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独盲巨像をなでる?②・・・[庶民の生活空間]

前回(←リンク [1])のつづきです。
■四合院と胡同の佇まい
中国北方の住宅と言えば、北京の四合院が代表格です。伝統的な民居として、現存する四合院の大多数は清の時代(1644~1911年)から1930年代にかけて造られたものだそうです。
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▲四合院の佇まい
        
  


北京市内ながら、このゾーンに立ち入ると、昨今急激に建設されつつある超近代的な景色とは打って変わって、タイムトンネルで数百年も遡ったような錯覚に囚われます。
四合院の中には東西南北に独立した家が建ち、それらが取り囲むようにした中庭が存在するようです。北京っ子の話によれば、「その規模や居住区分から、当時の権力や内部の地位の上下などが、外からでも手に取るようにはっきりと分かる。」といいます。
その違いとは、・・・
小四合院は中庭が一個のみで、南北にはそれぞれ3部屋ずつ、東西にはそれぞれ2部屋ずつあるとのことです。中四合院は内と外に1つずつ中庭があり、一番奥の正房には部屋が5つあるといいます。大四合院は、中庭がいくつもあり、長い朱色の廊下で建物同士が結ばれ、きれいな庭園も存在するそうです。
家長が住む部屋を正房、その他の家族が住む場所を廂房と呼び、書斎や客間として使う場所は倒座と云われるようです。
私が探索したゾーンは庶民的なレベルのものが大半で、上位層の住まいとの差異を推し量ることは出来ませんでした。
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▲四合院の内部、入口 
胡同は、北京特有の路地のことだそうです。南北に走る道は一般に街と呼ばれ、幅も広いのに対し、東西に走る道が胡同で道幅は狭く、もっぱら人が歩くのみに使われ、胡同の両側には四合院が建っています。
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▲胡同
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元々、四合院は一族郎党で使い、隣接する四合院と没交渉で暮らせた、という記述も見られます。造りからいっても、外壁を廻らせて閉鎖的で、唯一の出入り口を閉鎖すれば守りに堅い構造をしていますので、対敵防衛力の確保という視点に傾いたものであったろうと思われます。
一方、近年にあっては、庶民層が長屋的に集住していたという記述があり、そのどちらが主体的かによって、地域コミュニティなるものが期待できるのか否かに分かれそうです。
庶民層向けのものは、各ブロックの入口部分に設けられた積算電力計が5~6台見られることや、ある程度のブロックをまとめた規模の家内工業的工場も散見できることから、下町的なコミニュティが残存していると思えました。
勝ち組は、高値で四合院を売り捌いて国外脱出しているという記事も目にします。(http://www.business-i.jp/news/china-page/news/200712060037a.nwc [2]
> 【北京=野口東秀】中国の伝統的な住居「四合院」がこれまでにない最高値をつけて売買されている。1000万元(約1億6000万円)から数千万元が中心で、中には日本円で14億円となる豪華物件も登場、一種のバブル状態だ。北京五輪に向けた街の再開発で取り壊されることの多い四合院。観光客に人気が広がっていることなどもあり、保護地区ではホテルやレストランなどへの改装が相次ぎ、新たなブームとなっている。(中略)
> 北京市政府は、四合院などの保護に関する規定を施行。民間資本による保護を視野に四合院の売買を許可、他の地域の住民や企業、外国人も購入できるようになり、価格が急上昇してきた。
> 「祖父から受け継いだ家だが、家族は全員、米国やカナダ、台湾に移住しており、私も中国を離れるつもりだからね」・・・
下層にあえぐ四合院居残り組が、生存外圧をバネにして、そこを集団再生していく「場」としていくことにでもなれば、活路が拓けるかもしれません。
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次回は、そのようなエリアでの「庶民の暮らし」に関する映像を、整理して報告したいと思います。
つづく   by びん

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