前回 [1] の続きです。
◆リン鉱石(①リン灰石と②海成リン鉱石)の成因
リン鉱石には、その成因から2つがあります。
【リン灰石(マグマ鉱床)】
地球のマグマに含まれたリン酸が、高温高圧下でアパタイト(含フッ素リン酸三石灰)の結晶になったもの。
【海成リン鉱石(グアノ堆積物、化石骨堆積物)】
海水中のリンが生物に摂りこまれて海底に沈殿堆積し、その後の地殻変動で隆起し地表にもたらされたもの。
◆局在するリン鉱石資源
【リン灰石】
産地は、ロシアのコラ半島、ブラジル、南アフリカなどに限られる。
【海成リン鉱石】
産地は、南北アメリカの太平洋沿岸部・太西洋沿岸部、アラビア半島の地中海沿岸部、アフリカ北部、ロシア、カザフスタン、中国、オーストラリアなど広く分布する。しかし、商品価値のあるリン鉱石産地は偏在しており、米、露、中国、モロッコ、チェニジア、ヨルダン、南アフリカだけで世界のリン鉱床の大部分を保有している。
⇒リン鉱石の世界貿易は、米国南部とモロッコからの供給に支配されている。
貧しい国が食糧生産に必要なリン鉱石を輸入する障壁になり勝ち。
ちなみに、日本は100%輸入に頼っています。
▲ グラフは、こちら [2] よりお借りしました。
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【日本のリン鉱石埋蔵量=0t】
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《輸入量》 《水域への潜在的な排出量》
輸入食糧 109,000t 排泄物、雑排水など
飼 料 98,000t ・生活系 60,000t
水産物 17,000t 食料製造業、化学工場など
化学肥料 382,000t ・産業系 33,000t
石油・石炭 30,000t ・畜産系 18,000t
その他 47,000t ・土地系 27,000t
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計 683,000t 138,000t
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出典:[排水処理とリン資源の関係について [3]]
農業生産場面ではなくてはならない資源ですが、その資源は地球上で局在し不足し勝ちなので産地は輸出制限をすれば高騰します。リンは様々なものに含まれますので、バーチャル・ウォーター [4] と同様の捉え方をすると、683,000(t/年)もの輸入をしていることになります。
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★関連情報★
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●枯渇する化学肥料・リン-日本型農業を窮地に追いやる資源争奪戦 [5]
●石油よりも先に“リン”が枯渇する!? [6]
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★バックナンバー★
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『P』の秘密(リンって、なに?)2 [1]
◆ヒト・作物・土壌の構成要素としての「リン」
◆大循環する「リン」
◆リン鉱石の登場(有機物から無機物への転換)
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『P』の秘密(リンって、なに?)1 [7]
◆「リン」の発見
◆生物にとっての「リン」
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つづく by /びん