
明けましておめでとうございます。
1月1日のことを元旦とか、元日とかいいますが、私は最近その違いを知りました。なんでも午前中が元旦、そして午前、午後を通して指す言葉を元日と言うそうですね。
よくよく漢字を見てみれば、午前を指す「旦」という字。まるで、日(太陽)が水平線から昇っていく様をそのまま形にしたような漢字です。おそらく、人々が自然を対象化するなかで生まれた漢字なのでしょう。 
で、江戸時代から言われている「一富士、二鷹、三茄子(ナスビ)」。
なんで茄子が入っているのか? (子供の頃よりちょっとした謎でした)
漢字の語源を調べていたら、そもそも茄子の原産地はインド東部。すでに有史以前から栽培が行われていたようです。
5~6世紀には中国でも栽培されるようになり、日本には8世紀以前には伝来していたようです。江戸時代には品種の分化もかなり進み、地域によって特有の茄子が栽培されるようになりました。古くから普及した野菜だけに、日本人の生活に密着していました。お盆には足をつけてナスビの馬を作るなど行事にも用いられていますし、お正月の初夢では「一富士、二鷹、三茄子(ナスビ)」と縁起の良いものと言われるように。
では、なんで縁起がいいのか?
由来は諸説がありますが、その一つは徳川家康のお膝元、駿河国(静岡)の名物を高い順に並べたというもの。富士は富士山、鷹は愛鷹山(足高山:あしたかやま)、そしてナスビ。
では、茄子の何が高いのでしょうか?
昔から初物を食べると75日寿命が伸びる と言われて初物が珍重されてきました。そこで栽培する人たちは一日でも早く収穫できるようにと工夫を重ねたのです。これが促成栽培の始まりで、日本では慶長年間(1600年頃)に静岡県の三保で始まった茄子の促成栽培が最初なのだそうです。駿河からは旬の前の四月に初茄子(はつなすび)が将軍に献上され、以後、初茄子は将軍献上の例となりました。
こんな逸話があります。
ある時、将軍が駿府城で「この初茄子の価(あたい)はいくらか?」とお訊ねになられました。初物はそれなりに値段が高いものですから、あまりに驚かれたのでしょう。「価(あたい)の高きをいわんとて、まず第一に高きは富士なり、その次は足高山なり、その次は初茄子なり」とおっしゃったのだそうです。きっと夢のような値段だったのですね。
そもそも私が不思議
に思っていたのは、
真冬の身も凍える季節の正月に、身体を冷やす効果のある夏野菜の茄子がどうして、初夢の縁起の良いものにチョイスされてるの
という点でした。
よく言われてる「初物だから、希少価値が高い。だから、縁起がいい・・・」っていうのは何とも現代的で歪んだ捉え方だと思います。
この「初物を食べると75日寿命が伸びる」というのは、日本独特の捉え方らしい。 
他にも初鰹や早春の筍でも言われますが、「今年も実ってくれて ありがとう」という自然に対する感謝の想い、他の命を頂いて生かされている、という意味が「寿命を延ばす」という言葉に込められてる気がいたします。 
「旦」の字同様、改めて昔の人々は自然を対象化し言葉として表現することで、皆で分かり合える様々な“かたち”=文化を伝承してきたのだと思いました。

新しい「農」のかたちも、自然の摂理を対象化し、皆で共有し合える言葉、認識を追及していきたいと思います。
今年もよろしくお願います。

byニカ