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2017年01月01日

日本の食文化を守るために、第一次産業をもっと面白く! 「NPO法人おもしろ農業」の挑戦

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みなさん、明けましておめでとうございます。

今年も、「農」がもたらす新たな価値、ライフスタイルの追求に挑戦し続けている人たちを紹介していきます。

 

あなたは日々、自分が口に入れている食べ物を意識していますか?

徹底して自然由来の物しか口にしない人。どこでどんな方法でつくられているのか、何が入っているのかなどをチェックして「なるべく体にいい物」をという人。あまり深く考えないという人。

その関心度は、経済的な豊かさ・暮らす場所・家族構成・既婚未婚・育った環境など、さまざまな理由によって異なるものですが、共通しているのは、みんな毎日必ず食べ物を口にするということ。そしてそれが私たちの体をつくっているということ。

そんな、生きる上で最重要であるはずの“食べ物”への関心が薄れてきている状況が、日本の食文化の喪失に繋がるという危機感を覚え、“関心への入口”をつくろうと活動しているのが「NPO法人 おもしろ農業」です。

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以下、「NPO法人 おもしろ農業」より引用

 

■若者へのアプローチ。大学生との連携と対話

新しい動きとして始まったのは若者へのアプローチ。現在、京都大学と龍谷大学の農業サークルと対話を進めています。

“農業サークル”とは言うものの、2つとも活動は本格的。

京都大学の「農鞠」は、株式会社キシュウとして起業した、れっきとしたベンチャー企業。京野菜の卸業者として生産者と飲食店のコミュニケーションを補い、橋渡しをしようと取り組んでいますが、片桐さんは流通・販路のところで時折相談に乗っているのだとか。

彼らの扱う野菜は大きな店舗から引き合いがきたりしています。でも、物流をどう構築したらいいのかがわからない。またその店舗ではなく「農鞠」にお客さんがつかなきゃいけない。

物流の問題が一番大きいのですが、また「農鞠」にファンができるためにはどうすればいいのか、ともに考えることができればと思っています。

龍谷大学のサークル「お野菜大学」は学生団体ですが、滋賀県の耕作放棄地を借りて野菜をつくり、販売したり、一部店舗に卸すなどしています。

彼らも、大学内のベンチャービジネスプランコンテストにも取り上げられるなど、注目されている団体です。

「農鞠」の子たちも「お野菜大学」の子たちも、日本の農業はもちろん食文化をなんとかしなきゃいけないという志があり、とても素晴らしいことをやっています。もっと注目を集めてほしいし、活動を続けてほしい。

だからこそ、学生だけではできない部分、例えば流通・販路はもちろん、情報発信や誘客のモデルなどのノウハウを提供することで、彼らの活動を僕が後押しすることができないだろうかと考えています。

そうすることで、僕自身も今までアプローチできなかった層の“食への関心”を高めることができるのではないかと思っていますし、その連携が可能かどうか、対話を続けています。

また、片桐さんは関西各大学日本酒サークルが連携する「関西学生日本酒連合」のサポートを行っています。

この関西学生日本酒連合は、神戸大学・大阪大学・同志社大学・関西大学・立命館大学などの各日本酒サークルが連携し、百貨店で試飲販売会を開いたり、京阪電鉄、阪神電鉄の協賛のもと、伏見・京都・灘五郷酒造組合と酒蔵巡りのイベントを開催しています。

 

■「おもしろ農業」から一次産業のコンサルへ

学生との連携と対話は、今までの「おもしろ農業」の活動にはなかった仕事。片桐さんの活動は、一次産業に関わるさまざまなコンサルティングへと広がりはじめています。

現在は、とある野菜工場に対して、どんなストーリーで、どれくらいの金額で、どんな流通販路に、どのようにPRしてどんな交渉をしてと、百貨店にいたときのノウハウを使って徹底的にアドバイス。

他にも、食や農をテーマに起業したい人、飲食店や小売業などはじめ、少し行き詰まりを感じている人からの相談が多いのだとか。

また、日本酒の楽しみ方を提供する「利酒師」としても活動し、最近では「淡路島はたらくカタチ研究島」プロジェクトの中で、平成26年度の付加価値商品開発の専門アドバイザーとして商品をプロデュース。淡路島の古代米を使った「縁起」という祝い酒を作りました。

一年かけて地域の人たち向けにマーケティングの勉強会をしたり、地域の魅力を話し合ったりしながら商品を開発。初年度は約150本を生産する予定で、現在は国内はじめ台湾への販売交渉を進めながら、次年度以降の原材料の買い付け計画を構築中なのだそう。

もともと1,000本つくる計画だったのですが、原材料が足りず、初年度は150本になりそうです。これではまだ雇用を生むまでに至らないので、開発以降のどう販売していくかを、これからやっていきたいと思っています。

その他にも、情熱ある農業家を育成する週末農業ビジネススクール「アグリイノベーション大学」で、第一次産業に関わりたいと考える社会人向けの講義を担当。

梅田の大型商業施設「グランフロント」で開催されている、子ども向けの体験教室「うめきたがっこうソシオ」で、生き物に直に触れてみる“理科”の授業を行うなど、その活動の範囲はさらに拡大しています。

 
■考えることが食文化を守る一歩目

「2年前よりも、食に関心を持つ人が増えてきているのを感じている」と言う片桐さん。

しかし、相変わらず表面的な、あるいは他人が評価した付加価値優先”で食べ物が選ばれていることへの危機感は依然として高く、引き続き活動への強い意欲を語ります。

新発売だから、当店人気ナンバー1だから、機能性が高いから、という情報に選ばされるのではなく、もっと自分自身の“好き”や“感覚”を信じて選ぶ人が増えてほしいんです。

考えることを育てるというか、やっぱり食べ物に対して思考停止している人がまだまだたくさんいる。本来、食べるということはもっと自由で楽しいことのはず、そのことをもっと知ってもらいたい。

知って、考えてもらうことが、日本の食文化を支えている“本物”を守ることにつながると僕は信じている。だから、これからも“レジャー”を通じて、意識するきっかけづくりの活動を続けていきたいと思います。

そして今後、活動の継続、速度アップのためにも、法人格をNPO法人から株式会社へ変更することも検討しているそうです。

「おもしろ農業」としての経済はまだまだ回っていません。会員数も、一人で活動していることもあって、積極的に増やしていくためのアクションを起こせていないのが実状です。

そんな現状ときちんと向き合って、この活動を続けるための方法を考えた結果、体験ツアーをきちんと事業化して収益を出し、人を雇用して一緒に取り組んでいったほうが、社会に影響を与えられる存在になれるんじゃないか、今はそう思っています。

すべてのマイプロジェクトがスムーズに結果を出せるわけではありません。ふと立ち止まってしまったり、不意につまづいてしまったときに、やめるのかそれとも続けるのか。思い悩んだ経験を持つ人は少なからずいるのではないでしょうか。

そんなときに、それでも続けたい、なんとかしたいんだと思える当事者意識があるかどうか。いいことにも悪いことにも向き合って、次のアクションを考える片桐さんには、それがきっとあるのだろうと感じました。

「おもしろ農業」の食文化を守るチャレンジは、形や方法を変えながら、まだまだ続いていきそうです。

 

<引用終了>

投稿者 noublog : 2017年01月01日 List   

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