こんにちわちわわです。
農協シリーズ第2弾>!「高関税、高価格維持は農協の経営のため」をお送りします。山下一仁著「農協の大罪」より要約です。
汚染米の事件は記憶に新しいところ。
米粉加工会社「三笠フーズ」による工業用の汚染米を不正転売、横流しした事件である。工業用の糊として売却するとトン当たり1万円程度だが、焼酎、あられ、せんべいなどの加工用途だと7万円、食用なら25万円~35万円で売却できる。
農水省の販売・検査の不備も次から次へと発覚し、マスコミからは横流し企業との癒着の疑いさえ指摘されている。
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【ミニマムアクセス米とは】
この問題を起こした米は「ミニマムアクセス米」と呼ばれる輸入米である。ミニマムアクセス米とは1993年GATTウルグアイラウンド合意で、米について関税化の特例措置をとって輸入数量制限を維持した代償として、また、その後の99年に関税化に移行し、輸入禁止的な778%という高い関税を設定したことの代償として、日本が消費量の8%に当たる77万トンを低い関税率で輸入するとWTOに約束しているものだ。
これは本来、輸入機会の提供であって義務ではない。
しかし、民間企業による輸入ではなく、農水省という国家貿易機関が輸入するので、国が約束したものを国が輸入する以上義務であるという理解の上全量が輸入されている。
日本政府はミニマムアクセスの制度を受け入れるに当たり、国内の需要、すなわち国内米の生産には影響を与えないという閣議了解を行なった。
このためミニマムアクセス米を輸入しても、国内市場とは隔離し、輸入量の大半を海外への食糧援助用などとして保管している。
しかし、食糧援助では、海外の要請がなければ保管分を売却できない。したがって、その時まで長期保管せざるをえない。ピーク時の在庫はミニマムアクセスの年間輸入量の3倍程度203万トンに膨れ上がった。しかも国産米は玄米で流通、備蓄されているのに対して、国際的に流通している米は精米の形態である。本来ただちに食べるべき米を輸入し、かつ長期保管しているのである。カビがはえるのも当然だろう。
さらにミニマムアクセスには膨大な財政負担が生じる。毎年トン当たり1万円の保管費用がかかるので、100万トンの在庫があれば、保管費用だけで財政負担は年間100億円になる。売却損益も入れれば95年から06年までで716億円の財政負担がかかっている。これは何の役にも立たないムダな金だ。
このミニマムアクセス米は2001年から交渉が続いているWTOドーハラウンドでは、恐ろしいことに政府はさらに5%上乗せし、120万トン以上に拡大する方向で交渉を進めているのである。
【それは何故か?】
800%近い関税の削減を最小限にとどめ、高い関税を維持したいからである。すなわち、国内の高い米価を維持したいからである。
【高い米価は誰のため、何のために必要なのか?】
それは農協にとって米価が高ければ販売手数料も高くなるし、肥料や農薬も高く売れ、また、手数料も稼げるからである。
【高い米価は何で維持されているのか?】
それは水田の4割で米を作らないという減反によってである。これは市場への供給制限をしたり高い価格を維持したりする行為であり、本来ならば独占禁止法で禁止されている行為である。
政府は毎年2000億円、累計で7兆円にも上る補助金というアメを出して農家を減反に参加させている。もっとも補助金を負担するのは納税者でり、納税者の負担によって高米価を実現し、消費者の負担を高めているのだ。
高米価で農家所得を維持するという戦後農政の行き着いた先の矛盾や破綻がミニマムアクセス汚染米という形で表出したのである。
しかし、現在、海外の米の値段が上がったことから、内外価格差は大幅に縮小している。減反で維持されている国産米の価格は60kg当たり1万4千円。それに対して輸入されている中国産米は1万円だ。すでに800%もの高い関税など必要なくなっている。50%もあれば充分なのである。加えて減反をやめれば、さらに国産米の価格は低下する。これによって国産米の価格が海外の価格より下がれば現在の77万トンのミニマムアクセス米は輸入しなくてもよくなる。
中国は532万トンの米のミニマムアクセスを設定しているが、ほとんど輸入していない。国内の価格の方が安いから輸入しなくてもアメリカなど輸出国から文句を言われないのだ。
【燦燦たる日本の農業の現状】
このような馬鹿な政策をとっているため、農業の衰退に歯止めがかからない。
食糧自給率は1960年の79%から40%にまで低下。GDPに占める農業生産は9%から1%へ、農業就業人口は1196万人から252万人へ、農業就業人口の割合は27%から4%へ、農家戸数は606万戸から285万戸へと減少した。
こういった現象は農業大国アメリカでも見られるのだが、問題はその中味である。
農業人口が1/4にまで減少したのに対し、農家戸数は半分の減少に過ぎない。この結果、現在では不思議なことに農業就業人口が農家戸数を下回っている。これは主として農業に従事する農業就業者のいない農家、すなわち、兼業農家が増加しているためだ。今や65歳未満の男子のいる農家は全農家の9.5%に過ぎない。
農家の9割が週末にしか農業をやらないサラリーマンや退職後の余生で農業をやっている高齢者なのだ。これが日本の農業の担い手の現状である。
ではいったい誰がここまで日本の農業を衰退させてしまったのか、次のバッターにバトンを渡します。