10月8日エントリーの『食料問題の背後にある問題とは?』で扱ったとおり、食料問題の原因の一つとして考えられている、「人口増加」ですが、なぜ人口増加が起きるのか?について今回は考えてみたいと思います。
本題に行く前にまずはいつものやつをお願いいたします。
人口増が環境破壊の原因の基底部にあるが、では何故人口が増大するのかを、データから分析してみたい。リンク [2]
まず①縄文時代から弥生時代にかけて急速に人口が増大している。②それ以降1600年まで、緩やかにしか人口は増大していない。③16C~17Cにかけて人口が約2.5倍に増大④江戸末期より人口急増
以上は日本のデータだが、世界的にも灌漑農耕が始まった約6500年前より人口が急増し、市場時代に突入した19世紀から同じく、人口は急増していることが確かめられる。
一般的には人口の増大は、農業革命や工業革命などの生産力の増大によってもたらされたとされている。しかし「何故農業革命や工業革命が必要とされたのか?」については全く触れられておらず、人口増の原因説明としては極めて不十分である。
人口増加は生産力の増大と密接な関係があるらしい。
結論からいえば私は、人口増は私権収束が原因ではないかと考える。
では何故農業革命が必要とされたのか?とりわけ生産力の大きな上昇をもたらしたのは、灌漑農耕や水田農耕など土木事業が必要とされる様式であるが、これは世界的には6,500年前日本では弥生時代と同類闘争圧力=戦争の開始と、ほぼ期を一にしている。
つまり、同類圧力に対応する為=集団を強化する為に人口増大を必要としたと解釈できる。そしてこの同類圧力=戦争をもたらしたの原因となったのは集団の私権集団化である。
その後私有権が共認され、大家族(一族)が私権追求の単位となってゆくが、同時に社会は序列原理で統合されることで私権追求は封印されてゆく。これが古代から中世にかけて、さほど人口の増大をもたらさなかった要因だろう。
そして、市場時代となって万人に私権追求の可能性が開かれ、物欲や快美欠乏も開放される。これが工業革命を必要とした理由であり、同時に急激な人口増大をもたらした要因でもある。私権収束が人口増をもたらすのは、村落共同体や家父長制大家族が解体され、一対家族が私権追求の主体となるためで、全く集団の制約が働かなくなる為と考えられる。
(その一部をなすのが、16世紀から17世紀における日本の人口の増大現象で、これは市場取引の拡大によって各藩が蓄財競争を行い、そのために開拓が必要とされたこと、農民層においても、それまでは長子だけが田畑を持て、妻帯できたのが次男以降にもそれが認められたこと、つまり分家が認められ一定私権追求の可能性が開かれた事によると思われる。)
以上が人口増の原因を私権収束とみる根拠である。
そして、その観点に立てば、21世紀に入って人口減少時代へと転換したのは私権に収束できなくなり、収束不全を迎えた事が原因と言う事になる。
上記の投稿で農業革命を引き起こした根本原因である『集団の私権集団化』という視点は非常に重要だと思う。
一般的に人口増加の原因としては、『生産力の転換(採取生産⇒農業生産⇒工業生産⇒意識生産)』が言われるが、
各時代で生産力の転換を引き起こしたのは『人々の私権収束』であり、この私権収束の可能性が高まるほど人口は急カーブを描いて増加していく。
また現代日本においては、生存圧力を克服し、私権に収束できなくなくなった→人口減少社会に突入したということがこの因果関係を証明している。
