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“生野菜信仰”は、誰のため?

小松です。
るいネット [1]では、朝日の捏造記事を皮切りに、マスコミの共認支配の問題を真正面から取り上げる投稿が、日々続々とアップされています。→こちら [2]
15日付けの農業新聞に気になる記事があったが、やや違和感があったので取り上げてみたいと思う。

【学校給食 生野菜なぜ敬遠?】~食育に逆行 基準明確に~
 食育の推進が叫ばれる中、衛生面を理由に、給食に出す野菜類を加熱処理しなくてはならないことに、「本来の食感が味わえないのは、食育に矛盾する」と改善を求める声が上がっている。生野菜は、市区町村の教育委員会が安全性を確認すれば出してもよいが、基準が明確でないため、ほとんどの小・中学校がキュウリやレタスまで湯通しして使っている。学校関係者らは国に対して、「4回洗えば安全などと、基準をはっきり示してほしい」と求めている。
07/05/15 日本農業新聞 [3]

学校給食では、野菜は加熱処理して出すのが原則らしい。病原性大腸菌O157による食中毒が全国で発生した翌年の1997年、当時の文部省は、給食の衛生管理を徹底するため「学校給食衛生管理の基準」を作り、野菜類を「75度以上で1分以上」加熱処理することを原則化した。これにより、漬物や梅干も加熱処理しなくてはならなくなったと言う。
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確かに、学校給食での安全確保は大前提にあると思うが、ちょっと行き過ぎな気もする。実際、家庭でも外食でも、生野菜なんていつも普通に食べているし、家で食べる時だって、特別きれいに洗っているなんてことはないだろう。
とは言え、何かあった時には、当然国や自治体の責任が問われることになる。それを考えれば、「加熱処理」という方法は、あながち間違いではないとも思うし、安心・安全を求める親たちの期待にも応えているのだと思う。
では、一体何が問題なのか?
要するに、「本来の食感や美味しさが・・・」とか、「食育に逆行・・・」などと言っているのは、一部の教育関係者や知識人たちなのであって、それは単に、自分たちの思惑や、やろうとしていることの妨げになる、ということに過ぎない。人々の期待に応えるとか、社会的な責任という視点に欠けた、まさに無責任な発言そのものではないだろうか。
そもそも、野菜“本来の食感”とか“本来の美味しさ”って、一体なんだろう?それは生野菜でなければいけないものなのだろうか?決してそんなことは無い。
大切なことは、生野菜信仰などではなく、事実を教えることであり、「なんで思考」 [4]を身につけることだ。
何故、加熱処理が必要なのか?野菜を加熱するとどうなるのか?食感や味はどう変わるのか?などなど・・・、教えられることはいくらでもある。
食育とは何か、何を教えるべきか、その中身こそが問われているのだと思う。

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