| メイン |

2020年10月22日

新・兼業農家論2~有機的なつながりの中で生きる

”新・兼業農家とは?”

と問われれば、それは

農的な暮らしを真ん中において、
あらゆる活動を有機的につないでいく生き方。

農の再生を後押しする、大きな潮流になるか。

以下、転載(「ビジネスパーソンの新・兼業農家論」2020著:井本喜久)

にほんブログ村 ライフスタイルブログへ

今、全国の農村では担い手不足が年々深刻化し、僕の故郷・田万里の集落もこのままだと、あと5年もすると崩壊してしまう危機に瀕している。こんな状況の中、今いる高齢者たちの農家に「変わろう!」って言うのは難しいし、かといって「若者なら誰でもいいから新規就農しよう!」なんて言えない。
今、農村に不在なのは地域をマネジメントできる人材なんだと思う。これからの未来、真の地域活性を実現させるためには、もっと地域のことや暮らしのこと、商いのことなどを全般的に考え、語り、行動していける人たちが増えることが大切で、そういった若者たちが地域に片足でも突っ込み始めてくれたら、めちゃめちゃオモシロいことが起こり出すんじゃないかな。と考える。
僕は何も「今地域が大変だから、優秀な人材に集まってほしい」と言ってるのではなく、伝えたいのはむしろまるっきり逆で、「今、地域がチャンスだらけだから、オモシロ人生を歩みたい人は集まれ~!」なのだ。

 

■見直される食の大切さ
フランスでは政府がコロナショックにより仕事がなくなった労働者に対し、夏が近づくにつれて労働力の確保が急務となっている栽培農家や畜産農家で働くことを呼び掛けたところ、なんと20万人以上から応募があったという。
このニュースから見えるのは、「健康」ということについて今ほど世界中の人たちが”同時に意識”したことはかつてないだろうということ。
そして、人間が暮らしていくために必要な衣食住のうち「もっとも大切なのは食なんだ」ということを人々が本能的に理解しているということ。人類が猿から進化していく過程で常に必要だったものは食であり、衣も住もずっと後から取り入れたものだ。そう考えると、どんな危機に見舞われようとも食がなければ生きていけない。その食の源を生み出すのが農なのだ。何を食べるかがどう生きるかにつながっている。

 

■人間社会は「有機的」につながっている
これからの兼業農家は単に複数のことを別々にやるのではなくて、複数のことを「有機的」につなげながら展開できることが大切なんだと思う。しかし、有機的というのは一体なんだろうか。有機野菜や有機栽培、有機JAS、農の世界にはとても頻繁に流通する言葉なのだが。改めて辞書で調べた意味を要約すると…

【有機的】
有機とは、生命力を有すること。
有機的というのは有機体のように、多くの部分から成り立ちながらも、各部分の間に密接な関連や統一があり、全体としてうまくまとまっているさま。

なのだそうだ。

今、世界では毎年、有機農作物の生産量が急速に増え続けている。2020年2月12日、ドイツ・ニュルンベルクで開催された、世界最大規模のオーガニック専門展示会「BIOFACH」のタイミングで公開されたデータによると、現在、世界全体の有機農業取組面積は7150万ha(日本の国土の約2倍)で、これは前年に比べると202万haも増加(前年比2.9%増)したことになる。有機農業生産者数は約280万人。これは2009年から比べてみると55%も増加していることになる。
ただ、日本における有機農地占有率は0.2%で、世界109位のオーガニック後進国になっている。

なぜ、世界ではオーガニック(有機)化が進んでいるのだろうか。
理由は、健康志向が高まっているからなのだが、それと合わせて「命の循環」が大切だということに人類が気づき始めているからだ。と思う。命の循環とは、動物が食べたものが排泄されて虫や微生物たちと共鳴して土にもどり、その土の中に落ちた種から芽が出て太陽や雨から必要なエネルギーをもらいながら植物が育ち、またそれを他の動物が食べて、を繰り返していく。これは大きな自然環境の中ではほんの一部の循環の例でしかないのだが、実は僕ら人間社会でも全ては有機的につながっている。

 

■あらゆる興味を、無理ない範囲で、同時に動かす
それは食だけの話ではなく、働き方においても同じことが言える。
自然と共にある農的暮らしを真ん中において、商売も社会課題解決への取り組みも、自らが興味を抱くあらゆる活動全てを有機的につなげて動かしていく。これこそが新・兼業農家である。
しかも、新・兼業農家としてやっていくさまざまな商売や社会活動は、自然環境に負荷をかけないで小さなエネルギーでやっていけるとなおいい。大きな資本を投下して、巨大な設備を入れて大量生産・大量消費の言語に乗っかっていくのではなく、無理ない範囲のことを自由につなげて動かしていく。そうすると、一つひとつの動きは小粒でも、全部つなげてみると最強なものになる。
この小粒な力をいっぱい集めることがとても重要だと僕はつくづく思う。

投稿者 noublog : 2020年10月22日 List   

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.new-agriculture.com/blog/2020/10/4612.html/trackback

コメントしてください

*