| メイン |

2011年10月08日

農から始まる日本の再生シリーズ プロローグ2~農がもつ他面的機能が日本を再生していく~

_MG_4775.JPG
前回の『農から始まる日本の再生シリーズ プロローグ1~再生の実現基盤を歴史に学ぶ~』では、今回の危機を契機に、日本における「生産」「認識・制度」「集団の統合原理」が今後どうなっていくのか、その仮説と追求のための問題意識を提示しました。
(前回の記事はもう読んで頂けましたか? 😀 )
前回の記事で、どのように農が再生されていくのかのイメージはある程度できたかと思いますが、一方で「農の再生がなぜ日本の再生につながるのか」はまだ残ったままです。
そこで今回は、シリーズのプロローグ第2弾として「農の再生がなぜ日本の再生につながるのか」、その仮説を、私達が根拠とした状況認識・仮説を引用し提示していきたいと思います。
続きへ行く前に、応援クリックを宜しくお願いします。

にほんブログ村 ライフスタイルブログへ


ありがとうございます 😛
 

●社会の役に立ちたい若者の増加
 1970年に豊かさが実現され、生存圧力が弛緩したことによって、私権(金・地位etc)圧力→私権欠乏も衰弱過程に入っていった。2000年には、衰弱し続けてきた私権欠乏そのものが空中分解していく。こうして、人々はもはや私権には収束することができなくなる(収束不全)。その一方で、生存圧力を脱した人々の充足志向・安定志向が、共認収束の大潮流を形成していく。この共認収束の潮流に導かれて、若者を中心にして「みんなの期待に応えたい」「社会の役に立ちたい」という思いを強め、課題収束が強まり続けている。
 
●本源集団の再生期待
 また、人々が私権には収束できなくなったことで、永い間社会を統合してきた私権収束→私権統合という統合軸が崩壊してゆく。これは、3000年に亙って社会を統合してきた私権原理が終焉の時を迎え、失われた本源性が再生されてゆく大きな可能性が開かれたことを意味している。そして、根源的な親和共認の充足、仲間共認の充足、集団を統合する課題共認や規範共認の充足、これら全てを包摂した本源集団の再生期待が高まっている。
 
●幻想価値から実質価値へ
 一方、物的需要が頭打ちとなった1970年以降、先進国は軒並み大量の国債を発行し、無理やり市場を拡大させてきた。その結果、世界中のマネーがだぶつき、世界経済全体がマネー経済→バクチ経済へと巻き込まれていった。しかし、2008年のアメリカ発金融危機によって世界経済全体がバブル崩壊の憂き目に合い、市場拡大の原動力となってきた幻想価値への懐疑を生み出し、人々は実質価値へと目を向け始めている。
誰にとっても必要不可欠な食糧を生み出す農は、実質価値を生み出す生産である加えて、「農の再生」は、食糧をアメリカに一極依存している現在の状況を突破する事にも繋がる集団全体の課題であり、みんなの期待に応える活動=広く社会の役に立つ活動である。
 農は、地域の人々や共に生産に関わる仲間との協働が不可欠で、多くの人々と共認充足が得られる。同時に、自然外圧に同化し、手を掛けて作物を育て収穫する過程には、自然との間でも期待に応え合い、一体となるような共認充足がある。自然圧力をはじめ様々な闘争圧力が働く農業共同体を創ることは、本源集団を再生していくことでもある。
 つまり「農」には、近年高まり続けてきた様々な期待や欠乏の全てを充たし、日本を再生させていく可能性がある。これが「農」が本来持っている多面的機能への期待感を生み、農を介して様々な可能性を実現していく取り組みが増え続けてきた究極の理由である。
 
※画像をクリックすると拡大されます
GRAND THEORY vol.9『農から始まる日本の再生』より

 
これは2009年に書かれたものですが、上記にあるような社会潮流の変化はこの3年でより強まり、顕著になってきています。
それに伴って農の持つ多面的機能への人々の期待感も高まってきていますが、もはや”作物を作るだけの農”や”期待感”に留まらず、あらゆる場面において「当事者としてどう実現していくか」と自らで考え実現していく時代になってきているのです。
 
前回の記事で挙げた集団の共同体化の事例(リンクリンクリンク)もまさに、当事者として実現していくという事例であり、こうした潮流は今後も加速していくことが考えられます。
今後、僕たち自身(そして記事を読んで頂いている皆さん)が、当事者として自らの手で農や日本の再生を実現していくために、過去それらがうまくいっていた時代(=歴史)に学ぶことでその時代の実現基盤を見出し、その実現基盤を基に「これからの時代でどう実現していけるか」を、現実的に、そして徹底的に追求していきます!
更に、追求していく中で新たな可能性・事実が明らかになれば、私達が事実を体系化しまとめているGRAND THEORYの中身も塗り重ね、よりみんなの役に立つものにしていけると考えています。
追求内容はまだまだ沢山ありますが、農や日本の再生を実現すべくみんなで徹底的に追求していきたいと思っています。
次回から始まる『農から始まる日本の再生シリーズ』本編をお楽しみに!
 
 
 
本稿で紹介したGRAND THEORY vol.9『農から始まる日本の再生はこちらでご購入頂けます。
%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%82%BB%E3%82%AA%EF%BC%99.jpg

投稿者 tibatosi : 2011年10月08日 List   

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.new-agriculture.com/blog/2011/10/1267.html/trackback

コメントしてください