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「子ども農山漁村交流プロジェクト」~活動事例紹介②

Posted By pochi On 2007年9月23日 @ 9:04 PM In 6.[農]と活力再生 | 4 Comments

林業・農業体験を通して-神崎ディスカバリー村計画-兵庫県立神崎高等学校 [1]
1 活動に関する学校の全体計画
(1)  活動のねらい 
本校は学校改革として「ディスカバリー・ハイスクール」プロジェクトを立ちあげたが、特に教科内容については「ディスカバリープラン」として、体験・実習・実技を大幅に取り入れた教育課程を編成している。長期宿泊体験については、過疎化し、第一次産業従事者が減少する地域の中で、生徒たちが自然と深く関わりを持つ生き方を理解し、山村農村での生活のよさを体験する機会をもつことで、自分の生き方を深めさせることに主眼をおき、以下の課題を設定した。
ア  共同生活を通じて協力、忍耐、努力等の精神を学び、社会性、共に生きる力を身につける。
イ  共同作業をすることで達成感、勤労精神等を感得する。
ウ  自然の中での生活を体感し、創意や工夫をすることで課題解決能力を養う。
エ  地域の人たちの指導を受けて、伝統的な知恵や技術を学ぶ。
 宿泊先については、これらの点を踏まえつつ、
ア 神崎町の森林組合から間伐材の利用を許可されていた地域に近いこと 
イ 付近に人家が少ないこと 
ウ 田や畑が隣接しており利用できること 
エ 廃屋の改修整備が可能であること 
オ 地域の理解、協力が得られること 
カ ある程度ライフライン(電気・水・ガス等)が確保できること

を重視した。
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2 活動の実際
(1)  事前指導
 「神崎ディスカバリー村」計画の趣旨を説明するとともに、生徒自身が課題を考えられるように現地説明会(下見)を行い、活動の主体化を図った。生徒の活動については、廃屋改修班、周辺整備班、生活(炊事・清掃・風呂準備等)班をつくり、組織的、計画的に運営できるよう指導した。道具資材については、教職員の方で準備し、使用法等について事前指導を行った。
 建物は10年前に廃屋となった物件で、持ち主は本校周辺に在住している。築年は不明であるが、茅葺きの屋根の上にトタン屋根が葺いてある。柱・梁などは太くしっかりしており、雨漏りも一部を除いてほとんどない。ただ、床が相当痛んでおり、床板を取り替える必要があった。電気は引き込み線の段階で切断され、ガスはプロパンで、ボンベをつなげばガス管は使用可能の状態であった。水は貯水の山水利用で、町水道なし。風呂は大型の電気温水器タイプで使用可能とのことであった。トイレはくみ取り式で破損がひどいため、隣接する寺院のトイレを利用することになった。
 実施場所の紹介・選定については、神崎町、町議、区長等の協力を得たが、近隣の住民の指導・アドバイスや保持管理について積極的な支援を得ている。特に水については寺院の貯水(山水)タンクを利用する水道工事してもらった。
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(2)  活動の展開
○  8月2~5日実施分
 廃屋の内部については、二間にわたる床板の取り替え(一部は梁の取り替え)を行ったが、完成まで2日を要した。また畳も柔道の畳と交換し、上からカーペットを引き宿泊できる状態にした。作業の途中で、以前土間だったと思われる所からいろりの跡が発見された。(指導 本校教職員)
 廃屋の外部では庭木の剪定を行った後、切り取った枝から葉を落とし、50前後に揃え、たきぎ作りを行った。作業終了までに、炎天下で3日を要した。予定していた屋根の修復はできなかった。(指導 大畑地区住民・本校教職員)
 炊事・清掃・風呂準備・買い出しについては、生徒と教員とで事前に計画を立て実施した。ただ風呂については、あまり熱くならず困った。(指導 本校教職員)
 8月4日深夜、台風による警報が発令し、緊急に点検を行ったが、一部雨漏りしていた以外は、問題がなかった。
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○  8月23日~26日
 廃屋内部については、いろりの修復を実施した。古い灰を取り除き、砂利・砂を入れるところまで行った。また、いろりの間の床板の張り替えを行った。(指導 社会人講師・本校教職員)
 廃屋外部では、畑等の整地、植え付けを実施した。整地については、ミニ耕耘機を使用し、クワ等でならし、畝を作った。大根、カブ、白菜、ジャガイモ等を植え付けた。地域の方のアドバイスで、間伐材とノリ網で柵囲いし、獣よけとした。また、屋根の補修を行った。(指導 大畑地区住民・本校教職員)
 炊事・清掃・風呂準備・買い出しは、生徒と教員で計画を立て実施した。(指導 本校教職員)
(3)  事後指導
 各活動の後にミーティングを実施し、問題点と課題を明確にし、次回につながるよう配慮した。
 8月の宿泊体験については感想と活動のまとめを書かせた。教職員についてもアンケートを実施した。
特にいろりの間の完全修復については意欲的であった。
3 体験活動の実施体制
(1) 学校支援委員会の体制
 本校PTA会長、町教育長、町総務課長、商工会会長、区長、学校医、学校薬剤師に委員としての参加及び協力を依頼し、宿泊体験を行う候補地の提示や持ち主への交渉、衛生面でのアドバイス、宿泊時の蚊帳等の提供、地元ケーブルテレビによる広報の支援、地区住民に対する協力の呼びかけ等をしていただいた。
(2) 配慮事項
○  ライフライン(電気・ガス・飲料水・風呂・トイレ)の確保。特に安全と衛生面で、飲料水は煮沸して使用し、トイレは寺院の水洗トイレを借りた。
○  炎天下の体験活動が多く、水分等の補給に配慮した。
○  当初、夜間の催しを企画していたが、近所に乳幼児がいるということで、企画を変更した。
○  蜂等の有害虫に刺される教職員が出たが、駆除した。
4 体験活動の評価の工夫と指導の改善
 体験活動の評価は、事前指導や宿泊指導の各段階において、体験活動の目的を踏まえ、指導者間で共通の観点で行った。不十分な生徒については、活動の動機を高めるよう、趣旨の説明や役割分担でやる気を出すよう配慮した。体験記録シートを作り、各活動の区切りごとに自己評価として問題点と課題を書かせた。その中での反省や意見を生かして、生徒の主体的な取り組みにつながるよう配慮した。教職員への評価アンケートでは、特色ある教育活動として高い評価をいただき、建設的なアドバイスを多くもらった。
5 体験活動の成果と課題
(1) 成果
 生徒の反省と感想をみると、普段の便利な都市型の生活から離れてつらいとか、いつも誰かがいるので自分一人の自由な時間が少なく苦しいといった内容がある反面、つらい、苦しいと書いた生徒も田舎でのゆったりとした生活のよさに触れて、最後には、もうしばらく宿泊したいとかもっと機会を増やしてほしいといった感想がほとんどであった。各体験活動についても、知らなかった、気づかなかったことの発見がたくさんあり、ものを大切にすることや達成感を味わうことができた。また、予期しない課題(床板張り替え、いろりの出現、風呂の不調等)に遭遇して、話し合い、工夫できたことでたくましさ(課題解決能力)を身につけることができた。
「子ども農山漁村交流プロジェクト」~活動事例紹介 ③
私たちの日本一のおいしい米づくり体験活動 (千葉県市川市立曽谷小学校) へ続く。


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