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【日本の漁業はどこに向かうのか】プロローグ~日本と世界の漁業構造はどのように変わってきたのか、これからの漁業はどうなっていくのか?~

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※画像はこちら [2]からお借りしました

新シリーズとして「日本の漁業はどこに向かうのか」シリーズをはじめていきます!

日本は島国であり、縄文時代の遺跡からは釣り針や銛などが発見されており、貝や魚など水産物を食べて生活してきました。
現代でも日本における一人あたりの魚介類の消費量は世界で6番目に多く、世界平均の7倍以上となっており、漁業と食文化は密接に関わっています。

本シリーズでは、日本の漁業、そして世界の漁業を取巻く構造を追求し、これからの漁業の可能性を探っていきたいと思います。

◆日本の漁業は衰退の一途を辿っている?

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※画像はこちら [4]からお借りしました

日本の漁獲量は1984年をピークに2020年までの間に3分の1まで減少し、416t(世界で8番目)にまで減ってきています。世界では多いとされている魚介類の消消費量も、2001年をピークに6割にまで減少し、国内における水産物の需要も減少の一途を辿ってきました。

そして、漁獲量の23%が養殖に頼っており、日本の沿岸・遠洋漁業は衰退の一途を辿り、需要の約5割を輸入に頼っているのが現状です。

日本における漁業の取巻く状況は戦後からどのように変化してきたのでしょうか?

 

◯拡大する世界の水産業界、中国は50年で9倍の消費量に

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※画像はこちら [4]からお借りしました

一方で世界における水産物の消費量、漁獲量はこの50年で2倍にまで増えてきました。そして、この50年の間に中国の一人あたりの消費量は約9倍にまで膨れ上がっています。
中国に限らず、韓国やインドネシアなどの消費量は4倍にまで上昇し、世界各国で水産物の消費量が増えていっています。

このことから世界の漁業を取巻く構造が大きく変化してきていると考えられます。

 

◯これからの追求の流れ

今回の「漁業シリーズ」では、歴史と現在の漁業の状況を追求し、日本と世界の漁業を取巻く構造の変化、これからの日本の漁業のあり方を見出していきたいと考えています。

今後は下記の流れで追求していきたいと思います。

「今後の流れ」
1.世界と日本の漁業の現状を数字で見る
2.日本の漁業の沿革―日本の漁業はどのように変化してきたのか―
3.明治以前と明治以降の漁業の状況①―技術の発展による沿岸から遠洋への変化―
4.明治以前と明治以降の漁業の状況②―遠洋漁業は日本の漁業をどのように変えたのか―
5.戦後の日本の漁業の変化―グローバル化は日本の漁業に何をもたらしたのか―
6.世界の漁業構造の変化―水産消費量の変化、漁業構造の変化―
7.世界の最先端の漁業
8.日本における新たな漁業の興り、日本の漁業はどこに向かうのか?

 

次回は、世界と日本の漁業の現状を数字で押さえ、いま漁業がどのような状況に置かれているのかを俯瞰していきます。

 

【参考サイト】
持続可能な漁業ってなに?世界と日本の海の現状 [4]
◯水産業の歴史(釧路市) [6]
◯漁業の取締りの歴史-漁業の取締りの変化を中心に-(東京水産振興会) [7]
◯養殖研究の歴史(近畿大学水産研究所) [8]
◯我が国の魚食文化を支えてきた漁業・漁村(水産庁) [9]
◯歴史からたどる漁業制度の変遷 その8-働く漁民への漁場の解放- [10]
◯戦後の日本漁業の歴史 その1 戦後しばらくの黄金時代 [11]
◯漁業の歴史 [12]
◯「我が国における資源・環境問題に関する経済分析―水産業を例に」 [13]

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