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2021年01月21日

農と金融9~都市と地方をかきまぜる

【農と金融8~”百姓スタイル”】
に続いて。

都市と農村の関係はこれからどうなるか。

定住でも交流でもない、「関係人口」という可能性。

 

以下、転載(「共感資本社会を生きる」2019著:高橋博之×新井和宏)

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■都市と地方をかきまぜて、関係人口を増やす
「関係人口」という言葉を知っているだろうか。
ここ数年、地方創生の文脈で登場しはじめ、自治体でも使われるようになった概念だ。総務省が開設した「地域への新しい入口『関係人口』ポータルサイト」なるホームページによると、次のように定義される。

【「関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域や地域の人々と多様に関わる人々のことを指します。】

実はこの「関係人口」を提唱した人物こそ、高橋博之さんに他ならない。この考え方にいたった背景を高橋さんはこう語る。

「震災後の被災地で、はたと気づいたんですよ。震災で被害を受けたのは、その前から行き詰っていた沿岸部の漁村集落で、そこにいる人たちの力だけでは、到底再生なんて不可能だと誰もが思った。だけど、そこに『都会のよそ者』が現れた。被災者の暮らしや生業を立て直すために、まるで自分のことのようにして、自分が持っている知見や技術、ネットワーク、体力、時間、お金を使って関わりを持ちつづける都市住民が生まれたんですよ」

高橋さんは、実際に被災地で見たこの光景から、関係人口の考え方に思い至ったという。

「確かに定住人口は減りました。でも、その地域に暮らす人の現状に思いを馳せ、未来を案じ、継続的に関わりを持ちつづける人、つまり関係人口は震災後にぐんと増えている。もちろん、沿岸部の人口は1万人とか、2万人とかしかいないし、これからも減っていく傾向は変わらない。でも、同じく人口の減っていく内陸部の人口10万人の花巻市と比べると、関係人口は増えているんです。しかもこの関係人口の中身を見ると、わざわざその遠く離れた地域に関わりを持ちつづけているような主体的・能動的に動く人たちが多く、常に自分にできる役割を探している。この関係人口を第二住民として見たとき、花巻市とどちらに未来があるのか

高橋さんが始めた『東北食べる通信』も、現在取り組んでいるポケットマルシェも、都市に暮らす人が、農家や漁師とつながっていくことができるメディア(媒体)といえる。つまり高橋さんの取り組みはいずれも、食を通じて、都市と地方をかきまぜて、関係人口を増やすための装置なのだ。

「都会のよそ者」を増やす。これは、まさに新井さんが新しいお金eumoで目指しているものそのものだ。日本全国各地の地域に寄り添い、新しい価値を生み出している人、会社、場所に、「よそ者」が共感し、訪問するためのツールが、eumoなのだから。
それゆえ、新井さんがデザインした新しいお金eumoは、「現地に行かないと使えない」「決済時にご縁がつながる」「地域を豊かにするものにしか使えない」という特徴を持つ。お金というツールを媒介に、人と人、人と地域がつながる。都市に暮らしながら、地域と関わっていくことが可能になる。
「地域と人に寄り添うお金」で新井さんが生み出そうとしているのは、「都会のよそ者」といえるだろう。そしてこの取り組みは、結果として「関係人口」を増やしていくことになるはずだ。

都市と地方をかきまぜる。高橋さんの著書のタイトルにもなっているこの言葉において、食とお金、別々に歩んできたふたりの歩みは重なっている。

投稿者 noublog : 2021年01月21日 List   

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