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2011年10月11日

東海4県・長野県農業法人経営情報交流会に参加してきました

みなさん、こんにちは。せきやです。
先日、東海4県・長野県農業法人経営情報交流会というものに参加してきました。
内容盛りだくさんで、どれも紹介したいのですが、今回は、講演と視察のあった㈱永井農場さんについて紹介したいと思います。
●㈱永井農場とは?

永井農場さんは、長野県東御市(旧東部町・旧北御牧村)にあります。
いわゆる中山間地という、農業をするには決して好環境とは言えない立地ですが、お米をメインに、その他には、酪農として、乳牛の飼育、果樹では巨峰、野菜でアスパラガスやニンニクなど、多種多様な栽培をされています。栽培だけでなく、農業体験や農産加工、ジェラートショップ出店など、高付加価値の農業経営 をされています。
そんな活動が評価されて、2011年度には、第40回日本農業賞大賞受賞(個別経営の部) を受賞されました!
最近、農業の六次産業化という言葉がよく言われていますが、まさにその先行事例だと思います。今回は、従来の農業の枠組みに捉われず、新しい価値を創造するべく邁進している㈱永井農場の成功の秘訣 について迫って見たいと思います。
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永井農場のここがポイント①
自分たちで作ったものは自分で値段を決め、お客様は自分で作る!
今では直売所や農家の直接販売は一般的になりつつありますが、永井農場さんは早くからお客さんに直接販売していたそうです。そのきっかけになった出来事があったそうです。
以前、お米をお米屋さんに売りに行った際、お米さんは、「有名産地ではない」という理由だけで、お米の袋すら開けずにつき返され、とても悔しい思いをされたそうです。それ以来、流通や販売の不透明さに疑問を持たれ、自分で作ったものを自分の手でお客様に届けたい と思ったそうです。そのため、自分たちの商品へのこだわり が細部まで詰められています。

まず真っ先に取り組んだのがパッケージデザインです。とりあえず袋に入れて売ればいいという発想ではなく、自分だったら、こんな袋に入ったものを店頭で選びたいとか、これなら買い続けたいというものを創ろうと思いました。
乳量ばかりを追う経営ではなく、高品質のおいしい牛乳を搾ってジェラートを作り、その価値を理解してくれるお客様にきちんと届ける。こういうことで、僕たちは決して大規模でなくても、経営として成り立っていくと思っています。
「僕たちは自家生産した餌で牛を育てて、そこからできた牛乳でジェラートを作っているんですよ」と、お客様に直接伝えることができるからです。
<農業経営者より引用>

作物を栽培し、お客さんの口に入るまでが農業と考えていて、栽培方法など、作り方へのこだわりがあるのは当然で、パッケージから、どんなお客さんを対象にするか、どういったことを感じてもらうかまで考えて商品化されています。
永井農場ここがポイント②
地域農業の振興の核となるような経営体をめざす
僕たちは永井農場のコメさえ売れればいいとは思っていません。田植えや稲刈りなどの作業受託で関わっている地元農家さんも、永井農場にとっては大切なお客様です。そのお客様のコメも有利販売できる環境を作るため、僕たちが窓口になってマーケットにつないでいこうと考えるようになりました。
永井農場はもともと、大農家の生まれではなく、近隣農家さんから仕事をいただいていかなければ、生活が立ち行かなかった程だったそうです。今まで支えてもらったからここまでこれた。だから農家に恩返しするためにも、地域農業を元気にしたいという思いがとても強い。今後も農業を続けていくためには、地域のコミュニティが維持されている事が不可欠と考え、近隣農家の作業のお手伝いや、周りの農家さんからお米を買い取り、販路開拓を積極的に行い、近隣の農家さんと共存共栄し ていこうと考えています。
永井農場ここがポイント③
周りをやる気にさせる巻き込み力がすごい!

自分だけではなかなかそのレベルに達することができませんが、思いのある若い人たちと一緒にやることで、農場経営、ひいては地域の農業を維持していくことができるのではないかと考えました。そのために会社を作り、地域の外からも人材を受け入れられる環境を整えて、現在の永井農場のスタイルへと至っています。
仕事をする上で、どういう問題意識を持ち、それをどう解決することで喜びを感じられるかと言う事を、スタッフに自覚してもらいたい。
仕事の目的が明確になることで、モチベーションが高まる効果もあると思います。日常の仕事でもコミュニケーションを欠かさないよう、昼休みにはみんなで管理棟に集まり、お茶を飲みながら仕事の段取りを話し合う時間が必ずあります。

その他にも、人材コンサルタントによる研修、他の農場への視察など、社員教育に力を入れているようです。
働くスタッフがいかに活力をもって仕事に取り組めるかを考え、積極的にコミュニケーションを図り、主体的に働ける環境を作り出しています。

以上、3つのポイントを挙げましたが、まとめてみると、農業を通してお客さんを想い、地域を想い、働くスタッフを想う。関わる全ての人を元気にする。つまり農業=活力再生事業といったように捉えているように思いました。企業理念が「よろこばれる」というのもうなずけます。
そのように捉えられるのも、
機械導入による効率化や規模拡大による利益優先・効率重視の農業の時代は終わり、信頼関係を築き、その中で販売していく時代になるという時代認識をしっかり捉えている事。
トップダウンによる指揮系統ではなく、スタッフと一緒に考え、一緒に進んでいくことで、働く人の成果度も、活力も上げている事

が大きい要因になっているように思いました。
今回の視察はとても刺激になりました。類農園でもぜひ取り入れていきたいと思いました。
視察に行った際は、また報告したいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

投稿者 keitaro : 2011年10月11日 List   

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