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地域が共有できてみんな元気になれる課題って何?

どうも雅無乱 [1]です。
コータローさんによる5月13日のエントリー「就農定住事業について思うこと」 [2]より

地域活性を達成しようとするなら、研修生と言えど、自らが当事者となって活動する(=地域活性化課題を担う)必要がある と思います。
自らの活動の成功が、就農定住者を作ると同時に地域活性化の成功に繋がり、例えばそれをネットで発信することで更なる地域活性化に繋がっていくと思えば、めちゃくちゃ活力が沸くと思います

について、あらためて考えてみた。
たしかに、自集団の課題のみに意識を集中したとしても活力は湧かないし、そもそも地域全体が地盤沈下していく中で自集団のことだけを考えていても、結局長い目で見れば成果を上げては行けないだろう。
そういう意味で「地域活性化課題を担えばより活力が湧く」というのは間違いないだろう。
しかし、それはいいとして、具体的にはどんな課題があるのだろうか?
現在、農村は高齢化し、地域差はあるだろうが大きく見れば都市への人の移動は止まらず、農村はますます過疎化している
この状況に、多くの地方自治体は危機感を抱き、「地域活性化」を名目に様々な活動やそれに対する投資を行なっている。
「地域おこし」ということで、農業・漁業・畜産業などの特産物をアピールしたり、伝統工芸や地域芸能(祭りなど)を復活させたり、観光に力を入れたり…。しかし、どうもそれが功を奏した実例となると、ほとんど話を聞かない(もしあれば教えて~)。
たとえ一時的に盛り上がったとしても、どうも継続していない感じもする。
なぜなのだろうか?
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おそらく、地域振興活動自体が目に見えた成果を上げられず、そこに高齢化の波がさらにその地域を襲い、「そんな活動に割ける余力は無い」「自分の生活を守るだけで精一杯」という状況が追い討ちをかけ、それら地域振興活動の担い手そのものがどんどん減っているのではないだろうか。
こうしてみると、どうも明るい展望が見えてこない。暗くなるばかりである。
地域がその課題に対して一つになれる…そういう課題が見つけられていないということなのだろうか?
わずかに残された新しい可能性としては、都市生活に疲れた人々が農村へ回帰していく流れ、一部の若者の地元志向(Uターン・Iターン志向)くらいだろうか…
この流れを本流にするため、定年組や若者を地域に呼び込んでいく何らかの工夫が、さしあたり地域の共通課題になりうるのではないだろうか。
それが、「就農定住事業」そのものである。
もうひとつは、次代を担う子どもたちの教育。これなら地域の共通課題になりうる(逆に言うと、その他には可能性のありそうなものはなかなかなさそうだな、というのが正直なところ…)。
昨年、大阪在住の小6~中2までの子どもたち数十人を下記の施設で合宿させながら、地元の農業・漁業・畜産業を営む方々にご協力いただき、仕事体験をしてもらった。
かみなか農樂舎
http://www.nouson-kaminaka.com/ [3]
「かみなか長期合宿もうすぐ!」(★自然体験学習教室の広場★より)
http://blog.goo.ne.jp/sizentaiken/d/20060623 [4]
この合宿のコンセプトは、地元若狭町の産業を体験取材して、それをネットでレポートする(→お世話になった若狭町をインターネットでアピールする)というもの。
IMG_0051_2.JPG  DSCN2628.JPG
~~2006年「かみなか長期合宿」の漁業体験・畜産体験の一風景~~
今年も、同様の企画を実施する予定だが、このような教育と同様の取り組みを、地元の小中学生にも実施していけば、郷土愛をはぐくみ、地元の伝統文化・産業などの理解も進み、将来的に地元に定着し貢献できる人材を育てていくことができるのではないだろうか。
また、「子どもたちの教育」という課題なら、「それなら一肌脱ごう」という人も多いだろうし、個人や特定集団の利害関係を超えて地域が一丸となって協力していけるのではないだろうか。
子どもたちに地元の産業・伝統文化を体験させる「職業体験企画」を核として、個人や集団をネットワークしていけば、地域の人々はみな当事者になれるし、社会課題を担うことによって、活力も2段階も3段階も上昇するのではないかと思うのである。
当ブログの「どうする?担い手達の活力源(>_<)」 [5]に書かれている問題も、突破していけそうな感じがする。
さらに、当ブログでたびたび紹介している「自然体験学習教室」、
http://www.new-agriculture.net/blog/2007/03/000200.html [6]
も、社会体験教育に役立つノウハウをたくさん持っている。
これを全国に発信して、次代を担う子どもたちの健全な成長と、地域活性化に同時にお役に立てるならば、これに過ぎる喜びはないなぁ、なんて考えたりする今日この頃である。

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