2005年2月10日
2005年02月10日
地域を売る
私たちの農園のある地域では、黒大豆の産地化に取り組んでいます。
黒大豆を使った加工品なども、直売所の人気商品になっています。
しかし、売り先が無ければ産地化は実現しません。
しかも、丹波という押しも推されぬ大産地と、どうやって共存していくか。
この問題は絶対に避けては通れないものです。
昨年は台風の影響で、丹波などの大産地が壊滅状態でしたが、
この辺りは殆ど被害が無く、まだまだ弱小産地ながら、
この地域の名前を売るには、絶好のチャンスでした。
部会では、JAや私の上司が中心になって生産者に状況を説明し、
今年上手く売り込んで、来年以降につなげて行こう、
そのためにはまとまった量が必要なので、抜け駆けせず、
全部JAルートで売り込むという共認を図りました。
そして苦労の甲斐あって、いつもの2倍の単価で、しかも来年以降の取引の
確約も取り付けることが出来ました。
でも、商品が無いからバイヤーも必死なんですね。
あちこちから引き合いがきて、これが結構高い買値を吹っかけて来るんです。(–;
そして、ついに抜け駆けが発生してしまいました。
産地化の話も来年以降の話もあったもんじゃない。
今、いかに高く売るか、農家のおじさんたちは、それしか考えられないんです。
目の前にニンジンをぶら下げられ、逆らうことができませんでした。
残念です。
農業が市場に飲み込まれてから、いつも博打みたいなことやって来たんですね。
でもこの話だって、部会が動いてくれたから飛び込んできたんですよね。
自分ひとりの力では、絶対に実現できなかったはず。
“地域”があるから売れたんだと想います。
るいネット 「「農は意識生産」という明確なパラダイム転換が必要。」 長谷さん
>農業生産物を売ると言うよりも(実際売ってはいますが)、
生産グループや地域での取り組みや、活動している人達の活力を売る、
地域を売ると言ってもよいと思います。
本当にそう思います。
これにめげることなく、地域の取り組みをもっと進めて行きたいと思います。
小松
投稿者 komayu : 2005年02月10日 Tweet