まいど雅無乱 [1]です。
以前、当ブログの「ODA、世銀、IMFは途上国の農業・社会を破壊している?」 [2] で採りあげた事があるが、日本のODA(政府開発援助)が、地元に災厄をもたらしているケースがある。
まさか、我々の貴重な税金を使って、わざわざ発展途上国に迷惑になるようなことをやるわけはない、と思ってしまうが、マスコミが採りあげないだけで、結構そういう問題はあちこちで起こっているようだ。
今日は、その中でかなりひどい事例、インドネシアのコトパンジャンダムについて書いてみたい。
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コトパンジャン・ダム~その知られざる実態
http://www.kit.hi-ho.ne.jp/jubilee-kansai/html/fact_dum.htm [4]
◆日本のODAが生み出した2万3千人の強制立ち退き
コトパンジャン・ダムとは、インドネシアのスマトラ島中部の西スマトラ州とリアウ州に日本のODA(政府開発援助)による円借款300億円で建設されました(1996年完成)。
このダムは外務省が「人権と環境に配慮したODAプロジェクトのモデルケース」と宣伝していました。しかし、高さ58メートル、堤長わずか257.5メートルという中型ダムのために、10ヶ村が水没させられ、強制的に立ち退かされた住民は23000人にも及びました。
◆環境破壊・生活破壊が進行
ダム建設によって、スマトラ象などの生息域を破壊し、トラやバクなど多くの貴重な動物を死滅させました。樹木を伐採しないまま貯水するというずさんなやり方のために、湖水の水質悪化や蚊の大量発生によるマラリアの発生の可能性が指摘されています。
インドネシア政府は立ち退きの条件として、補償金や住宅提供、そして1家族2ヘクタールのゴム園を与えると約束しました。ところが、補償金はごくわずかで、ダムに反対したために支払われなかった人もいます。与えられた住宅は物置同然で、住民は「豚小屋」と呼んでいます。「ゴム園」には収獲できるまでに7年はかかるゴムの木がほとんど植えられていません。パームやしの農園に移住した住民はパーム油の価格下落のために借金の返済さえできない状態です。住民は「自分たちは政府にだまされた」と断言しています。]
◆デタラメなODA資金のばらまき
コトパンジャン・ダムは114MWの発電能力を持っていますが、実際に使用されているのは17MWに過ぎません。発電しても電気が売れないのですから、ODAによる借金を日本に返済することは不可能です。
移住先の村に日本のOECF(海外経済協力基金)が作った井戸は泥水で飲むこともできず、誰も使っていません。寺院遺跡を水没から守るために建設すると約束していた堤防は、どこにも見当たりません。農園用の道路は舗装すると約束していたのに途中で舗装が途切れてしまっています。
日本国民の税金や郵便貯金や年金基金から出された資金は、一体どこに消えたのでしょうか?それはまったく無駄に使われて、日本企業の儲けと、旧スハルト政権の不正蓄財の資金に変えられてしまったのです。
現在、住民の77家族が政府の補償打ち切りに対して損害賠償を求めて裁判所に提訴しています。補償がなされないようなら、州政府とダムに対して大規模なデモンストレーションをかけようとしています。
現地住民は次のことを求めています:(1)10ヶ村の被害に対してインドネシア・日本両政府が責任を取ること。
(2)コトパンジャン・ダムを撤去し、以前の村落を回復すること。
(3)破壊された居住場所を再び住めるように修復すること。
(4)コトパンジャン・ダムの債務を帳消しにすること。そして彼らは「日本の援助がインドネシア人を死に至らせていることを日本の皆さんが知って欲しい」と、支援・連帯を訴えています。
ひどい話である。
しかも、被害は上記のみに止まらない。
腐敗したダムの水が下流に、そして海に流れ込むことにより、地元の漁業にも壊滅的な打撃を与えているそうである。
「何故ODAが訴えられるのか」 [5]
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このサイトも参照して欲しい。
先進国が、勝手に己の利益を追求するために途上国を利用し、結果とんでもないことになっても何とも思わない。このような事が世界で繰り返されている。
仮にどうしても開発をするというならば、先進国に媚びへつらう地元の有力者や政治家ではなく、地元の住民に信頼されている人物(長老のような存在)と十分話し合うべきだろう。彼らの要望に沿わない開発など、一切やるべきではないと考える。
このような事を、マスコミはほとんど取り上げないのはいったいなぜなのだろうか?