引き続き、中国製冷凍ギョウザ関係です。
石原都知事が、加工食品の原産地表示を強化⇒「全て表示すべし」、との見解を示したそうですが 、いくら何でもそれはちょっと行き過ぎだろう、と思ってしまう小松です。
皆さんはいかがですか?
加工食品の原産地表示、都は「全部」国は「困難」
中国製冷凍ギョーザによる中毒事件を契機に、加工食品の原産地表示のあり方がクローズアップされている。一部しか表示されない現状では不十分だとして、東京都の石原慎太郎知事は表示の強化を検討する方針を表明。
しかし、農林水産省は「すべての原材料の産地を正確に確認できるかどうか……」と慎重な姿勢を示し、食品業界からも「多すぎて書ききれない」「季節によって材料が変わる」などと困惑の声が上がっている。加工食品はどこまで「透明化」できるのか。
(2008年2月12日14時32分 読売新聞) [1]
原産地を全部書くことが、“透明化”っていうことなんですかね???
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JAS法は、国内で製造された加工食品について、外国産の原材料が使われていても、原材料の原産地まですべてを表示する義務は課していない。原産地の表示義務があるのは、「表面をあぶった食肉」「衣をつけた魚介類」など加工度の低い食品で、かつ50%以上の重量を占める原材料などに限られる。例えば、カキフライのカキなどがこれにあたる。
「天洋食品」のギョーザは、中国で加工・製造されたため、JAS法に基づき、袋の裏に中国産の表示はある。しかし、キャベツ、にらなどの原材料をどこから調達したかまでは、製品自体が中国産のため、JAS法の規制は及ばない。
農水省は「全原材料表示」が簡単ではないことを強調する。同省の白須敏朗次官は7日の記者会見で、〈1〉多くの原材料が使われ、正確にすべての原産地を確認するのは難しい〈2〉海外でも事例がない〈3〉原産地の確認には膨大なコストがかかり、価格にはね返る――などを理由に挙げた。別の幹部も「商品の限られたスペースにすべての原産地を記入するのは至難の業」と説明する。
大手冷凍食品メーカーの担当者は「原産地はすべて把握しており、表示すること自体は可能」としながらも、「包装袋が文字だらけになってしまい、書ききれない」と話し、別のメーカーからも「原材料の野菜や魚の調達先は季節によって変わる。その度に表示を変えると、コストがかかる」との声が上がっている。
カレーを扱う食品メーカーの担当者は「カレーはスパイスだけでも30種類ほど使うものもあり、原産地もインド、中国、マレーシアなど様々。すべて表示するのは物理的に難しい」と話している。
(2008年2月12日14時32分 読売新聞) [1]
そりゃそうでしょう。そもそも全部書いたところで、一体誰が読むのでしょうか?それで消費者は安心するのでしょうか?原材料の夫々の原産地である、聞いたこともないような色んな国の名前が記載されれば、一体どんな国だろう?とか、どんなところで作っているのだろう?どんな人がどんな作り方をしているのだろう?、農薬は使っているのかな?・・・などなど、次から次へ疑問が湧いてきて、むしろ余計に心配になってしまうような気がします。透明にしようとすればするほど、不透明な部分が気になってくるのです。
もっと言えば、その表示そのものが偽装されてしまうことにどう歯止めを掛けるのか、という厄介な問題を相変わらず孕んでいて、要するに「表示の強化」は切りがない、という判断が現実的だと思います。
じゃあ、どうするのか?
結局、食品に求められている安心・安全をどのように実現するのかという問題です。そして明らかなことは、原材料や原産地や生産者などを明記し透明化することと、表示された国や生産者を信頼することは、全く別問題であるということです。そして、その信頼がなければ、全然安心できないということです。信頼関係のないところに、本当の安心・安全が成立するはずなどありません。
つまり今求められているのは、“透明化”などではなくて、信頼関係の構築なのだと思います。自分のことしか考えないような自己中は、絶対に信頼されません。従って、相手の気持ちを考える、みんなの期待に応える、ということは不可欠ですし、その充足の積み重ねによって、信頼関係は作られていくのだと思います。