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2016年01月26日

コミュニティビジネスがひらく、新たな「農」の可能性~「空と土プロジェクト」がもたらした、都市と農村の新たなつながり

 

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前回記事はこちら→コミュニティビジネスがひらく、新たな「農」の可能性~企業が抱える課題に照準を合わせ、「農」の価値を再構築する

 

企業が抱える様々な課題に照準を合わせ、「農」の価値を”再構築する”ことで形づくられていった「企業ファーム」事業。

今回は、これら具体的な事例の一つである「空と土プロジェクト」をご紹介していきます。

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■農村と企業をつなぐ~三菱地所グループの「空と土プロジェクト」

 2011年2月、純米酒「丸の内」の新酒お披露目バスツアーが開かれた。ツアーの目的地は、純米酒丸の内を仕込んだ山梨県の酒蔵・萬屋醸造店。参加者は、原料になる酒米の田植えや稲刈りの体験に参加した方を中心に東京から約40人。なかには東京丸の内などですし店を営む経営者の方もいた。このすし店では2011年から、純米酒「丸の内」を出して頂いている。萬屋醸造店に到着後、まずは酒蔵の見学。日本酒の醸造過程の説明を、酒蔵を見ながら聞いていただいた。その後、いよいよその年の「丸の内」のお披露目となった。参加者自らが酒米の田植えや稲刈りに関わってできた日本酒だけに、みなさん感慨深げに試飲していた。「うちの『丸の内』はうまいよね」などと、お互いに笑顔で話しながら。

 

原料になる酒米は、農薬を使わずに栽培した。その酒米から2012年は3800本の純米酒「丸の内」が誕生したのだ。酒米を栽培する際、田植え、稲刈りの時には、丸の内エリアで働く、とくに日本酒が好きな人たちにバスツアーに参加いただき、体験をしてもらった。こうしてできた純米酒「丸の内」は、先ほど紹介したすし店の他、丸の内付近の店舗、レストランなどで出されることになり、好評のうちに約1ヶ月ほどで完売となる人気商品となった。

 

この純米酒「丸の内」プロジェクトは、「えがおつなげて」が三菱地所グループと連携して進めている、都市と農村をつなぐCSR活動「空と土プロジェクト」の一つである。このプロジェクトを通じて、農村側で耕作放棄地となっていた棚田などの活用が始まっただけでなく、純米酒「丸の内」という新たなブランド商品が開発され、酒米を栽培する増富の住民や、日本酒を醸造して頂いた酒蔵との交流も始まった。一方、都市側の丸の内では、この日本酒を出して頂く店舗やレストラン、丸の内で働く人々との交流も広がっていったのである。

 

耕作放棄地で展開される一連の農作業が、企業にとって意味のある「新たな価値」として再認識されていく。

こうして始まった「空と土プロジェクト」は、さらに様々な人々を巻き込みながら、都市と農村に新たなつながりをもたらしていきます。

 

 さらに三菱地所グループでは、増富地域の耕作放棄地を利用した交流プロジェクトを拡大し、三菱地所グループにて分譲・管理するマンション・戸建の契約者らのために田植えや稲刈り、野菜の収穫などの農業体験ツアーを実施している。

 

このツアーは、毎回抽選で参加者を決めるほど、とても人気のツアーだ。自然や土に接する機会が少なくなってきている首都圏に暮らす人々にとってこのツアーは、しばし自然や土に触れることのできる憩いの機会となっているのかもしれない。参加者からは、「子供が、泥やカエルを触れるようになっていて、とてもいい経験だった」「土と太陽のありがたさを改めて感じることができた」「地域の人と交流ができたことが良かった」といった感想が毎回のようにあがっている。

 

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投稿者 noublog : 2016年01月26日 List   

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