『池田信夫 blog』 [1]で「食料自給率という幻想」を展開しており、それに対するコメントも121(11/18現在)と盛況です。
食料自給率とはなにか? を考える上でのヒントとなりそうなので紹介します。
先ずは、大元のエントリー記事です。

食料自給率という幻想 2007-09-01 / Economics
【略】先月、農水省が日本の自給率(カロリーベース)が40%を割ったと発表したことで、民主党が「自給率100%をめざす」などと騒いでいる。
しかし、この問題についての経済学者の合意は「食料自給率なんてナンセンス」である。リカード以来の国際分業の原理から考えれば、(特殊な高級農産物や生鮮野菜などを除いて)比較優位のない農産物を日本で生産するのは不合理である。そもそも「食料自給率」とか「食料安全保障」などという言葉を使うのも日本政府だけで、WTOでは相手にもされない。
食料の輸入がゼロになるというのは、日本がすべての国と全面戦争に突入した場合ぐらいしか考えられないが、そういう事態は、あの第2次大戦でも発生しなかった。その経験でもわかるように、戦争の際に決定的な資源は食料ではなく石油である。その99.7%を輸入に頼っている日本が、食料だけ自給したって何の足しにもならない。それより1993年の「コメ不足」騒動でも明らかになったように、普段から輸入ルートを確保しておくほうが供給不足には有効だ。
(続きは原文をお読みください→リンク [2])
グローバリストの提灯記事のようで気分が悪くなりますが、それに対する擁護派のコメントでも、「安全保障」を役所の縄張り確保の手段とされるのは真っ平だというのは頷けます。

Unknown (藤井 まり子) 2007-09-01 23:30:38
池田先生、よくぞ言ってくださいました!
一番の問題は「安全保障」という錦の御旗をつけた役人の四文字熟語に、ほとんどの国民が簡単に騙されてしまうことだと思います。
かく言う私も、20代の頃は、通産省・資源エネルギー庁が振りかざす『エネルギー安全保障』という言葉にすっかり騙されて、高速増殖炉を始めとして、核燃料の再処理やプルトニウム利用の推進や、新エネルギー開発機構(NEDO)の創設に感激した愚かな過去を保有しています
でも、「安全保障」の実態は、中央の役所が「安全保障」という「錦の御旗」を振りかざすときは、かならず予算の増加や、彼ら中央の役人の利権確保(天下り策を確保するがためにような特殊法人の増設)ばかりが増えただけでした。
農業行政も然りです。【後略】
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一方、WTOについて直球で問題指摘するコメントには、快哉!
10年後には食糧ショックが来るかも (佐藤秀) 2007-09-02 00:15:58
>そもそも「食料自給率」とか「食料安全保障」などという言葉を使うのも日本政府だけで、WTOでは相手にもされない。
そりゃそだろう。自由貿易が本尊のWTOがそんなこと言っちゃおしまいよ。
日本の場合、他の欧米先進国に比べ自給率が極端に低い。石油ショックで大慌てでエネルギーに占める石油依存度を低めたおかげで今回の石油価格暴騰でも対して被害は受けていない。
しかし、暢気なこと言っていられるのは後10年くらいで、その頃にはガラリと情勢が変わっているだろう。いくら物理的戦争が起きなくても、圧倒的需要超過になれば、カネの力も効かなくなり、自国かわいさに供給可能国(これも存在しているか怪しい)売り惜しみすれば食糧ショックになる。
いつまでもあると思うなカネと自由貿易
WTOはアグリビジネスのロビイストによって牛耳られているので、市場主義者の急先鋒であることはミエミエです!
そして、その市場主義者の仕事を構造化すると、→リンク [3]
そして、その問題性を踏まえたコメントと思しきものは、
市場メカニズム幻想 (佐藤秀) 2007-09-02 22:37:52
>官庁およびその宣伝を鵜呑みにする人々の辞書には、市場メカニズムという言葉がないようですね。
市場メカニズムというのは、いつでもどこでも優しく働いてくれるわけではなく、需要と供給があまりに乖離し過ぎると交換手段としての通貨の仲介機能は働かなくなります。基本的に国家は動物的で、生存そのものに危機を感じれば、通貨は万能でなくなります。
それが感じられなくなるのは、日本が敗戦直後の短期間を除きあまりにうまく行き過ぎたからでしょう。欧州各国は幾多の修羅場を経ているので、「永遠の平和」が幻想であるように「永遠の市場」も有り得ない、未来はいつも一寸先は闇だということを知っているんでしょう。その分、貧困国には冷静で冷淡という側面があるんでしょうが、これは日本とて表面はともかく同じ穴の狢でしょう。
つづく by びん