「農」再生の実現基盤ってなに?~2章.日本の土地に見合った「農」を実現する可能性・基盤はあるのか?-1.日本の農業の現状分析 |
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2010年11月16日
「農」再生の実現基盤ってなに?~2章.日本の土地に見合った「農」を実現する可能性・基盤はあるのか?-2.新農地法によって開けた可能性とは
こんにちはちわわです。
TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の協議に付くことが閣議決定されました。アメリカ、カナダ、オーストラリアという開拓国家を含む約9カ国間の貿易障壁、すなわち、農産品を含む全ての品目の関税撤廃を目指した協定です。この改革はまった無しです。2011年6月までに農業政策をまとめると民主党は言っていますが、どこまで踏み込んだ改革ができるのか、果たして実現する意志があるのかさえあやしい状態です。
緊迫した状況になってきました。
このブログでは、この外圧にどう対処してゆくべきかを、実現基盤を押えながらしっかりと提言してゆきます。
さて、話はこのシリーズに戻りますが、前回記事では、状況に応じた「適正規模」による多種多様な農業経営を展開することが日本農業の可能性と言い切ってくださいました。
今回は、農地法に焦点を当て、どのように法制度が推移してきたのか、今後どのような可能性が開けたのかについて考えていこうと思います。
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【農地改革によって細分化された日本の農地】
1947年、農地改革によって大地主は解体され、小作人は二束三文で自分の土地を手に入れました。当時生産人口の8割が農民で、1家当たりの農地面積は1haほどでした。
現在の本土(北海道を除く)1家当たりの面積は1.41ha(専業約4.5ha、兼業約1.3ha)と、専業農家への集中傾向は見られますが、1965年の農業基本法で大規模化が基本方針であったにもかかわらず、さほど変わっていないのが現実です。
では、何故農地の大規模化が進まなかったのでしょうか? 鍵を握るのは農地法だと考えられます。
【自作農主義から耕作者主義へ】
1947年~1950年制定の農地法は自作農主義で、耕作者にしか農地の所有を認めていませんでした。
農地を農地として活用するためには、耕作者が所有するのが一番だとする考え方です。戦後の食糧難では小作農から自らの土地を所有する自作農への転換は、農民の活力上昇につながり、食糧増産に一定寄与はしましたが、高度経済成長を経て、大量の農業労働力を工業労働力へシフトしてゆく政府の方針を実現してゆくかたわら、土地制度を変えなかったがために、農地所有者は土地を手放すことなく、農業は片手間に、主業は他の産業にゆだねる兼業農家に変貌していったのです。
しかも、片手間の農業には最も手のかからない水稲稲作しか営むことができず、販路も技術も農協まかせ、土地さえ所有していれば、農業生産の方法や儲けに対しては無頓着になってしまったのです。
60年後半から70年にかけて、都市への人口集中と、地方の農家の兼業化が進行し、担い手不足が表出してくるにつれ、自作農主義に限界が生じはじめ、1970年、ついに農地法が改正され、農地の貸借が可能になりました。
これまでの自作農主義から、小作農を認め、土地所有者よりも耕作者の立場を重視する耕作者主義へ転換したのです。
【構造特区から始まる農外法人の農業参入】
小泉内閣の規制緩和は農業分野でも試験的にスタートしました。
2002年、構造改革特別区域法が制定され、特区内に限定し、農業以外を主業とする法人でも特定行政庁が認める「特定法人(役員の一人以上が農業の常時従事する)」にも農地の貸借を認めるリース特区制度が開始され、2004年には全国展開が決定されました。
2005年には新会社法の施行に伴い、法人が運営する農業の関連事業に民宿業や、都市との交流施設の設置、運営も加わり、多角的農業経営への道が開けます。
【2009年、改正農地法で特定法人以外でも農業参入が可能に!】
2009年ついに農地法が改正され、まじめに農業に取り組む個人と、農業生産法人(経営責任者の過半が農業(関連事業および事務を含む)に150日以上従事し、そのうちの過半が60日以上の農作業に従事する法人。一般に米の栽培に必要とされる日数は60日と言われている。)に限り、農地の所有権、使用権が認められることになりました。
さらに、貸借に限り、農業生産法人以外の一般の法人でも使用権が認められました。
農業を主業としない一般の企業が農業を副業として行うことが可能となったのです。
まさに兼業農法人の誕生です。
リース特区の開始から、この法改正により、株式会社の農業参入が続々と始まります。
「企業の農業参入時の留意事項②」より
もうひとつの特徴は、農地のさまざまな活用ができるようになったということです。
その一つが市民農園です。
農業に関係する事務業務を営むだけで、耕作者は一般市民に行ってもらうというのがこの事業のスタイルです。
『農業の現状と可能性』(前編)日本の農業の現状分析~データから見る農業の現状~
出典:特定農地貸付法及び市民農園整備促進法による市民農園の開設数
まだまだ、産業廃棄物処理場や宅地への違法転用をふせぐため、農地の売却に対する縛りはきついものの、単なる一次産業としてでなく、農地を農地として有効に利用できるアイデアが生まれる可能性が開けたのが現実です。
【私権社会から共認社会に適応してゆく意識の流れ】
企業の方も、これまでの営利一辺倒の体質から、地域や社会に対する貢献のために農業に目を向けたり、食の安全・安心を求めて自ら農業生産に取り組んだり、人々の意識潮流に沿った動きが目立ってくるようになっています。
また、農業従事者も、一次生産一辺倒でなく、2次、3次~6次産業へと、社会ニーズに対応した力強い経営への取り組みも芽生え初めています。
農を取り巻く環境の変化に敏感に適応し、「新しい農のかたち」を創造してゆくことこそが、人々の期待として共認されていく・・・これが実現基盤となって新しい試みが成就してゆくのだと思います。
次回はその意識潮流について迫っていきます。とっても楽しみですね!!
投稿者 tiwawa : 2010年11月16日 TweetList
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コメント
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