| メイン |

2011年11月12日

【コラム】TPP問題~農産物の輸出入問題ではなく、米国軍産派による日本乗っ取り戦略~

現在注目を集めているTPP問題。
 
野田佳彦首相は13日(日本時間14日)、米ハワイで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の交渉参加方針を表明しました。
 
政府も世論も、推進派と反対派に真っ二つに分かれたかたちとなっており、その本質が置き去りにされている感がある。
 
TPPにより、一体何がどうなるのか?一体誰が何を推進しているのか?を、この間ネットで注目されている内容を中心にまとめてみたい。
 
続きを読む前にポチッとお願いします。

にほんブログ村 ライフスタイルブログへ


TPPに扱われているのが関税撤廃によってモノ・人・カネが自由に往来し、経済が活性化されると期待されている。
 
しかし、そもそも捉え方は正しいのか?既に農産物の関税が他国に比べて低い日本、あるいは、外資参入のバリアとなっていた障壁を全て取っ払うことを意味していることは、あまり知られていない。
以下、TPPによるリスクを分かりやすくまとめられている内容を紹介します。
 
■TPPにより引き起こされる問題

『国破れてTPP在り』(るいネット)より参照
・農業(関税率)
 日本の農産物関税は平均11.7%。アルゼンチンは33%。スイスは51%。ノルウェーは123%。インドに至っては130%を超えている。既に日本は十分すぎるほど農産物を世界に解放している。マスコミは米と蒟蒻芋だけの税率に焦点を当てて、日本の農産物関税率の低さを隠している。
 
・農業(農薬基準)
 WTOの残留農薬基準が日本に持ち込まれる。それは国内の基準よりも遥かに甘い。また米国の残留農薬基準が持ち込まれれば、その影響は甚大。米国の基準では、殺虫剤(クロルピリホス)=日本の80倍、殺菌剤(キャプタン)=日本の60倍。
 
・農業(規模拡大)
 日本の農家1戸あたりの平均耕地面積は1.9ha。米国は198ha。オーストラリアに至っては3023ha。山地面積が多い日本での規模拡大には限界がある。完全な農産物関税撤廃で日本の農業は壊滅、250万人に影響が及ぶ。
 
・農業(例外品目)
 例外品目が認められていると賛成派は主張する。韓国はFTAで米を例外にすることに成功したが、米国内では問題視されており、断続的に韓国に圧力を掛けていく と表明している。またNAFTA域内のカナダは、牛肉を例外品目に認めるよう主張した途端、TPP参加国から除外された。
 因みにカナダは、ガソリン添加剤であるMMTが人体に有毒であるとして米国からの輸入を禁止したが、添加剤メーカーがカナダ政府を提訴。カナダはやむなくMMTの輸入を承認させられた。
 
・農業(GMO食品)
 現在のGMO食品に対する国内の規制が撤回される。日本固有の農産品種をネダヤシにするために、巨大アグリ企業モンサントやシンジェンタが、特許権を持つGMO種子を国内にばら撒こうとしている。GMO種子はモンサントが製造する最強の除草剤ラウンドアップ(元はベトナム戦争の枯葉剤)とセットで、世界中で販売されている。F1種と呼ばれる種子は、別名『自殺する種子』の異名を持つ。この種子は収穫した翌年に蒔いても実をつけない1代種。しかも除草剤ラウンドアップに耐性を持っているため、このGMO種子とラウンドアップをいっしょに投入した場合、農家は従来種の作付はできなくなり、モンサントから毎年種子を購入しなければならないという、無間地獄 に陥ることになる。
 インドでは、収穫が倍増すると言われたこのGMO種子を、たくさんの農家が借金をして購入した。しかし期待した収穫は得られず、12万5千人の農民が自殺に追い込まれた。また、モンサントはこの種子を、従来種を栽培する耕地に密かに紛れ込ませ、特許を盾に農家を訴える という犯罪を犯している。国内でこの犯罪に加担している団体が、”バイオ作物懇話会(宮崎市)”である。
 モンサントは、GMO種子とラウンドアップのセット販売を今後も世界で強力に押し進める。そしてそれが世界の隅々まで行き渡った時、GMO種子の供給を止める腹だろう。人類は忽ち食糧危機に見舞われることになる。
 
・農業(BSE)
 日本では現在、米国産牛肉で月齢20ケ月未満の肉は輸入禁止だが、これが解除される。将来日本人の中からBSE患者が激増する。
 
・公共事業・サービス(水道)
 欧米企業の参入が進む。一見すると民間参入は公共料金の引き下げに繋がるように見えるが、過去フィリピンで実施された世界最大の民間水道事業参入で、料金が跳ね上がった状況を見ればそのリスクは大きい。
 
・公共事業・サービス(土木)
 現在の外資参入資格23億円枠が撤廃される。落札した外資が手配した海外の労働者が、国内の土木事業労働者として大挙流入し、国内の日雇い労働者はホームレス化する。地方の小規模土木会社は壊滅する。
 
・公共事業・サービス(医療) 
 国内の大病院の多くが赤字に陥っているが、外資による病院の買収が進む。その結果収益性の高い保険外診療が増大し、利益率の低い保険診療が蔑にされる。受けられる医療サービスに収入によって格差が生じる。また外資に買収された病院が利益を捻出できなければ、『日本の国内法が悪い』と追及され、法律を改悪される。病院の営利企業化が進めば不採算部門の整理廃止が進み、僻地などの赤字医療機関は閉鎖が続出する。
 
・公共事業・サービス(入札)
 公共事業の入札制度を改悪させられ、入札内容をすべて英文で公開することを義務付けられる。
 
 上記の例のほかに金融分野の影響も甚大だ。郵貯・簡保の国民資産がインチキデリバティブ商品に運用させられ収奪される。郵貯・簡保が国債の買い手から撤退すれば、日本破綻の引き金になりかねない。学校法人の買収や設立も進んで英語化が推進され、児童・生徒の国家国民教育が破壊される。

日本にとって、明らかに不利となるTPP。
推進派を見てみると仙石、前原など従米派が名を連ねる。このことからも分かる通り、TPP推進の本丸はアメリカにある。 
 
そして、驚くべきことに、日本政府の対応は、アメリカに認めてもらうことが目的となった従米路線へと走っていることが公式文書から明らかになった。

『TPPの最大の問題点は「拙速」にあり(ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報)』より引用
 
TPP:政府のTPPに関する内部文書(要旨)
▽11月のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)で交渉参加表明すべき理由
・米国がAPECで政権浮揚につながる大きな成果を表明するのは難しい。日本が参加表明できれば、米国が最も評価するタイミング。これを逃すと米国が歓迎するタイミングがなくなる
・交渉参加時期を延ばせば、日本は原加盟国になれず、ルールづくりに参加できない。出来上がった協定に参加すると、原加盟国から徹底的な市場開放を要求される。

政府は、TPP参加の目的は「日本の経済活性化だ」という表向きの方策を出しながら、本音の部分では「アメリカに認めてもらいたい」という己の利権によるものだということがはっきりと分かります。
 
対するアメリカ側におけるTPP推進派を見ても、その明らかな策略が見て取れます。彼らが、無理やり日本の参加を強要しているのです。

『生き残りを賭けたアメリカの日本植民地化計画=TPP締結問題 ~日本政府はアメリカ盲従をいつまで続けるつもりなのか~』(日本を守るのに右も左もない)より引用
 
アメリカ政府は、政府自身の公式サイトで、TPPの目的は「輸出拡大」であるとし、 『アメリカの輸出品の拡大は、アメリカの景気回復、およびアメリカでの高品質の雇用の創出と維持にとって重大』であると、明確に言っています。各州ごとにTPPのメリットを伝えるサイトを開設するなど、米政府自身がTPP参加に非常に積極的です。
 
この米政府の背後にいるのが、この「全国貿易協議(NFTC)」という財界団体・同業組合です。『政府関係者にロビー活動を行って自分たちの会員企業に有利な法律を政府に作らせるのがお仕事』という訳です。
このNFTCが米政府にTPP参加を要求した手紙の最後に、企業リストがあるのですが、インテル、マイクロソフト、IBM、GAP、コカコーラ、ファイザー、シティグループ、ダウ・ケミカル、GE、ヒューレット・パッカード、ジョンソン・エンド・ジョンソン、リーバイス、オラクル、P&G、タイム・ワーナー、Visa、ウォルマート、ゼロックスなどの、大多国籍企業が名を連ねています。
 
<参考・引用>GIGAZINE : アメリカで「TPP」を推進して米政府を操る黒幕たちの正体
 
見事に、ディビット・ロックフェラー系の企業群がほとんどを占めていることに気がつきます。
 
★つまり、日本のTPP参加を是が非でも実現したいのは、(日本政府ではなく)更なる市場を狙うアメリカ企業と、雇用創出を狙うアメリカ政府、ということになります。
 
★アメリカ企業・政府、それらの背後にいる国際金融資本家(D.ロックフェラー)の強い圧力の背景には、彼ら自身が相当に追い詰められていて、日本を完全植民地化しないと生き残れない、という状況判断があります。
日本政府は、情けないことに、アメリカからの圧力に屈しているに過ぎません。

  
TPPによる人・モノ・カネの関税撤廃等による自由貿易は、その大半の市場規模を占めるアメリカ支配を認めることと同義です。
 
TPPとは、
単なる市場連携・開放どうする?という問題ではなく、これからの他国支配、参入を食い止め、どう対抗していくか?という外交闘争であるという点。
そのために、日本の内部体制をどう統合していくか?という政治問題であるという点。

 
一時的な利益、市場活性化に目を当てるのではなく、中長期的な視点から諸外国との関係、内部体制の構築を見据えていく重要な時期に来ています。

投稿者 staff : 2011年11月12日 List   

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.new-agriculture.com/blog/2011/11/1285.html/trackback

コメントしてください