| メイン |

2013年01月02日

農における業態革命まとめ2~自給期待に応える新たな業態を提起する

1%E3%81%A8%E3%81%A3%E3%81%B7hirakawa1.JPG
みなさん、こんにちは。
正月2日目、いかがお過ごしでしょうか^^
昨日の記事に続いて、早速、農における業態革命の具体案を提示していきたいと思います。
★★★農における業態革命とは?⇒新たな共認形成の拠点としての『都市型直売所』を模索する
★今こそ農における業態革命が必要
 これまで述べてきたように、農業に限らず全ての業界において、これまでのやり方では通用しない時代を迎えつつあります。そしてこの外圧状況を突破するには、意識潮流の変化を捉え、人々の期待に応える業態を供給していくことが求められます。
成功している事例を見ても、外部から参入してきた人々によってこれまでの業態を覆す取り組みが成功の要因となっています。
それらの重要な点を改めてあげると
1、 農家の組織化
2、 核商品の創出(技術開発)
3、 消費者の組織化

という軸になります。これまでの業態を変えずに六次産業化をはかるだけでは不充分で、人々の期待に応えるカタチ≒自給期待及び共認充足第一で上記の3つの軸を実現することが求められます。もちろん、前提となる農産物の生産はあった上で、3つの軸を実現していくこと。これが必然的に業態革命となり、突破口となっていくのです。
では、具体的に農業場面でどのような試みが考えられるでしょうか。
では、続きへどうぞ。

にほんブログ村 ライフスタイルブログへ


★新たな共認形成の拠点としての『都市型直売所』
%E9%83%BD%E5%B8%82%E7%9B%B4%E5%A3%B2hirakawa.JPG
 改めて、人々の自給期待や安心、安全期待からくるアンチ市場、アンチ既存流通を考えた場合、まずは安全で新鮮な農産物をいかに供給できるかという問題に行き当たります。
現在でも、地元密着型の直売所が存在しますが、乱立する直売所経営は非常に厳しくなっているのが現状です。なぜならば、安全、新鮮という価値に見合った値段設定ではなく安売り競争に走ってしまう構造に陥っているからです。
つまり、市場流通から脱して、農家が少しでも潤うために始まった直売所が皮肉なことに再び市場競争の中に戻りつつあるのです。
参考:二極化する直売所2~成長の秘訣は「農家のため」なのに逆行する戦略
 しかし、例えば大都市において直売所を運営すればどうか。都市に住む人々は安全で新鮮な野菜を求めています。自信を持って質の高い商品を供給すれば安売りする必要はないのです。
ここでは核となる商品を供給できる農家をいかに組織化できるかが重要となります。そして組織化するためには農家を勝たせる=農家の経営を安定させることが不可欠となります。同時に、農産物を買ってくれるお客さんをいかに組織化できるかも重要となります。そして組織化できるかどうかはいかに共認形成できるかにかかっています
これを実現するカギは、直売所を単に農産物を売るだけの場ではなく、農家とも消費者とも共認形成できる場として機能させることにあると考えます。
例えば、なぜその商品は新鮮なのか、安全なのか。そして直売所としてどういう理念に基づいてその商品を供給しているのか。TPP問題に対してはどう考えているのか、原発問題に関してはどう考えているのかなど、積極的な情報開示、発信と共認形成そのものが引力となるのです。
その情報が人々のマスコミに代わる情報源となり、情報発信の拠点となる、同時に共認充足を得られる場として直売所を運営する。
つまり、直売所は新たな共認形成の拠点であり、農産物を売ることはその共認形成のひとつの手段なのだという認識です。
その軸で考えれば、直売所が農産物を売るだけではなく共認形成の拠点として打ち出す商品は無限に広がっていきます。

例えば、

・ネット運営
商品情報や農家さんの情報、想いをリアルタイムにUPできる有料会員制掲示板。お客さんも書き込むことができ、農家と直につながれる。野菜の注文も可能。また、農業をめぐる問題意識なども投稿できる。投稿には評価ボタンがあり、有用な投稿には謝礼を支払う(謝礼は参加費、会費でまかなう)。掲示板そのものが貴重な情報源となり、共認充足の場ともなる。謝礼は参加費から捻出する。

・ 体験教室
自給期待に応えて、農産物生産を体験してみる。ここで重要なのは例えば玉ねぎの作り方を極めることが目的なのではなく、自然外圧に触れる、それを突破するための共同作業における充足を体感してもらうこと。そして、お客さんではなく農家と課題を共有する仲間となってもらうこと。これは仕事体験でもあるし、販売体験をそこに組み込んでもよい。レジャーとしての体験とは一線を画す試み。
これまでの体験教室の多くは農作業のプロを目指すか、家族向けのレジャーといったように極端な温度差があるが、そのどちらでもない中身を打ち出す。

・ 放射能検査機関や自然の摂理に則った農業の追求勉強会を併設する。
その場で農産物の安全を確認できるようにする。本来、政府がやるべきことだが、必要ならば自らが行うというスタンス。
また、農がおかれた現状や緑の革命後の近代農業の問題点やモンサント社の種子支配といった時事問題。自然農法や菌類による放射線除去などの技術問題の勉強会を開催する。
直売所運営員も勉強し、(例えば、野菜ソムリエの資格を取得し、)農産物のおいしい食べ方なども含めて、お客さんに情報提供をする。

・ 高齢農家の技術継承NWの構築
直売所というのは当たり前だが、様々な農家が集まる。跡継ぎがいないが非常に技術力の高い農家の方と若手をつないでいくことも直売所が拠点となって実現していくことは可能と考えられる。また、技術指導役として引退された農家の方を招聘することも可能性を感じる。

直売所を単に農産物を売る場から新たな共認形成の拠点と考えると、様々な可能性が広がります。そしてこれらはそれぞれが商品としても成立しうる可能性を秘めています。
もちろん、これはあくまでアイデアですし、都市型直売所に限らず、これ以上のアイデアをお持ちの経営者さんもたくさんいらっしゃると思います。そうした可能性も集約して、共有できるような場として直売所が打ち出せればと感じています。
そして、こうした直売所同士が連携し、NW化していけば、農産物をつくるだけ、あるいはそこに加工が加わるだけ、といったような農業ではなく業態革命をはたした農業生産者や農業法人が増えていくことになります。
%E5%9B%B3%E8%A7%A3hirakawa1.JPG
改めて、自給期待の潮流を考えてみると、それは深い位相で共認充足第一、共同体回帰、自然回帰へ向かっています。しかし、いきなり農村に移住することや村落共同体を再生するというわけにはいきません。
けれども、まずは都市にこれらを結ぶ場ができ、それらを拠点としてつながっていくことができれば、このNWそのものが原初的な実現態となっていく可能性も秘めています。


当ブログは全面的にそうした取り組みを応援します。本年もよろしくお願いいたします。

投稿者 hirakawa : 2013年01月02日 List   

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.new-agriculture.com/blog/2013/01/1381.html/trackback

コメントしてください