農を身近に★あぐり通信vol.35:植物工場で生産される工業製品のような“無菌野菜”に感じる違和感とは? |
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2014年11月17日
『生命の根源;水を探る』シリーズ-3 ~先祖はみんな海中生物☆乾燥適応させて砂漠へ進出した動物に迫る!~
みなさんは、砂漠にカエルが住んでいることをご存知ですか!?
生物にとって水は不可欠、というのはみなさん既によく知っていると思うのですが、なんと、あの最大の乾燥地帯である砂漠に、ほ乳類以上に水がなくては生きてはいけないはずの両生類「カエル」が住んでいるというのですから驚きです!!!
彼らはなぜ、砂漠という土地を選んで生きているのでしょうか!?
そして、砂漠でどのように生きているのでしょうか!?
謎に迫っていきます☆,゜.:。+゜
1,両生類の誕生
そもそも、生物は水がなければ生きていけないはずなのに、なぜ魚類は両生類へと進化し、陸上という明らかに水の少ない世界に出たのでしょうか!?
生物の陸上進出~魚類から両生類への一連の流れ(るいネットより引用)
魚類から両生類への進化のおおまかな流れ■
海のほとんどの部分を頭足類(とうそくるい イラスト参照)が制覇
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魚類は浅海に追いやられる
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浅海のほとんどの部分を魚類の中の板皮類(ばんぴるい イラスト参照)が制覇していく。(板皮類は浅い海のあらゆる場所に適応し勢力を拡大していく。比率で言えば板皮類は全ての魚の90%ほどを占めていた。←化石の比率)
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条鰭類(じょうきるい 現生の魚類の大部分にあたる)、肉鰭類(にくきるい イラスト参照)が肺の原型となるものを獲得していく。(運動能力を上げて、板皮類から逃げ回るため)逆に、制覇種であった板皮類は、(逃げる必要が無いため)肺を獲得しなかった。
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板皮類の勢力が強くなり、条鰭類、肉鰭類が河川(淡水)に追いやられる。(河川に上がる前の段階で、淡水で生きていくための必要な機能である、肺や腎臓、鱗の原始的なものは獲得していたと思われる)
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淡水域をハイネリアという魚(体長5mの大型肉食魚)が制覇する。
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ハイネリアなどに追われた魚が、河川の上流や湿地帯に逃げ込んでいく。
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また、この時代には、地球上最初の木(アーキオプテリス)が陸上のほとんどの部分に繁茂していたため、肉鰭類がヒレを使って、川に溜まった落ち葉の中に隠れる。(ユーステノプテロン)
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肉鰭類の一部が、他の魚が入って来れないような場所に逃げ込む為、ヒレを発達させる(アカンソステガなど)。※デボン紀後期の湿地帯で、四肢動物が多様な進化を遂げる。様々な種類が生まれていた。(イカンソステガなどはその一種)
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デボン紀末期、環境の激変が始まる。予想される激変は、乾燥化と酸素濃度低下。※この環境激変によって、(肺を持たない)板皮類の絶滅。地球上最初の木であるアーキオプテリスが絶滅する。
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乾燥化により川が無くなっていく(湿地帯が取り残される)中で、川に住んでいた条鰭類と肉鰭類はそれぞれ違う戦略を取る。条鰭類は(ヒレを発達させていなかった為)海へ戻る。【現在の魚類のほとんど】
肉鰭類は、(既に発達させていたヒレを使って)陸上生活に適応する。【両生類へ】
やはり、弱者が進化するのです!!!
2,弱者が進化
弱者が進化するということの意味を固定しておきたいと思います。
(類塾本格コーステキストより抜粋)
生物は、新しくなるにつれて進化していくと考えられているが、それは誤りである。生物の進化とは、環境の変化によって大部分が絶滅し、その中で奇跡的に適応できたものが生き残るということ。この逆境の中でこそ、生物は進化した。
逆境とは、環境の変化や種間闘争(他の動物との争い)。ほとんどの生物は、この逆境下で何とか生き残ろうと一か八かの賭け(体の仕組みを変えるetc.)を行い、結果として大半はその賭けに失敗して絶滅するのである。
3,砂漠に生きるカエル
さて、冒頭で述べた砂漠に生きるカエルについてです!
砂漠に生きるカエルは一種類ではありません。
ナマカフクラガエル(写真参照)、アカボシヒキガエル、トウブスキアシガエルなどが代表的なものではありますが、他にも多数確認されているようです。
彼らは主にシロアリを食べて生活しています。水がほとんど無い所で暮らすため、水中に入ると溺れ死んでしまいます!
驚くべきは、この乾燥地帯で生きていくカエルの、成長の早さです!!!
どのカエルも、普段は比較的水分の多い土の中で暮らしています。産卵方法は種類によって異なるのですが、雨の日に交尾し産卵→水たまりが乾くまでの数日のうちに孵化~オタマジャクシ~カエルへと成長してしまうものがほとんどです。
この成長を砂漠では早ければ数日、遅い種類でも1ヶ月で終えてしまいます。
通常の日本にいるヒキガエルやアマガエルであれば、孵化してからカエルになるまでに2~3ヶ月かかります。
また卵の中でオタマジャクシの期間を終え、孵化する頃にはもう足が生えている種類もいるのだとか。この形態はもはや爬虫類と同じです。
4,生物の進化は計り知れない・・・・
砂漠には特殊な動物がたくさんいます。乾燥適応すべく、それぞれが独特な進化をとげているのです。少し例をあげていみたいと思います♪
サバクキンモグラ
サバクキンモグラは、その名の通り、砂漠に住むモグラです。この動物の特徴、なんと、目が無いのです!!!モグラ自体そもそも視力が弱い動物ではありますが、その中でも珍しい、完全に目が退化していて物を見ることができないのがサバクキンモグラです。サバクキンモグラは聴覚が発達しているので、獲物の微かな振動を感じ取り、昆虫などを補食しています。
彼らはで、一晩で45m以上を掘り進んだ跡が確認された例もあります。
食性は動物食で、昆虫類、クモ、ミミズ、カタツムリや小型爬虫類などを食べます。地表にいる獲物を巣穴に引きずり込んで捕食することもあります。
目だけでなく、尾もありません。すごく見た目はシンプルなのです。滅多に地上に出てくることのない動物なので、まだまだ情報の少ない動物でもあります。
オオカンガルーネズミ
オオカンガルーネズミは、なんと、一生水を飲まない動物なのです!!!
石油の採掘場や農地が作られ、絶滅が心配されています。厳しい環境だけれど、その分、ライバルや天敵は少ないのです。カンガルーのように長い後ろ足でジャンプするのは、砂漠での移動に適しているから。
砂漠は水がとぼしいが、オオカンガルーネズミは、必要な水分を植物からとることで、水をほとんど飲まずに生きていきます。
主食としている植物から得た水素と、呼吸から得た酸素を体内で合成して水を作っており、何年も水なしで生きることができます。
さらに人間の何倍も濃い尿を排出することによって、より少ない尿で毒素を体外に出すことができるのです。
実はこれは人間でも近いことが言えます。
人間も水をあまり飲まないでいると、色の濃い尿がでますよね?
あれは、水を飲まないから尿が濃いのではなく、これ以上水を飲めなくても身体を対応させていくために余計な水分を出していない色なのです。
水を飲めない状況なのに、たかだか身体から毒素を出すために水分不足になっていてはいけない・・・そういうことを身体は考えているのですね。
いかがでしたか?砂漠で暮らす動物たち。
彼らは乾燥適応することで、特殊な世界で生きているのです。
生物の進化に水の存在は欠かせないはず。ここまで水の少ない砂漠で、両生類も生きているのです。これから何類がどこで生きていくのか、進化がどうなっていくのか・・・考えていくとワクワクしますね!!!
投稿者 noublog : 2014年11月17日 TweetList
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