『微生物・乳酸菌関連の事業化に向けて』-10 ~既存事業1-8 水産~ |
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2015年10月15日
『微生物・乳酸菌関連の事業化に向けて』-11 ~『私の仕事は微生物がやっている仕事をいただいたもの』~
こんにちは。
今日は『微生物』の可能性を社会に知らしめた出来事を、コラムとして紹介します。
既にみなさんご存知のように、ノーベル医学生理学賞を受賞した大村教授。そのインタビューで発せられた言葉が冒頭のタイトルにつけた『私の仕事は微生物がやっている仕事をいただいたもの』
人一倍失敗を重ね、自分のことより人の役に立つことだけを考えている大村教授のインタービューの抜粋を、るいネット記事(こちら)から引用してお伝えします。
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■微生物の仕事をいただいた
2015年のノーベル医学生理学賞の受賞が決まった大村智(さとし)北里大特別栄誉教授(80)が5日夜、東京都港区の北里大学で会見した。「私の仕事は微生物がやっている仕事をいただいたもの。私自身がこんな賞をいただいていいのかな」と受賞の喜びを語った。主な一問一答は以下の通り。【デジタル報道センター】
◆(大村さん、以下略)きょうはありがとうございます。きょうは午後4時半に家に帰ろうとしたら秘書に止められ、「何かあったかな?」と思ったら、このような運びとなりました。秘書には予感があったのかもしれません。私の仕事は微生物がやっている仕事をいただいたもので、私自身がこんな賞をいただいていいのかなと思います。皆さんはいろいろと賞をくださいましたが、私自身は微生物の仕事だと思っています。これからも若い人たちが仕事を続けて、こういう仕事をしてくれるのではないかと思います。
日本は微生物をうまく使いこなしてきた歴史があります。食料にしても農業生産にしても微生物のことをよく知って、人のため、世の中のためにやってきたという歴史がある。そのような環境に生まれたことは良かったと思います。このような賞(ノーベル賞)に恵まれたのは、そのような先輩の中で仕事ができたということもあると思います。もう一つは本学の創設者の北里柴三郎先生の「人のために仕事をしなければならない」という精神です。私も微生物が「何とか役に立たないか」と思ってやってきました。
皆さんの前に立つなら、もっとちゃんとした格好で、もっといいネクタイで立てばよかった(笑い)。
--(会見中に安倍晋三首相からお祝いの電話があり、終わった後)安倍首相の電話の内容は?
◆若い人たちにも、私のような研究をする後継者が生まれるようにお願いしますと伝えました。
--どなたに喜びを伝えたいか?
◆研究者として一番大切な時に支えてくれた、亡くなった妻・文子に伝えたいです。何より喜んでくれると思います。
--座右の銘は?
◆母は小学校の先生で、忙しくて(子供の)面倒を見られないことも多かったのですが、祖母から「人のためになることをしなさい」と言われました。分かれ道に立った時は、それを基準に考えてきました。
--「人と同じことをやっていてはダメだ」とのお考えとうかがったが。
◆私は人まねはしません。まねをするとそこで終わり。私は高校、大学とスキーばかりやっていました。
国体選手にもなりました。ある時、新潟の先輩から聞きました。北海道に何度も行って練習してきたけれど、勝てないと。そこで指導教授が「北海道に行くのはもうやめ」と言いだし、自分たちで練習するようになった。すると、国体で優勝した。そういう話を聞いて、自然科学も一緒だと考えました。人のまねをやっていては人を超えられない。まねをしたら超えられないというのは学生時代からずっと思っています。
次に、少し研究の内容にも触れておきます。(こちらから抜粋して紹介)
◆伊東市の土に、アベルメクチンを作る細菌が住んでいた
この研究の当時、寄生虫を駆除する薬が研究されていましたが、効果が見られた物質は限られていました。研究班は、静岡県伊東市の土から見つかった「ストレプトミセス・アベルミチリス」という放線菌の一種から作られる物質が、それまでに知られていた物質とは違ったメカニズムで、寄生虫を殺す作用を持っていることを発見しました。詳しい分析の結果、作用する物質群が特定され、アベルメクチンと名付けられました。
◆アベルメクチンの研究とその後
アベルメクチンは、実験的に線虫に感染させたヒツジやウシなどの動物に与えると、95%以上を駆除する効果を示しました。
この論文では、アベルメクチンの分子構造や、ストレプトミセス・アベルミチリスの顕微鏡像などの生物学的特徴、菌がアベルメクチンを作り出すのに適した培養条件などが報告されています。
この研究以後、アベルメクチンをもとにイベルメクチンが開発され、寄生虫の感染によって起こる糞線虫症、オンコセルカ症、リンパ系フィラリア症などの治療に使われるようになりました。ヒゼンダニの寄生によって起こる疥癬の治療にも使われます。
WHOによれば、「[…]公衆衛生の問題としてのオンコセルカ症を撲滅するために、流行のある地域に住む全人口の65%が毎年イベルメクチンを使用する必要がある」とされています。(上記出典:こちら)
===紹介は以上です===
みなさん、いかがでしたか?
大村教授の謙虚な姿勢や実践派の確信とともに、日本の生活と古来強く結びついていた『微生物』の素晴らしさが広まったことと思います。
このような社会的な注目を励みにして、継続して『微生物の可能性』を探っていきたいと思います。
投稿者 noublog : 2015年10月15日 TweetList
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