現在、ネット上で入手できる知見を探索し、その可能性を探索してみたいと思います。
1)牧草や芝生の刈り取り、表層の漉き取りによる再生
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▲腐葉土 芝生の下の土 小石混じりの土の放射性核種の蓄積量(http://www.jcac.or.jp/lib/senryo_lib/tikuseki.pdf [2])
4月14日の測定によると、腐葉土と芝生の下の土では、ヨウ素は5cmまで、セシウムは2cmまで浸透しているが、2~5cmにおいては、セシウム134、136、137が検出されなかったそうだ。そのことから、芝生の下の土の放射濃度は1/10程度で、残りの9/10は芝生にあると考えられる、としている。それを踏まえ、
①腐葉土や芝生土壌では、表土を3センチも剥がせば放射性セシウムは除去できる。
②芝生にかなり集積している。芝生を根元から刈れば土の汚染は約10分の一に減らせる。
③今後生えてきた草を刈れば、土中のセシウムをさらに減らせる。
と森敏東大名誉教授はコメントしている。(http://moribin.blog114.fc2.com/blog-entry-1065.html [3])
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福島市内の小学校と保育所では、表土剥離がなされた(http://www.city.koriyama.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=23270 [4])が、その結果は以下の通り。
この事例の場合は、芝生除去で1/5に低減できた。
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宮城県南部の丸森町の町営牧場(1530ベクレル)と北部の大崎市の県営牧場(350ベクレル)で目安の1キログラム当たり300ベクレルを超える放射性セシウムが検出された。(http://www3.nhk.or.jp/news/genpatsu-fukushima/20110518/1940_miyagi.html [5])
牧草の土壌から葉へのセシウム137(Cs-137)移行係数(TF値)は0.14である。(http://moribin.blog114.fc2.com/blog-entry-1054.html [6])
直近の日本各地で検出され始めたこの牧草による生理現象を冷静に考えれば、「この牧草の特徴ある性質は、牧草がセシウム(Cs)のファイトレメデイエーション(植物による土壌からの汚染収奪)用植物に非常に向いている」ことを示している。
① 秋はヒマワリで収奪し、春に牧草で収奪するという輪作で、2-3年作付を行い、最後に牧草を根ごと引き抜く。
② 年中牧草で連作を行い、地上部を2-3年刈り取る作業を続けた後に、さいごに根ごと牧草を引き抜く。
などの作業で、土壌からの放射能の収奪を繰り返したらどうだろうか。(http://moribin.blog114.fc2.com/blog-entry-1086.html [7])
2)放射能汚染土壌からの除染対策は速ければ早いほどよい
農林水産省は5月6日に、放射性物質に汚染された農地や牧草地の土壌改良に、早ければ5月内に着手することを明らかにした。計画的避難区域に指定された福島県飯舘村などが候補地だ。表土の除去や土壌中の放射性物質を吸収するとされるヒマワリやナタネの栽培の実証実験を通じ、土を浄化する技術の確立をめざす。(朝日新聞:http://www.asahi.com/special/10005/TKY201105060447.html [8])
セシウム137(Cs-137)は、ある種の粘土鉱物のもつ負電荷に、Cs+はきわめて強く「固定」され、他の陽イオンによって簡単に置き換えることができなくなる。
反応はゆっくりと進行するが、一度Cs+がこの場所に固定されると引き剥がすことは容易ではない(前出:リンク)ので、放射能汚染土壌からの除染対策は速ければ早いほどよい(http://moribin.blog114.fc2.com/blog-entry-1067.html [9])
「山下らは、植物体の乾物量及び栽植密度(密植耐性)を考慮して単位面積当たりのCs収奪量を算出した結果、栽培植物においては、アマランサス、ヒマワリ、カキチシャ、タチスベリヒユが、野生植物においては、アオゲイトウ、ヒモゲイトウ、オオイヌタデがCs浄化用植物として可能性のあることを報告している。」(http://jssspn.jp/info/nuclear/cs-1.html [10])
チェルノブイリ原発事故で大量に放出されたCs(セシウム)137とSr(ストロンチウム)90という放射能を出す物質が土壌に含まれているナロジチでは、日本の「NPO(特定非営利活動法人)チェルノブイリ救援・中部」が『農業再生・菜の花サイクル』(http://www.chernobyl-chubu-jp.org/pg156.html [11])に取り組んでいる。Cs137とSr90は、水とくっつく性質を持っていて(水溶性) 、菜種から得られる油やバイオマスを発酵して得られるガスには入り込まない性質があるのを利用して、BDFやBGを作りエネルギーの自給もできるようにして農業再生を後押ししようとしている。
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飯山一郎氏は、畝間に蓬(よもぎ)を植えて、更に放射性物質の収奪を(http://grnba.com/iiyama/hikari.html [13])を提案している。上記フロー図に当てはめると、刈り取った蓬は、「バイオガス発行装置」に投入することになろう。
上図において、ナタネ油を抽出してディーゼル油として利用する経路と、バイオガス利用においては放射性物質を含まないが、『残渣』については放射性物質を含むので、管理処分を要する、というのがポイント。そのためには、最終処分地の確保と、その処分法の確立が不可欠。新たに浮上してくる課題を、どうする? ということの見込みが欲しい。
また、ヒマワリ栽培についても、同じようなサイクルを廻せるかもしれない。
つづく