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農産物の価格はどう決まる??②

misimaさんの農に対する評価、生産者と消費者とのつながりが、流通のしくみによって遮断されてしまったとのことでしたが、なぜこのような仕組みになってしまったのでしょうか?
ちょっと考えてみたいと思います。


まずは現状どのようになっているのでしょうか?
農業の利益ってどのように得られるのでしょうか?
【企業が農業に参入するのは何で?】第四弾~農業の利益構造~ [1]より

①流通コストが高い=複雑な流通構造と多段階マージンの負担
・「生産⇒流通⇒小売」の各段階で「経費+マージン」が加算される。よって、この部分をいかに効率化および省略化していくことができるかが課題。
②流通段階の商品ロスが多い=ものによっては30~50%に達するといわれている
・複雑な流通であればあるほど商品の鮮度は落ち、廃棄ロスも多くなる。消費者(マスコミ)の過剰な品質要求(賞味期限の徹底等)によっても期限切れロスが増えてしまう。また、いつでも多くの商品を揃えることは消費者にとっては便利だが、これも売れ残りロスが増える原因となる。
③価格決定権がない=輸入野菜や作物の出来高によって価格が大きく変動する
・輸入野菜の低価格化によって、国産野菜の売値も徐々に下落していく。あるいは、燃料代や人件費などの生産コストが上昇しても価格アップによって回収することも不可能。すべて、生産者が利益を削って対処するしかない。
・しかし、そうなっているのは、自ら販路を開拓せずに販売や流通を他(農協、卸し業者等)に依存していることで、価格決定権を持たないことが原因といえる。

上記のように、農家は流通、卸し、小売にいいように使われてしまって、なかなか利益を上げられない構造にあるようです。
日本の農家は小規模のため、「出荷量を一定用意できない」、「流通の手間」、「販売とのやり取り」とみた場合、けして直接小売に販売、直売するという方法がよいとは限らないという背景があるようです。
なんで小規模な農家ばかりになってしまったの???
なぜ日本では大規模な農業形態を実現できないのか? [2]

では、なぜ日本では大規模な農業形態を実現できないのか?
これには、戦後のGHQによる「農地改革」に起因する。
日本には戦前まで「寄生地主制」があり大規模な農業形態をとっていた。
GHQが農地改革をした本来の目的は、「寄生地主が日本の軍国主義に加担した」からではなく「日本の食料自給率を低下させるため」であったと考えるべきだろう。
その目的は、見事に達成され、現在の食糧危機を迎えている。
日本の少ない耕地で自給率を上げるには、「土地の所有」について切り込まざるを得ない。土地への執着により反対は大きいことは容易に予測できるものの、農地の統廃合による効率化が求められる。

しかし・・・
このような状況でもなお農業を生業として成立することができるのはなぜでしょうか?
日本の農業政策は「世界の非常識」 [3]

日本の農業政策は欧州諸国とは違い、ほとんど変わることがなかった。農産物が不足すれば、外国のより安いところからの輸入に頼っていた。輸入品がどんどん増えていったが、そのことに対して日本はまったく鈍感であった。そして日本の農業に対して減反政策と補助金政策を繰り返すだけであった。
その結果、いまやコメをつくっていた農地の4割が休耕地となってしまった。日本の主食であるコメは他の食材に代用されているし、大豆やとうもろこしの自給率は4~5%に過ぎない。農家も割高の農産物はつくろうとしないから、この低自給率のサイクルはどこまでも続いてしまうのである。

ここで問題になってくる減反政策と補助金政策。
補助金政策に関しては、補助金をもらえるようにするには、特定の卸売市場、農協を通して小売店に販売するようなルートにしなければ、けしてもらえない。
つまり、価格決定権はないけど、農協や農水省がつくったルールに乗っ取って生産している限りは保護しますよというルールなのだ。
そうなると、やる気がある農家にとっては活力が沸かないし、やる気のある農家を守ることがけして出来ない制度になっているということだ。
一方で、農協にも新たな動きが出てきそうだ。
全中常務理事 「生産者に価格決定権を」 [4]

(前略)
--新規就農者を中心に、加工・流通まで手がけて安定経営に結び付ける例が増えている
 「平成3年に6兆1000億円あった農業所得は、20年には3兆2000億円とほぼ半減した。農産物価格の低迷に対し、生産資材価格は高騰し、農家の経営は大変厳しい。地産地消、農商工連携、地域ブランド確立といった戦略を立て、加工・流通まで広げて所得を増大させることは地域農業の振興にもつながる。ただ、そのためには流通ルートの開拓や売り場の確保、施設への投資が必要で、代金回収リスクの安定化も含めて支援する。農産物価格を生産者側で形成できるようになるのが理想だ」
 --JAグループの地域農協がキュウリなどの規格外品を販売する動きは広がるか
 「商品化には、直接販売と加工食品の原材料の2つの方向がある。規格外品は、大きかったり小さかったりするだけで卸売市場では取り扱ってくれない。消費者の意識が変わったといっても、スーパーの店頭に並ぶには、購入基準として外観も重要だ。このため、規格外品は、業務用や加工用、ファーマーズマーケットなどの直売所で商品化する可能性が大きい」
 --もうかる農業を目指し、JAグループも食品メーカーなどと連携すべきだ
 「地域のJAは個別に連携している。北海道ではポテトチップ専用のジャガイモを、契約栽培し、カルビーなどに販売している。マクドナルド向けに、レタスをカット野菜として販売しているところもある。生協と農協が話し合い、農薬や化学肥料を通常より減らして農産物を生産している例も多い。ただ、食品メーカー、流通業者との連携は、ともにメリットのある関係にならないと続かない。生産者に価格決定の主導権のない現状では、JAグループが特定の食品メーカーや流通業と全面的に連携するのはリスクも高いし、難しい」
(後略)

現状では、農協と特定の企業が連携することが難しそう(←多分無理)
しかし、今後の展望で日本の農業をどうする?
という上で、今まで通りの農協、農水省べったりの農家ではやっていけない、やっていけなくなってしまうという可能性が出てきたと言えるのではないでしょうか。
いずれにしても今、農業に大きなうねりが来ているということは間違いなさそうです。

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