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2015年08月12日

『微生物・乳酸菌関連の事業化に向けて』-8 ~既存事業1-6 畜産-2~

ブロイラー

先回は、反芻動物の消化の仕組みなどを探りながら、微生物活用の効用を知ることが出来ました。

しかし一方で、微生物活用は、近代市場の効率的な大量生産を目指す過程で生まれた弊害を、微生物の力で弱めているに過ぎないのではないか?との疑念も生じました。 根本的には、ゆき過ぎた市場原理が、人間本来の生活のあり方、あるいは自然の摂理に則った安全な食生活を甚だしく歪めてしまった。という事が問題だとあらためて捉え返す必要があります。

この視点を忘れることなく、ブレることなく、新しい可能性を探索していきたいと思います。

皆さんも、現在の問題点の本質を発掘、可能性の萌芽を掴んだら、是非発信をお願いします。

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では、ネット探索を進める中で、可能性を感じた「既存事業」のいくつかを紹介します。ゆくゆくは、市場主義を乗り越える思想と技術を見出したいと思っています。

牛

■上田微生物 http://www.uetabiseibutsu.com/shop/detail-3.html
原理:有用微生物群(げんすけ菌)を飼料に混合。有用微生物群が産出する種々の
酵素の働きで、畜体の腸内フローラ活性化→各種ビタミンや有機酸、肉の
旨味を引き出すアミノ酸・基礎消化酵素を産出し、飼料を消化吸収されや
   すい形に変える。家畜の生理生活・免疫活性を高める。
効用:畜体の腸内作用を促進させ、排泄物などの悪臭を軽減。健康、長生き、整腸
排泄物の悪臭軽減、飼育環境の改善。肥育率、育成率。
牛乳・鶏卵・肉の生臭さ消失。肉の「しまり」向上。鶏卵の孵化率、豚の
出生率、育成率向上。

■ほんだ農場 http://www.hondanojo.com/tikusan.htm
原理:有用微生物群(EM)の機能を活用
効用:畜産の悪臭の減少(上述)。イエバエがEMの使用により減少する。サナギ
からの羽化が抑制される。育成率の向上。飼育中にストレス軽減。害虫減少。

■ 松本微生物研究所  http://www.matsumoto-biken.co.jp/shohin/chikusan.html
原理:乳酸菌、納豆菌などの有効菌群の効用を生かすため、嗜好性が高く安全な
天然ミネラルに配合(バイオプレミックス)
効用:健康飼育。腸内菌のバランスを整え、消化吸収向上。豚の貧血改善。畜舎の
悪臭軽減。ペットの糞の消臭。粉体化。
環境改善:「オーレス」は畜舎、堆肥舎、尿溜め槽などの悪臭軽減、堆肥の
発酵促進。

■ROM http://rom-ef.co.jp/ch2.php
原理:家畜自身が本来持っている免疫力を活かす。家畜の腸内には様々な微生物
(細菌)が存在しており、腸内の有用菌が増え、有害菌が減った状態が家畜に
とって健康な状態であるといえる。
効用:健康維持、生産性向上。
肉牛、乳牛、豚、鶏、うずらで効果あり。特に肉牛では、肉質向上、飼料
効率の改善、事故率の低減効果あり。
犬、ネコ等のペットへも使用されており、特に毛ヅヤ・皮膚病・軟便・下痢
の改善に高い効果が実証。

■株式会社SANA http://www.sana-bio.co.jp/tikusan/tikusan01.html
原理:サナの飼料添加物・混合飼料には、乳酸菌、枯草菌、酵母菌等の有用微生物
(プロバイオティクス)をはじめ、オリゴ糖、食物繊維に代表される家畜腸内
での有用微生物の増殖に役立つ成分(プレバイオティクス)、家畜の健康や
排泄物臭気の軽減に効果的な各種アミノ酸、ミネラル等を目的に応じてバラ
ンスよく配合。
効用:薬剤費低減、品質向上、飼育環境の改善等に寄与→家畜生産コスト低減

■日本微生物化学株式会社 http://www.nichibi-kk.net/nb81.html
原理:植物性蛋白質や複合多糖類、その他の糖質等の消化吸収を高め早期生育。
乳酸菌により腸内のpHが低下するため、飼料中のカルシウム、マグネシウム
鉄等のアルカリ金属の溶解性と吸収性が高まり、これらのアルカリ金属が
血中に入って、血液のpHを弱アルカリ性に保つ。
血色も良くなり、カルシウムの利用性の向上や鶏の健康増進にもなり、卵殻
強化の改善、卵の商品化率が改善される。
効用:エサ代及び、その他管理費の節約が可能。家畜の健康状態が良好に保たれ
生存率向上。繁殖率の改善。授乳期の母豚に与えると、子豚の下痢、軟便が
有意に改善。子豚の離乳体重が大きくなる。
豚肉の脂肪中のコレステロールの低下及び、脂質の改善。肉の旨味向上。
肉の獣臭、酸臭及び卵の生臭さの減少。
糞の臭い減少、畜舎等の環境衛生向上。糞は発酵期間がより短縮され、土壌
に有効な放線菌が増殖しやすくなり良質な堆肥作りに繋がる。
血液の酸性化を防止。
新陳代謝を活発にする。

EM

■EM研究機構 http://emro.co.jp/em/science/animal_industry/index.html
原理:EMは畜舎の微生物汚染を多様化によって防除し家畜体内外の微生物層を
整える。
効用:家畜のストレス軽減→乳質・肉質・卵質の向上、病害の抑制などの効果。
実験:通常の飼育法とEMを用いた飼育法での養鶏及び養豚における比較を行った。
EMは飲水、飼料に添加。EM区を設定したところ、死亡率は比較区と比べて
減少し産卵率は10%増加。鶏舎内の刺激臭については41.7~69.7%減少。
養豚:EMを与えたグループは成長が早く、その生体重の増加率は平均21%
となった。また豚舎内の臭気も減少、ハエなども減少。
養鶏・養豚:EM施用区では養鶏の体重増。肉重当りの飼料量は減少。
産卵鶏においては卵の平均重量が増加し死亡率も減少。
乳牛:化学飼料の使用量減量。生後7ヶ月後より搾乳が可能となった。
品質は最高グレードのAで劣化もし難い。健康についても足元や口の
病気は全く発生しなくなった。悪臭の発生も無。
畜糞:有用堆肥化され果樹園で使用されている。

■有限会社サン興産業 http://www.saion-em.co.jp/file_8/file_8.html
原理:悪臭の主な原因は微生物による有機物の酸化分解の結果。通常の空気中に
は酸素を利用する微生物が浮遊しているが、畜産現場のように彼らの餌が
   豊富な場所には、そういった微生物が増殖して有機物を酸化分解し、代謝
   物としてメタンやアンモニアなどを発生する。EMを与えると、腸内環境を
改善し、糞尿の臭気を減少させる事が可能になる。
酸化型の微生物より先に有機物を分解させる事で腐敗を防ぐ。
効用:家畜の健康増進、畜舎の衛生状態改善、ストレス減少、製品の質の向上
堆肥の高品質化。

==========
いかがでしたか?
上記で紹介した企業は、ほんの一握りです。まだまだ可能性を秘めた事業や事業体がたくさん存在していると思います。知っている方は是非ご教示下さい。

次回は、「水産」における微生物の活用の仕組みや事例を紹介します。

記事中の写真は、以下のブログからお借りしました。ありがとうございました。
http://maypat01.blog.fc2.com/blog-entry-8.html
http://www.dairy.co.jp/edf/list/kanto/ohnita.html
http://emro.co.jp/em/science/animal_industry/index.html

投稿者 noublog : 2015年08月12日 List   

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