:26
すごく分かりやすくまとまられていると思います。
自然の山林は耕運しなくても団粒構造を維持した土壌になっているんですね、、
不耕起を成功させるヒントが自然の生態系にありそうですね。