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農的社会10~急増するGM添加物

農に対する本質的な評価、期待が急速に高まってきている一方で、

経済効率偏重の判断は未だ横行している。

その多くは、コロナ禍の陰に隠れ、人知れず進行する。

 

以下、【急増するGM添加物 14品目が承認待ち】 [1]より引用

■急増するGM添加物 14品目が承認待ち
この数年、遺伝子組み換え添加物の承認件数が増えている。現在、承認済みの遺伝子組み換え添加物は45品目あり、昨年は4品目が、今年に入って1品目が承認されている。また、食品安全委員会に評価を諮問し評価待ちが14品目ある。日欧EPAの締結前後から急増している。

 

■厚労省 実績のないGM酵素を承認
厚労省は3月31日付けで、松谷化学工業の遺伝子組み換え大腸菌を使った酵素プシコースエピメラーゼをGM添加物として承認した。この酵素はフルクトースから希少糖の一種プシコースを製造するのに使用するという。通常、食品安全委員会の健康影響評価の決定から2、3か月で厚労省の承認となるが、このプシコースエピメラーゼは一年かかっている。これまでに使用実績はなく世界で初めて使用されることになる。

遺伝子組み換え大腸菌を使った酵素プシコースエピメラーゼは19年3月、食品安全委員会が、ヒトの健康を損なうおそれはなく、添加物として適切に使用されれば安全性に懸念がないとする健康影響評価を決定し、一日摂取許容量(ADI)の設定も不要とした。

この遺伝子組み換え添加物プシコースエピメラーゼは、松谷化学工業が開発し申請したもの。評価書によれば、このGM酵素は世界のどこでも評価されていないもので、当然、使用実績もないという。プシコースは、糖類の一種フルクトースに似た味や物性を備え、エネルギーはほぼゼロであり、食後の血糖上昇抑制作用を示すとされている。

評価書の記述によれば、この遺伝子組み換え添加物は、EUでは使用可能であるが使用実績はなく、酵素に関する独自の規制が実施されているフランスとデンマークでは使用できないとしている。また、オーストラリアとニュージーランドでは、法令上使用できないとしている。

 

■初のGM香料は「安全」として意見公募
食品安全委員会は4月に入って、相次いで遺伝子組み換え添加物の健康影響評価の決定に先立つ意見公募を始めた。一つは、承認されれば日本では初めてとなる遺伝子組み換え香料であり、もう一つはパンの製造に使用される遺伝子組み換え酵素である。

食品安全委員会は4月1日、日本で初めてとなる遺伝子組み換え微生物を使った香料バレンセンについて意見公募を始めた。締め切りは4月30日。このGM香料はBASFの関連会社が開発したもので、ジュース、チューインガムなどの飲食物に柑橘系の香りをつける目的で使用されるという。天然バレンセンは、オレンジ果実を圧搾し濃縮する過程で回収されるという。

公開された健康影響評価書では、「挿入遺伝子の安全性、挿入遺伝子から産生されるタンパク質の毒性、アレルギー誘発性等について確認した結果、従来の添加物と比較して新たに安全性を損なうおそれのある要因は認められなかった。 ヒトの健康を損なうおそれはない」としている。

このGMバレンセンの成分を天然バレンセンと比較したところ、天然バレンセンには含まれていない非有効成分が検出されたとしている。この非有効成分は、遺伝子組み換えで導入された「改変バレンセン合成酵素による副産物と推察された」というもの、どのような化合物であるかは確認しないまま、その推定摂取量がごくわずかであるから問題はないとしている。また、GMバレンセンの成分には遺伝毒性はないと判断している。

評価書によれば、その用途はジュースやチューイングガムなど子どもが多く食べる食品が想定されている。評価書からは、子どもへの影響を検討したようにはみえない。軽々しく「安全」というべきではない。

 

■パン用GM酵素も「安全」として意見公募
食品安全委員会は4月22日、ダニスコ社(米国)の遺伝子組み換え細菌を使った、パン製造用酵素エキソマルトテトラオヒドロラーゼについて「ヒトの健康を損なうおそれはない」とする評価書を取りまとめ、意見公募を始めた。締め切りは5月21日。

このGM酵素は、耐熱性があるグルコース分解酵素であり、製造工程でろ過されるため「安全性に問題のある物質が混入するとは考えにくい」としている。

 

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