こんにちは。
お久しぶりの長谷です。
企業の農業参入について、可能性を考えているところですが、事例としては、やはり、食品関連(加工製造、外食etc.)の企業が圧倒的に多いようですが、そのやり方や目的も幾つかの種類があるようです。
参考になる新聞記事がありましたので紹介します。
全国農業新聞(2008.3.7)の記事より引用
http://www.nca.or.jp/shinbun/20080307/nousei080307_01.html [1]
外食産業の農業参入 収支厳しく路線は様々
食の安全・安心が大きく揺らぐ中、消費者の目が「原産地」などの表示に注がれるようになった。表示が「努力目標」のガイドラインにとどまっている外食産業でも、「国産」「有機」を売りにした企業が業績を伸ばしている。食材の安定調達のために直営農場をもつ企業も登場しているが、農業部門での利益や品質の確保は難しく、参入形態は様々だ。
■直営農場
居酒屋「和民」など国内外に630店舗以上を展開しているワタミグループは、契約農場に加え、「直営農場による有機農産物を使った食材」が売り。直営農場のワタミファームは02年から展開。現在、千葉、群馬、北海道、京都など全国8か所で、野菜や酪農などを500ヘクタール規模で生産している。
農業部門だけの収支は厳しく、06年は台風被害もあって1億6300万円の赤字だったが、「自社で生産・集荷・加工・調理することの相乗効果は大きく、農業部門の赤字は外食部門の30億円以上の黒字で十分取り返せている。農業で儲かるか儲からないは二の次」と中川直洋社長室長は強調する。
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(左)ワタミファームの群馬県倉渕村農業
(上)メニューには「有機栽培」を大きく表示
■共同経営
使用する生野菜のすべてを国産から調達するハンバーガー業界第2位のモスフードサービスは、バーガーの規格に合うトマトの調達、特に端境期となる夏場以降の調達が難しいことから、群馬県昭和村に本拠を構える(株)野菜くらぶ(澤浦彰治社長)などと共同出資して、06年に農業生産法人の(株)サングレイスを設立。群馬と静岡の3農場3.8ヘクタールで、07年2月から生産を開始した。年間生産目標は600トンで、そのうち180トンをモスフードで使う計画だ。大口出資のモスフードが生産に関与しないのは、農業に参入して失敗した苦い経験があるからだ。
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モスバーガーでは、店頭に野菜の生産者の名前を表示している
■契約農場
関東地域を中心に、イタリアンレストランを761店展開している(株)サイゼリヤは、福島県白河市の農家による農業生産法人・(有)白河高原農場(経営面積40ヘクタール)との全量引き取り契約を条件に、レタス、米、キャベツなどの栽培方法を指定している。
(2008/03/07)
外食産業では、食材の安定調達、トレーサビリティーの確保、需給のミスマッチの調整等の目的で、様々な形の参入を検討するようですが、農業単体での収支は厳しいのが現実で(特にワタミのように土地利用型は、施設型と異なって自然条件に左右されやすく、不安定)、それ以外のメリット、例えば、農家との栽培契約や指導のための技術蓄積や人材養成、メニュー開発のための試験栽培、あるいは、自社の社員研修の場としての利用、さらには、農業をやっていると言うことでのイメージアップetc.直接、数字で現れにくい価値評価も含めて、やっと手が出せるのではないでしょうか。
実際、自社農場があっても、食材調達の大部分は、コストの低い外部調達(契約栽培含む)というのが現実。
農地の保全、耕作放棄地拡大防止も含めた担い手としての役割を企業に期待するには、市場原理を越えるもう一工夫が必要のようです。
(左)ワタミファームの群馬県倉渕村農業
