2018年4月24日
2018年04月24日
グリーンインフラとは何か?
昨今、グリーンインフラという言葉が、建築・土木業界を中心に浸透しつつありますが、どういう概念なのでしょうか?
今回は、そもそもグリーンインフラとは何か?そしてグリーンインフラと農業の関係について追求していきたいと思います。
グリーンインフラとは?
グリーンインフラ研究会【リンク】の中村委員長の「ごあいさつ」からの引用です。
「自然の恩恵」が持つ可能性を追求し、様々な社会的課題の解決をめざして
南北に長く連なり、起伏に富んだ地形や、国土の大半を占める森林、多様な動植物を育む豊かな生態系-。わが国では、はるか昔から生活の中に「自然の恩恵」を柔軟に取り入れてきた歴史があります。こうした自然力を積極的かつ、有効に活用する社会資本整備や土地利用、防災などの取り組みを「グリーンインフラストラクチャ―(グリーンインフラ)」と呼びます。私たちは、人口減少や気候変動など社会的・自然的な条件が大きく変わろうとする今、わが国の社会的課題の解決に向けて、グリーンインフラの「可能性」を追求します。そして、行政、企業、大学、市民団体等との協働のもと、様々な研究や提言を進めてまいります。
以上、グリーンインフラ研究会運営委員委員長 北海道大学教授 中村太士
ポイントは、
「自然力を積極的かつ、有効に活用する社会資本整備や土地利用、防災などの取り組み」となります。
では、具体的にどのような取り組みがななれているか?参考事例を見てみましょう。
鹿島建設さんのHPからの事例【リンク5】です。
■屋上水田
都市部で整備されている市民農園の数は年々増加し、特に人口密度の高い地域でのニーズが高まってきています。しかし、菜園と比較して体験型の水田はほとんど整備されておらず、市民が稲作に関わる機会は非常に限定的となっています。鹿島は都市部のビル屋上を利用する屋上水田の提案を進めています。多くの人の目に触れる場所に水田を整備することで、トンボやメダカなど多様な生き物を観察することができます。また、農的景観を再生し稲作参加者間のコミュニケーションの場として屋上空間を有効に活用できます。さらに、ビル内の温熱環境改善、雨水の有効利用なども可能となります。
~中略~
ビル屋上などにある水田は、防水層を痛めるリスクがあるため機械を用いる作業の実施が困難であり、また、稲の刈り株などのゴミの処理が課題となります。鹿島はNPO法人雨読晴耕村舎と連携し、不耕起稲作と呼ばれる栽培手法を採用しました。これにより、代掻きなどの耕転を必要とせず、また刈り株などの廃棄物が発生しない維持管理が可能となりました。冬期は緑肥としてレンゲを播種し、水田からの土の飛散を防止するとともに、昔懐かしい農村景観を再現しています。
■稲作体験教室(屋上水田)
機械や化学肥料を使わず、レンゲを活用した昔ながらの農法を体験し、食料生産の場であり、生き物の棲み家でもある水田の多面的な機能を学習します。食への関心、身近な自然環境への関心を引き出すことに加え、共同で行う農作業の中で、様々な職能・立場の人とのコミュニケーションを通して、地域社会とのつながりを学ぶことができます。
以上転載終了
この事例では、都会の真ん中で農業ができるという事です。単に作物の収穫という事では無く、農を通じて自然も人も新しい関係で繋がっていきます。さて次回は、他の事例を取り上げてみましょう。
投稿者 noublog : 2018年04月24日 Tweet