2021年1月4日

2021年01月04日

自然農法という選択(2/2)

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

さて、本日は、昨年に引き続き自然農法について学んでいきます。【農業技術研究所歩屋(あゆみや)】さんのHPからの転載です。

目次

1、先駆者たち

2、味と品質

3、肥料を使わず大きく育つのか?

4、難易度は?

5、自然農法の理論 “オカルト”という批判はもう古い!? 

の中から、前回は、1と2を紹介しました。

今回は上記の3、4、5を紹介します。では・・・・【リンク

 

転載開始

3、肥料を使わず大きく育つのか?

肥料を使わない自然農法は、「ちゃんと野菜や果物が大きく育つのか?」と疑問視する声がとても多い技術です。この疑問に対して、「ちゃんと育ちます」と即答できないところが、まだまだ発展途上の技術であることを示しています。

その理由は、自然農法で野菜や果物が育つ科学的な研究がなされてこなかったことが挙げられます。

たとえば、都市部の街路樹や、庭の柿木などは、肥料を施さなくてもぐんぐん育ちますし、美味しい柿の実も成ります。コンクリートのわずかな隙間から雑草がたくましく生えてきます。

こうした光景を身近に見ている私たちは、直感的に「肥料がなくても野菜は育つだろう」と、頭ではわかっているのです。ところが、自然農法の研究は、思わぬところで行き詰まってしまったのだと推測されます。

それは、もともと肥料栽培をしていた農家が、無肥料栽培に取り組んできたことです。どういうことかというと、すでに肥料の入った畑を使って、「ある時点から肥料を切る」ことで研究を始めるパターンがほとんどでした。

すると、初めのころは、畑に残った肥料分によって作物が育ち、「なんだ、肥料がなくても育つじゃないか」と農家は喜ぶのですが、そのうち作物が小さくなり、やがて全然育たたなくなる。そんな事例が続出しました。これでは生活が続かないので、自然農法の研究はまったく進みませんでした。

どうやら、自然農法というのは、従来の肥料栽培とはまったく異なる仕組みで作物が育つのではないか? そんな視点から研究を始める必要がありました。そこで、10年以上も放っておかれた、いわゆる耕作放棄地で研究を始めた結果、ようやくその仕組みが明らかになってきたのです。

概要は、Halu農法のページで解説していますが、街路樹や庭の柿木が育つ仕組みをそのまま畑に応用することで、とても元気な作物が育つようになりました。

もちろん、「すべての作物がちゃんと育つ」とは言えないまでも、大根や人参など、家庭でたくさん使われる野菜については、量産技術がある程度確立しています。現在も、いろいろな野菜を育てる研究を続けていて、近い将来、自然農法が広く普及できそうな気配はあります。

そして、その担い手の中心になるのは、もともとの農家ではなく、自然を愛し、農業に関心のある、新たな担い手であろうと思います。

 

4、難易度は?

「自然農法って、きっと難しいのだろう」と思う人は多いかもしれません。現代の農業は、肥料を使うのは“常識”を通り越して、“必須”と考えている人が圧倒的に多いからです。

しかし、私はむしろ逆だと考えています。

肥料を使って野菜や果物を育てると、どうしても不健康で、病気や虫による食害が多くなります。そのために強力な農薬が必要になります。それが現代農業の標準形です。

ところが、化学肥料や有機肥料を使っていながら、農薬の必要ない健康な野菜をつくる名人が存在することも、また事実です。正直なところ、私には想像もつかない神技の持ち主です。

ただし、名人はごくごく少数です。

ということは、肥料を使って農作物を育てることは、かなり難しいということです。

ひと口に肥料と言っても、いろいろな種類があります。また、どんな肥料をどれだけ投入するかは、作物によって、土の質によって、天候によって、サジ加減がとても難しいのです。

恥ずかしながら、私も有機農業を1年間学びましたが、「これは歯が立たない」と思いました。それに比べると、自然農法のほうがはるかに簡単だと、いまは思っています。

もちろん、種を播けばどこでも何でもできる、というほど簡単ではありません。自然界のことや、野菜が成長する仕組みについて、最低限知っておくことがあります。ただそれについては、肥料や農薬のことを学ぶことに比べれば、うんと簡単です。

しかも、肥料も農薬も使わないと、野菜や果物ができ始めるにつれて、さらにどんどん作りやすくなっていきます。畑や自家採種した種が進化していくのです。

逆に肥料・農薬を使う場合、時間とともに畑の中の生態系が崩れていくので、肥料の種類を変えたり、強い農薬に変えたりする必要があって、むしろ時間とともに対応策が難しくなっていくように感じます。崩れる環境に対応するために遺伝子組み換え技術も必要になり、まさに悪循環と呼べるでしょう。

これから園芸を始めてみたいと考えている人には、間違いなく自然農法はお勧めです。

 

5. 自然農法の理論 “オカルト”という批判はもう古い!?

肥料も農薬も使わない──と言った瞬間に拒絶反応が起きる。

いままでの日本は、ずっとそのような雰囲気でした。その反応は、農家だけでなく、家庭菜園を楽しむ一般の人々にとっても同様で、自然農法は、皆にとって“オカルト”だったようです。

自然農法を科学的に研究する人は、確かに日本にはほとんどいません。

8年前(2011年4月)に研究を始めたときは、まったく雲をつかむような状態で、「とんでもない世界に迷い込んでしまった」と暗く落ち込む日々が続きました。

しかし、庭の柿の木が美味しい実を成らせる以上、その仕組みを科学的にとらえることは決して不可能ではない。そう信じていました。

いまの時点では仮説にすぎないかもしれません。ただ、実際に野菜や果物ができているので、あとは時間とともに定説として足場を固めていく時代に入っていると思います。ただし、現時点で確実に言えることがひとつあります。 「野菜は養分で育つのではない」 ということです。これは、多くの自然農法家も誤って認識している可能性が高いので、余計に人々を混乱させているのでしょう。養分が必要なのは、人間をはじめとした「動物」であって、「植物」に養分は必要ないのです。植物に必要なのは、「すくすく成長できる環境」ただそれだけです。

自然農法の理論をひと言で書けば、「植物と微生物は一体の存在である」という考え方が基本です。そして、「太陽の光」「水」「空気」がそろえば、どんな植物も自動的に育つのです。

生物学では、そもそも植物を「独立栄養生物」と分類しています。つまり、自分で栄養を調達して、勝手に育ち、世代を紡いでいく生き物です。

一方、人間や他の動物は「従属栄養生物」といい、動き回って栄養を調達しなければ生きていけません。だから「動物」と分類されるのです。

さて、自然農法の理論を支えているのは、「植物と対になる“共生微生物”が繁殖しやすい環境を整える」技術です。それこそが自然農法である所以というわけです。

理想的な環境は、「適度な通気性と保湿性のある土壌」です。とくに、野菜や果物と共生する微生物にとっての理想的な土壌環境として、高さ40cm、幅120cmの畝を造成します。ここに種や苗を植えつけると、さまざまな農作物が自然に育っていきます。

この理論は、あくまで仮説です。しかし、実際に野菜や果物はできます。

どのような野菜や果物が、どのような畝の形のときに最も良く育つとか、どの土質にはどの野菜が適切かとか、今後の研究課題は無限にあります。

しかし、作物と微生物はそもそも一体で、「光・水・空気」があれば、勝手に育っていくという考え方は共通です。あとは、畝の高さや幅を微調整していけばいいだけのことなのです。

そして、応用技術としては、水や温度の管理ができるハウス栽培なら、共生微生物にとって、さらに理想的な環境を整えることができる可能性が高くなると思われます。

ということは、「肥料も農薬も使わない植物工場」が、決して夢物語ではないのです。そうなれば、「どんな気象条件にも負けない自然農法の時代」の幕開けです。

以上転載終了

 

■まとめ

今回の記事には、様々な気づきがありました。そもそも「野菜は養分で育つのではない。」これは、目からうろこ。

加えて、「植物と微生物は一体の存在である」という考え方が基本であり、「太陽の光」「水」「空気」がそろえば、どんな植物も自動的に育つ。という認識は、すなわち自然は、地球上の全てが、一体となって存在しているという事と同義。

反対に、これまで主流であった慣行農法は、「野菜は養分が必要である。」という認識で成立している農法であり、これは、人間が大量栽培、大量消費を第一義とし、本来存在する自然の摂理を逸脱した農法であること。更に言うなら、この農法の存在が、人間本位の思考でしか成立していないという事が浮き彫りになったと思います。

なので、これまで主流あった農法は、このまま存続し続けるには、無理があるということであり、今後、農法をめぐって、全世界的な農業革命が起こっていくという状況が垣間見えてきた。そして、その救世主が自然農法であると・・・・

更に、現在コロナの猛威が、全世界的に広がっており、産業(仕事)の形態が変化していく中で、農業も従来型のあり様から、変わっていく可能性も十分あり得ます。

将来、世の中が本源社会、自然の摂理を第一義として変化するのであれば、今回紹介した自然農法は、実現可能性のひとつとは言えないでしょうか?

では、次回もお楽しみに・・・・

投稿者 noublog : 2021年01月04日