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穀物の価格が上がってるのはなんで?

雅無乱http://blog.goo.ne.jp/nanbanandeya [1]です。久々ですがヨロシク。
この秋くらいからトウモロコシ、小麦、大豆などの穀物の価格が上昇し、現在も高値が続いている。
オーストラリアの干ばつによる減産もあるが、夏まで高値が続いた原油や金への投資資金が、その値下がりとともに穀物市場に逃避したのが原因の一つといわれている。
投資家は儲かっていいのかもしれないが、消費者はたまらないだろう。そんな浮ついて不安定な市場に、我々の命綱である食糧の価格が振り回されるわけだ。
生産者にとってもたまらない。ある時は高値で買ってくれたと思って量産したら、今度は雀の涙ほどの安値で買い叩かれたりする。
       cover.jpg [2]
          世界の穀物市場を牛耳る巨大多国籍企業 カーギル社
今回の穀物価格の上昇には、他にもいくつか構造的な要因があるようだ。
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一つは、肉食化が進む中国やアジア諸国の飼料の需要が増えたこと。特に中国の巨大な胃袋が、エネルギー効率の悪い肉の消費に傾くことで、世界の穀物流通バランスはかなり変化してきているようだ。
もう一つの要因は、2006 年 1 月 31 日にブッシュが行った「一般教書演説」であろう。
一般教書演説の全文は、大統領府のホームページで閲覧可
http://www.whitehouse.gov/news/releases/2006/01/20060131-10.html [3]

米国の競争力を維持するためには、安価なエネルギーが必要である。しかし、米国は政情が不安定な地域からの石油の輸入に頼っており、こうした地域への依存体質から脱却するためには、技術力を挙げることが最も近道である。
2001 年以降、米国は 100 億ドル以上をかけてより安価で環境にやさしく、安定した代替エネルギー資源の開発に投資してきたが、現在、我々はさらなる技術の向上に向けた分岐点に立っている。
このため、米国は、「先端エネルギーイニシアティブ(Advanced Energy Initiative)」として、エネルギー省におけるクリーンエネルギー研究予算の 22%増加を実施し、技術革新を図って、2025 年までに中東からの石油の輸入の 75%以上を代替エネルギーで補うことを目標とする。
先端エネルギーイニシアティブでは、以下の 2 点を推進している。
(1) 一般世帯・商業施設への電力供給手法の研究: ①ゼロエミッションの石炭発電所、②太陽エネルギーや風力エネルギー、③核エネルギーの 3 分野への研究にさらに投資する。
(2) 自動車動力源の研究: ハイブリッド車や電気自動車のバッテリー研究と、環境汚染物質を排出しない水素燃料電池車の研究を促進する。またトウモロコシだけでなく、木片や植物の茎、スイッチグラス(キビの一種)などからエタノールを生産する方法を研究し、6 年以内に実用的で競争力のある新しいエタノールを製造する。

この指針に従い、トウモロコシをガソリンの代替燃料のエタノールに、大豆を軽油代替燃料のバイオディーゼルに転用する動きが進んでいる。
これが新たな需要を生み出し、価格をさらに押し上げているようだ。
例えばアフリカなど、世界には食糧不足により餓死する人々は山ほど存在する。後進国の飢えに晒されている人々にとっては、食料の値上がりは命の直結するだろう。しかし、先進国の市場はあり余る食糧を代替エネルギーとして利用しようとしている。そしてそれが食糧価格を上昇させる。上昇を見込んだ投資家の資金が流入し、さらに価格を高騰させる。そしてまた飢死者が増える…
…実に複雑な気分である。
最後にこのサイトを紹介したい。
「世界飢餓にまつわる12の神話」
http://journeytoforever.org/jp/foodfirst/report/hunger/12myths.html [4]
ここには、「世界が飢饉に見舞われる原因」「飢饉に対する対応策」と我々が思い込んでいる数々の常識がことごとく覆される内容が書かれている。

大きな気付きがあると思うので、ぜひ一読してみてほしい。

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