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2016年04月07日

コミュニティビジネスがひらく、新たな「農」の可能性~農業は考える力を養う最高の教材

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「自産自消」の社会を志す農業ベンチャー、「マイファーム」

今回より、創業者である西辻一真氏の生い立ちをご紹介しながら、

マイファームが目指す事業の中核に迫っていきたいと思います。

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■創業の背景にある、幼少期の原体験

京都で「マイファーム」という会社が誕生したのは2007年のことである。設立した当時、私は25歳。この会社は「耕作放棄地の再生」と「自分で作って自分で食べられる社会」を目指す、いわゆるベンチャー企業である。

 

そのマイファームの取組みを紹介する前に、農業を、土を愛してやまない自分の原点について述べるところから始めたい。

 

私の故郷は福井県である。生まれてから小学校に入るまでは坂井市三国町、それから大学進学までは福井市灯明寺町という所で過ごしてきた。

 

家の裏庭には母の家庭菜園があった。私は物心ついたころから母の野菜作りを手伝い、ダイコン・ニンジン・ミニトマト・サツマイモなどを教わりながら作っていた。小学生のころには、ただ母のやり方を真似るだけでは飽き足らず、より大きな野菜を作ってやろうという競争心も芽生えてきた。菜園を畝で分けて「自分の畑」を作り、子供なりに仮説を立て、さまざまな工夫をしたものだ。日当たりや水はけを考え、肥料の量を調整し…数か月後には結果が作物となって現れる。母の作ったものより大きく育ったもの、予想よりも実がつかなかったもの、腐ってダメになってしまったもの、さまざまだった。

 

マイファームの役員である谷則男さんから、後に「農業は考える力を養う最高の教材」という言葉を教わったが、まさにこの言葉の通り、私は体験を通して将来につながる「何か」を感覚的に身につけていたのかもしれない。

 

作物が育つには時間がかかる。人はそれを待つしかない。ただ、さまざまな工夫をしながら、その待つ時間を有意義なものにすることができるのである。夏は雑草が生えるのが早いので、雑草が種をこぼす前にこまめに取り除く。冬は土の温度が下がるので、稲わらを敷いておく。また植えている作物の虫除けになるので、別の匂いを発する植物、たとえばレモンバームなどを隣に植えておく、などなど。

 

こうした工夫をしなくても、種さえ蒔けば芽は出るものである。しかしそれでは収穫に至らなかったり、工夫した場合と比べて明らかに見劣りのする作物ができたり、結果においてはっきりとした差がつく。努力のプロセス、そして結果、すべてが目に見える形で現れるところが農業のおもしろさの一つであると思う。そして、それは小さな子供も夢中になるおもしろさなのだ。

 

 

 

投稿者 noublog : 2016年04月07日 List   

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