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2012年11月27日

農からはじまる地域の再生~新しい生産集合体をどうつくるか?~12.「女が農業の業態革命の流れをつくりだす」

みなさんこんにちは 😀 農からはじまる地域の再生シリーズも今回で12回目を迎えました。前回の記事では、農業分野に於ける女性のいままでの役割と現状、そしてこれからどうやって女性を活かしていったらいいかを追究しました
70年代まで、大量生産・大量消費が当たり前の農業でしたが、近年、直売所や農家レストランを立ち上げ、活躍する女性たちが目立ってきています
今回は、女性ならではのアイディアや取り組みをしている事例の紹介とその事例の中から女性が持つ可能性を探ってみたいと思います
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以下、「アグリ・コミュニティビジネス~農山村力×交流力でつむぐ幸せな社会~」山和田順子:著より引用します。

1.限界集落を女性パワーで‘源快集楽‘に!~キノコハウス・西会津ローカルフレンズ~の事例
40代後半で新規就農~美術教師からきのこ農家へ転身~
福島県西会津町で「キノコハウス」を夫婦で営む佐藤昭子さん(54歳)は、東京生まれの東京育ち、埼玉県の中学校で美術を教えていたという。9年前に夫の両親が70代後半と高齢になり、故郷である西会津に家族で移住することを決意したそうだ。西会津も過疎・高齢化が進む農山村の典型だ。人口は8千人弱、高齢化率41.7%。昭子さんが住む奥川地区は高齢化率53%の限界集落だ。
キノコハウスの設立
佐藤夫婦は何を作ろうかと考えた末、ハウスで菌床椎茸栽培を始めることにした。昭子さんはまず地元で「キノコはいかがですか~」と売り歩いた。屋号は「キノコハウス」。そして3年目からは東北や北海道の百貨店やホテルの物産展に出展して販売するようになった。ホームページを作り、多くの研修会に参加して、農業やマーケティングのスキルを身に着けていった。そして、地道な努力が実を結び、佐藤さんの椎茸は市場で“特”と評価されるまでになっていた。
椎茸栽培だけでなく、椎茸と地元のスギナやドクダミを材料にした「椎茸野草茶」や特産の旬の果物をデザートジャムにした「會‘sコンフィチュール」など、次々に加工品の商品開発も行っている。佐藤さんは、「この西会津には素晴らしい生産者と美味しい果物や野菜が溢れてる、そんな生産者の想いと西会津のものを手軽に、美味しくたくさんの人に食べてもらいたかった。」と語る。
身(み)不知(しらず)柿(かき)、真(ま)渡(わた)瓜(うり)、高田梅、小菊(こぎく)南瓜(かぼちゃ)のコンフィチュールなど珍しいものが少なくない。今では数名の研修生も預かり、キノコハウスの売上は1千万円を超え、株式会社に法人化した。「限界集落は“源快集楽”ここは源流地域。快さの源、楽しみが集まってくるところですよ」とは昭子さんの口癖だ。
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西会津を活性化する「西会津ローカルフレンズ」の誕生
「4年間、無我夢中で走ってきました。でも、ふと周りを見渡すと地域には元気がないんです。地域を元気にするにはどうしたら良いのだろうと、考えるようになりました」と昭子さん。そんな矢先、起業セミナーで出会った地域の女性たちも自分と同じ気持ちだったと知り、「西会津ローカルフレンズ」がうまれたという。周りにも声をかけ、次第に、夫や男性たちも会合に参加して、会の活動にも幅が出てきた。2008年には、ヘルスツーリズムイベントやメンバー各自がそれぞれの技を活かした農産物や加工品を詰め合わせた「西会津発うめぇ~宅配便」の販売を開始した。
当初は勉強会やイベント等、次々企画する昭子さんに対して、地域の人たちはいわゆる“変わったヨソ者”として見ていたが、だんだんと巻き込まれ、いつしか「やんべやんべ」と自らも自発的に色々なアイディアを出すようになっていった。その一つがこの宅配便だったのだ。春夏秋冬、野菜や手づくり加工食品をはじめ、毎回添えられる麦穂・稲穂・マンサクの花などの“季節のおすそ分け”が嬉しい。
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都市農村交流ツアー「開墾&晩秋の山里・暮らし体験ツアー」
そんな思いが、都市農村交流ツアーとなり。2009年に開墾&晩秋の山里・暮らしツアーが実施された。東京や郡山市など都市部から人を呼んで、耕作放棄地の開墾や、暮らし体験ツアーを行うという。
「いやあ驚きました。都会の人はなんでこんなことに感激するんだろうって。私たちが毎日やっていることなんですけどね」というのは三瓶純一さん。三瓶純一さんが増富の開墾ツアーで披露した技は、長年培ってきた農作業関連のスキル。だからプロそのもので、そのあざやかなロープワークや鍬の使い方に、都会から参加した男性陣は脱同。いつしか三瓶師匠と呼ぶようになっていた。
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都会生活者を驚かせ、喜ばせるツボを心得た
西会津のように、高齢化が40%ほどの所には、50代、60代の若手がまだ多いので農業や兼業農家をしながら、こうした活動に取り組むことは十分可能である。最近では、女性たちに影響を受けた男性たちまで、次々と競うようにアイディアを出すようになってきた。
西会津のローカルフレンズの皆さんは、都市部生活者をおどろかせ、わくわくさせ、喜ばせるツボを心得たのである。それが、昭子さんが言う“源快集楽”たる由縁かもしれない。

以上が、もともとは美術教師だった佐藤昭子さんがキノコ農家へ転身したあと行った様々な活動内容です
まず、都会から限界集落へ移り住み、農家をはじようと思い切れる事がすごい そして、やったこともない営業から商品開発、最近では地域活性化のための活動にも取り組んでいます。佐藤さんのような、女性が活躍して地域を盛り上げる事例は多数存在します。
そもそも、女性ってなんでそうゆうことが得意なのでしょう 🙄 ?
2、女性が持つ能力~肯定性・応合性・柔軟性~
それは、女性なら誰しもがもつ能力に秘訣がありました
以下、るいネット投稿「いい女の条件「肯定性」「応合性」「柔軟性」は奥が深いです」から引用します

男性にはできない、女性にしかできないことがあるんですけど、何かわかりますか?そう、出産・子育てですね。人類の赤ん坊は未熟児として生まれます。他の哺乳類と違って生まれてしばらくは何もできません。そんな何もできない赤ん坊を否定する母親なんていませんよね?できなくて当然の赤ん坊を受け入れる母性=肯定性が女には備わっているんです。
また、赤ん坊は話すことができませんが、その赤ん坊の期待を読み取ることができる能力が応合性。だから母親は気配り上手ですよね。
最後に柔軟性。妊娠、出産、子育てと目まぐるしく変わる環境の変化にも適応できるように女の体・心は柔軟にできているんです。
つまり、これらは、実は女性ならだれでも持っている能力なんです。

なるほど!女性には「肯定性」「応合性」「柔軟性」という3つの能力が元々備わっているんですね。では、佐藤さんの場合どうでしょう?事例を振り返りながら見ていきましょう。
肯定性
佐藤さんの場合、この肯定性が高いために、限界集落のある地域、そしてそこに住む人々をすべてありのまま受け入れることができたのでしょう
応合性
応えて、合わせるという意味です。「肯定性」で捉えた、相手や周りの人たちの「期待」に応えていくこと。応えたら、評価が返ってくる。(感謝などの)評価があったら嬉しくて、充足できますよね。だから、「肯定性」が高い人ほど、多くの期待を捉えやすく、充足の幅も広がるのです 佐藤さんも「會‘sコンフィチュール」を作ったのは、「この西会津には素晴らしい生産者と美味しい果物や野菜が溢れてる、そんな生産者の想いと西会津のものを手軽に、美味しくたくさんの人に食べてもらいたかった。」からだと語っているように、自分の利益ではなく、どうしたら周りの期待に応えていけるか、考え、動いていたのです。同じくキノコハウスの加工品である「椎茸野草茶」も、つくるきっかけとなったのは自分の母親やお客さんの健康のために作ったそうです
柔軟性
そうやって、色んなことを肯定的に受け入れて、ドンドン期待に応合していけば、どんな状況でも、楽しめるようになっていく。いろんなことを吸収していけるのです
ホームページを立ち上げ、マーケティングの勉強をして、やったこともない営業も行える。ついには地域を巻き込んでイベントや宅配企画、交流ツアーなども企画するなど、佐藤さんの活動の幅は止まることを知りません。佐藤さんは自身のブログで「30年かかっても地域を活性化させたい、だから私がやれることがあればなんでもやりたい、課題が見えた人がやるしかないんです。問題はたくさんありますが」とも語っています。

3、女性のもつ今後の役割とは?

ここ10年で女性の企業率は1.4倍にも膨らんでおり、その中身は加工品を使っての直売所づくり、共同の保育所をつくるなど、どれも地域や社会が抱える課題を解決しようと取り組まれているものが多いように思えます 😀
また、佐藤さんが過疎化した地域の現状を見て、起業セミナーで出会った女性たちと「西会津ローカルフレンズ」を作ったように、いまや『女性共認+課題収束』を女性たちが始めています。そして、実際に、周囲の男のひとたちを始め、地域の人々みんなが佐藤さんたちの活動に巻き込まれ、地域活性の活動に取り組むようになりました
前回の記事にもあるように、私権が衰弱すると、私権の強制圧力から最も遠い位置にあった女性だからこそ、私権から共認へという時代の転換期を敏感に感じ取ることができたのです。言い換えれば、本源的なもの、いわゆるかつての集団内にあった共認充足こそ大衆が潜在的にもとめているものだと感じとり、それに答える新しい業態を自分達でつくりあげてきたのです
つまり、女性が「社会(みんな)の期待を捉える」⇒「女性たちの課題収束」⇒「充足可能性の発信・実践」の流れを創り出していったのです 😀
「女が社会の流れを変える」それが今後の期待され役割ではないでしょうか
さて、次回は都市と農村が繋がることでどんな可能性があるのか?!都市の人たちの意識に迫りたいと思います!
参考投稿一覧
「転換期の女たち」
「「女+課題収束」が共同体再生の足がかり」

投稿者 staff : 2012年11月27日 List   

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