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農業を増大する失業者の受け皿に

Posted By komayu On 2008年11月8日 @ 6:30 PM In 7.[農]をどうする? | No Comments

こんにちは、小松です。
アメリカ発の金融危機が、産業界に大きなダメージを与えています。今後、企業の経営破綻とともに、失業者が町に溢れ出す日が来るのも、そんなに遠くはない将来の話として、現実味を帯びてきました。
タイでは、増大する失業者を農業で吸収しようという計画の検討に入ったようです。こういった対応を見るにつけ、日本は鈍いなあというか、途上国の方が危機意識が高いように感じますね。
食糧自給を考える上でも、現実的な対策として、日本でも即検討に入るべきではないでしょうか。
以下、「農業情報研究所」 [1]より転載します。
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/agrifood/asia/news/08110501.htm [2]

■タイ 農業を増大する失業者の受け皿に
   ~金融危機が促す家族農業の見直し
 タイ農業省が、金融危機に伴う欧・米・日の市場縮小で不振に陥った輸出製造業の吐き出す失業者を農業で吸収しようと企てている。予想される来年の失業増加の影響を緩和するために、少なくと10万の失業労働者を農業部門に戻す計画だ。
 いくつかの経済研究機関によると、来年の失業率は10%にまで上昇すると予想される。アピチャート農業経済局長は、今後何年かの間、国内製造業による巨大なレイオフが起きる可能性があり、世界的危機が長引けばその数は100万にも達する恐れがある、「失業労働者は家に帰り、馴染みのある職業、農業に就くだろう」と言う。

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 局長によると、農業省は土地、低利融資、農業職業訓練プログラムを用意する。財務省が所有する100万ライ(1ライ=0,16㌶)や農地改革局(ALPO)による改革地・3000万ライなど、政府機関に属する大量の放棄地が存在する。
 参入者は既存の農場で働くか、自分で農場を運営する。各自、5ライ(0.8㌶)から10ライ(1.6㌶)の土地を配分され、10万バーツ(28万円)を限度とする低利融資を受ける。省は職業教育局とも連携、職業訓練も提供する。これらのために、100億バーツの予算を要求する。
 その他の措置には、政府買い入れによる主要農産物の価格下落防止措置、農地と水供給の適切な管理、ゾーニング、肥料など必需品コストの削減、農産物の消費奨励、農民の間での「足るを知る経済」の原則の促進が含まれるということだ。

以下は、サイト管理人 北林氏のコメント。

 金融危機がもたらした先進国の経済不振は、先進国への輸出やツーリズムに依存、小規模家族農業を衰退にまかせてきた東南アジア諸国の開発政策に深刻な反省を迫り始めたようだ。
 ILOアジア太平洋地域事務所(バンコク)によると、工業やサービス業のような”フォーマル”部門の仕事が減ってきたために、農業を中心とする”インフォーマル”部門の労働者が増えている。08年の雇用創出は07年より85万減り、この減少は09年までには127万に達するだろう。地域の失業者は、07年の1650万人から09年には1850万人に増える見通しだ。
 日本と米国の市場に依存するフィリピンなどでは、金融危機の影響が輸出部門に出ている。タイ労働省によると、今年 1月から10月までに、食料品、衣料品、家具に関係する120の会社が閉鎖された。日本やEUへの輸出に依存するミャンマーの衣料品部門でも工場閉鎖とレイオフが広がっている。
 ただ、アジア太平洋社会経済委員会(ESCAP)によると、97年金融危機にはまったく無防備だった東南アジアも、今度は多少の準備ができている、「農業部門がフォーマルな経済から人々を吸収しなければならないという役割をめぐる現在の議論は、97年以前に決して聞かれなかった」という。
 とはいえ、フィリピン、インドネシアをはじめ、多くの国は過去10年の農村・農地・小農民軽視で、多数の失業労働者を受け入れるめの農村インフラも農地も欠く。失業の最大の受け皿は海外出稼ぎになりそうだ。
 金融危機を契機に、小規模家族農業の役割の見直しが進むだろう。ブラジル農業省顧問のミューラー氏は、金融危機のお陰で、家族農業が経済成長と食料安全保障のための”景気対抗”オールターナティブとして登場しつつあると言う。それはインフレを抑え、雇用を生み出し、国内食料供給を確保することで、国民経済にポジティブな影響をもたらす能力を持つ。
 しかし、一度潰してしまった小規模農業の再建は、簡単には実現できない。覆水盆に返らず。

食糧危機がやってきてから食糧自給を始めても手遅れだし、失業者が溢れ出してから受け皿作りをしても、間に合いません。今後市場はどんどん縮小過程に入っていくでしょう。そうなれば、、本当に人々が必要とするもの、人々の期待に応えられるものだけが仕事として残っていくと思われます。そのような意味からも、今すぐにでも、農業の担い手の受け皿作りに、着手すべきなのではないでしょうか。


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[1] 「農業情報研究所」: http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/index.html

[2] http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/agrifood/asia/news/08110501.htm: http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/agrifood/asia/news/08110501.htm

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